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沙々杯みんなの俳句大会/予選ラウンド投票開始 25日20時まで

投票会場↓


【予選ラウンド進出36句】

肉まんを分ければふたり分の湯気

絶望をまるっと飲んだ冬茜

銀世界童になりて遊ぶ吾

重力の精魂果てて軒氷柱

鉄塔の等間隔や風は冬

あの日から帰らぬ人よ山眠る

冬の月眠れぬ夜のための本

赤子抱くマミーのほほは冬珊瑚

雪音や赤子の寝息重なりて

君の乗る列車探して冬銀河

結露拭き指先染みる冬の朝

吾・地球・宇宙の脱皮玉の春

叫べないムンクのような柳葉魚焼く

焚き上げの漆黒に舞う淡き煤

紅絹裏もみうらのちらりちらりと雪もよい

一日に心は錦うつ田姫

自転車の背で寝る吾子の頭突く冬

コーヒーを片手に見ゆる貨車の雪

北風と偽名の恋を終えてきた

降り止みて動くもの無し雪の庭

凍土や眼孔深き少年兵

跳ね翔んで青天井の手毬かな

子が笑う真っ赤な鼻に溶ける雪

はてしない星のひかりの毛糸編む

シリウスが時節の巡り教えたり

阪神忌ポートタワーの照らす街

マフラーの色で識別あれは敵

ささくれた唇を噛む冬の夜

鍋焼の蓋より軽き余命かな

電話の「楽しみね」近づく年末

メキメキと凍土を穿つ雪中花

寒暁に淹れて飲み干すミルクティー

素子の街電子制御の雪が降る

マフラーの君の残り香秘めし恋

夜もすがら冬満月とランデブー

雪景色湯船に蕩とける影ふたつ



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