【キャット・オア・レプティル】
その幻影はニンジャ装束を着ていた、その装束は爬虫類を連想させる意匠があった、それは私を指さし、次にその指を自分に向けた。そして衝撃が来た。
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「ドーモ、ゴッドファーザーです」
「アイエエエエ!!!!!、ニンジャ、ナンデ?!貴方は一体!」
「ナヅケミノコンを読んでいたら貴方と繋がったようだ、まだあなたには名前がない、ニンジャとしての。」
「私がニンジャ、ナンデ、どうして」
「私が名前を付けましょう。貴方のニンジャネームはムシュスーだ」
「私、ゴッドファーザーはニンジャソウルでもリアルニンジャでもない、オタッシャデ、リューシロー・シカタ=サン、いえムシュスー=サン。」
忘れもしない、この出来事。
私はニンジャとなった、しばらくモータル時代のカイシャを続けて、資金と時間を稼いで準備をしようとした。
名付けられた時に、既にカラテが頭の中に入っていた。
ボー・カラテだ、それが私のまず修めるべきカラテ。
ボー・カラテに関する映像を集めた、カラテの試合だけでなく、映画などのフィクションも一週間もずっと見ていた。
空想のアクションも現実でこなせるようにならなければニンジャには足りないと判断したからだ。
「しかし、ニンジャになったとしてもすぐに他のニンジャがいることを知るとは、そのニンジャはオバケめいていたし。」
ムシュスーことリューシロー・シカタは憑依直後にゴッドファーザーとの遭遇を思い返す。
彼にとって自分以外のニンジャ、それもオバケめいたニンジャが居たことを憑依直後に知れたのは幸運かもしれないし、不幸かもしれない。
ただそれを知ったが故に資金と下調べをするための時間を稼ぐためにカイシャ勤めを辞めることはしばらくない。隠れ蓑をわざわざ捨ててどうすると言うのだ。
そしてニンジャ化してからしばらくして、モータルのままでは捉えられなかっただろう、ニンジャがイクサをし、爆発四散する音を聞いた、力を蓄えずに暴れていたら遅かれ早かれああなっていただろう。
「ニンジャになったら、悪徳政治家を裏からでも操りたかったんですが、ひょっとするともう誰かやっているのだろうな、まずはカラテ鍛練はともかく、人脈をどうするかだ」と彼は考えた、とりあえずあのゴッドファーザーというニンジャを探して、会ってみるかと思い、眠りについた。
「アーアー、ドーモ、ムシュスー=サン、私はゴッドファーザーです、また私を呼ぶ声とそしてあの時に言い忘れていたことがあったので来ました。」どうやら、彼は地獄耳だったようだ。
「ドーモ、ゴッドファーザー=サン、ムシュスーです、で?その言い忘れたことはなんですか?」
「それは私の住処の場所です、ネオ・ショーナンに私達の教会が有ります、後で迎えの者を送るのでルゥマンドォでも食べなからお待ちを。」
ゴッドファーザーはそういうと消えた、
迎えの者はニンジャ何だろうかとムシュスーは夢の中で思い、ノンレム睡眠に変わった。
ムシュスーこと、シカタは眠りから覚めた、彼は迎えが来る前にヨロコビ・マートで砂を球状に固めたようなキナコボールを買いに行った。
そして、帰宅した時に呼び鈴がなった。
「ドーモ、ムシュスー=サン、私はショートセンテンスです。」
「ドーモ、ショートセンテンス=サン、私がムシュスーです、貴方が迎えのニンジャですか。」
「そうだ、ゴッドファーザー=サンの頼みでお前を迎えに来た、早く準備しろ。」
ムシュスーは自作の白いニンジャ装束に着替えた、その装束には「爬」「獸」のカンジがあった。
ムシュスーは自作白ニンジャ装束を着て、ボーをホルダーに引っ掻け、おみやげのキナコボールを懐に入れた。
「出来たな、来い」ショートセンテンスはそう言うと色つきの風になった。
ムシュスーも彼を追い、自身も色つきの風になった。
ショートセンテンスに付いていくと、教会が見えた、「ここが、サント・デル・フジサワ教会だ」ショートセンテンスは言った、そして中まで案内してやるぞという目をしながらムシュスーを見て、彼はそれを感じ取り、付いていった。
強大なカラテの気配を感じながら。
そして、敷地内をショートセンテンスと歩きながら庭師の格好をしたニンジャに会った「ドーモ、エボニーアワビ=サン、ショートセンテンスです、隣のこいつは新人だ、自分からアイサツをするがいい。」、「ドーモ、初めまして、エボニーアワビ=サン、私はムシュスーです。」
「ドーモ、エボニーアワビです、私はここで庭師をやっております。他にもこの教会には私とゴットファーザー以外にも番頭やメイドがいますが、今はこの場に居ません。」
「ゴッドファーザー=サンなら教会にお菓子を用意して待ってますよ、ムシュスー=サン」「それはドーモ、こちらも土産物としてキナコボールを持ってきた。」と返し、会釈して二人はその場を去った。
教会の中に入ると、ゴッドファーザーがいた。
あの鋭い目付きと黒いメンポ、筋骨隆々とした肉体は現実世界でも変わらなかった。
「ドーモ、ムシュスー=サン、ゴッドファーザーです、ようこそ我が住居に、そしてショートセンテンス=サン、お迎えありがとう。」
ショートセンテンスは自分の仕事は終わったと言いたげにオジギをして、去って行った。
「ドーモ、ゴッドファーザー=サン、ムシュスーです。土産としてキナコボールを持ってきました。」
「おお、わざわざアリガトウゴザイマス、貴方をここに呼んだのは今後の将来について聞くのと装束や武器の供給先についてです。」
「今後の将来ですか、フリーランスの傭兵で行こうと決めているのですが、色々と情報収集している時にアマクダリという組織の名を聞いたのですが、何か知りません?」
「アマクダリ・セクト、それは今亡きラオモト・カンが率いていたソウカイヤ残党と、アガメムノンというニンジャの私兵団がその息子チバを頭として出来た組織だ、私はそれ以上のことは知らないが貴方がそこに入るのは進めない。」
「ラオモト・カンですか、癒着を暴露されながらも、聖人認定が取り消されなかったあの人もニンジャだったのか。」
「とても強大なニンジャだったよ、しかしニンジャスレイヤーという狂人には勝てなかった。」「ニンジャスレイヤー?、随分と大仰な名前を、彼がソウカイヤを滅ぼしたと?」
「そうだ、彼はキョートのザイバツも滅ぼした、今は死んでいるか生きているかわからないが。」
ゴッドファーザーはカフェオレでキナコボールとルゥマンドォを食べながらそう言った。
「その彼とはできる限り関わりたくないですね。」ムシュスーも菓子とカフェオレを飲み食いしながら言った。
「まずは、装備の調達先の連絡先と仕事のコネを頼みます。」「まずは、カラテ研修からだ。」
「カラテ研修、それはどんな内容ですか?」
「人によってカリキュラムが違うから、決まるまで待ってくれ、そして道具屋や呉服屋の連絡先を教えておきましょう。」そう言うとゴッドファーザーはムシュスーに二枚名刺を渡した。その名刺にはドウグ社とフクベ呉服の名前があった。
「これは、ここに装束や武器を頼めば間違いないと?」
「そうだ、その二つは他のニンジャにもご贔屓にしている、カラテ研修についてはIRCなどでまた連絡しよう。」そうゴッドファーザーは言い、また名刺を渡した、そこには「名付神父」と連絡先が書かれていた。
そして、ムシュスーはゴッドファーザーに礼を言い、教会を出た。そして
「ドーモ、ハスカールです。」
「ドーモ、ムシュスーです。」
「見ない顔だな、それがここに来るとはゴッドファーザーに色々と用立ててもらったか。」「はい、その通りです、その用が終わったので帰るところです。」
「所で、ハスカール=サンは何でこんなところに来たのですか?」
「俺は、またゴッドファーザー=サンから仕事の依頼を受けてな、金払いが良くてな、所でお前さんはどこの所属だ?」「私は無所属です、まずはゴッドファーザー=サンから依頼を受けて、人脈を開拓しなくては。」
「ほお、ゴッドファーザー=サンの所は金払いはいいが、依存しすぎるんじゃねえぞ、俺は基本中立で、ある二つを除いて金次第で何処にでもつくぜ。
「ある二つとは?」
「サヴァイヴァー・ドージョーてアマクダリ・セクトだ。」
「後者は存じていますが、前者は知りませんね、どういった組織なのですか?」
「ドージョーは、ヨロシサン製薬の元サラリマンのニンジャがバイオニンジャを率いている無軌道組織だ、どいつもこいつも話の通じねえ奴らだから接触すると面倒だぜ、アマクダリはそうだな、話は聞いたんだろうが、不穏な臭いがするぜ。」
「やはりアマクダリには警戒していた方がいいですね。」
「それと、傭兵でやっていくなら俺はアンタの味方にも敵にもなるぜ」
「忠告をありがとうございます、オタッシャデ。」「タッシャデな、ムシュスー=サン。」そして二人は別れた。
そして、庭仕事を続けていたエボニーアワビとも別れのをアイサツを交わした。
「「オタッシャデ」」「ムシュスー=サン。」「エボニーアワビ=サン。」
シカタ・リューシローが家に帰りついた時に彼は名付けられたニンジャの名を気に入っていたことを思い返した、毒蛇と獅子と蠍と鷲が混じりあった名を。
そして翌日に彼はカイシャを辞めた。
【キャットオアレプティル】終わり
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