【企業分析】Cloudflare
NET (NYSE)
時価総額:409億ドル
株価:126ドル
売上高:6.6億ドル
営業利益:▲1.3億ドル
(2021年)
事業内容: ウェブサイトパフォーマンス、セキュリティサービス
設立年:2009年、上場
本社: アメリカ合衆国カリフォルニア州サンフランシスコ
代表者: マシュー・プリンス創業者兼CEO
従業員数:2,440人
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概要
コンテンツデリバリネットワーク(CDN)やインターネットセキュリティサービス、DDoS防御、分散型ドメイン名サーバシステムを提供するアメリカ合衆国の企業で、同社が提供するCDNは閲覧者とホスティングプロバイダー間でリバースプロキシとして動作する。DNSの変更でウェブサイトやモバイルアプリケーションに対応するネットワークの保護、速度向上や改善を実現している。本社はアメリカ合衆国カリフォルニア州サンフランシスコにあり、オフィスを米国(オースティン、シャンペーン、ニューヨーク、サンノゼ、シアトル、ワシントンD.C.)、トロント、リスボン、ミュンヘン、パリ、北京、シンガポール、シドニー、東京に持つ。
CDNとは、Webサイトにある画像や動画などのコンテンツを、Webサイトが管理されているサーバーとは別の複数の地域に配置されたサーバー(CDNサーバー)にキャッシュし、ユーザーに最も近いサーバーが代わりに配信することで、ウェブサイトの表示速度が向上するサービスのことで、アカマイ・テクノロジーズ(AKAM)が業界最大手。
クラウドフレアは、無料版に加え、有料版でも安価な月額固定料金モデルを採用しており、コストが大幅に削減できる点が特徴。
プロダクト・ビジネスモデル
Cloudflareは、ウェブセキュリティ・パフォーマンス改善において圧倒的な知名度を誇るサービス。高度なファイアウォールに加えて、CloudflareはCDNキャッシュ、画像最適化、インテリジェントトラフィックルーティングなど、ウェブサイトのパフォーマンスを向上させるさまざまな機能を搭載している。
あらゆるウェブサイトのパフォーマンス向上に貢献するのが、Cloudflareなどのコンテンツデリバリネットワーク(CDN)。大中小さまざまな規模のサイトで、CDNの人気が高まっており、Cloudflareはその中でも人気の選択肢。
W3Techsのデータによると、CDNやリバースプロキシを使用する全てのウェブサイトのうち81.2%がCloudflareを利用しているとのこと。
世界有数の人気サイトもCloudflareを採用
世界でも人気上位のCDNを顧客数で見ると、市場の様相がより深く理解できる。Cloudflareが依然としてトップで、Amazon CloudFrontとAkamaiがそれに続く。
これら3つのCDNを合わせると、CDN市場全体の顧客のうち89%を網羅する。Cloudflareを利用する有名どころのサイトは以下の通り。
Medium
Discord
Fiverr
Udemy
Canva
Cloudflare は市場シェアと顧客数の両方で圧倒的な強さを見せているが、その顧客層のほとんどは中小規模のウェブサイトや企業のサイトである。企業だけに絞ると、競合他社よりもはるかに長い歴史を持つAkamaiが優位に立っている。
このような顧客層の中身の違いが、市場シェアでトップであるにもかかわらず、Cloudflareの収益が年間約2億8700万ドル(2019年)にとどまっている理由のひとつである。一方、Akamaiは同年28億9000万ドルの収益を計上している。
BuiltWith公開のデータによると、Cloudflareは世界のトップ10,000件のウェブサイトのうち約30.9%で使用されている。
重要なポイントとして、Cloudflareの企業顧客数がそのサービスの質に直接関係しているわけではない。Amazon CloudFrontやAkamaiなどの他社は、より広範なサービスの一環としてCDNを提供しており、利用するサービスを簡素化したい企業にとっては、魅力的な選択肢となっている。
2014年6月、Webユーザー向けセキュリティサービスの拡張のため、ライアン・ラッキーが設立したCryptoSealを買収した。2014年2月、マルウェア検出、自動マルウェア削除、会社の評判やブラックリストのモニタリングといったサービスを提供するStopTheHackerを買収。2016年12月、Cloudflareのアプリプラットフォームをアップグレードし、Cloudflareを実装しているサイトでサードパーティアプリをドラッグアンドドロップによりインストールできるようにするため、Eagerを買収した。2020年1月、元Microsoft(マイクロソフト)の役員たちが作ったブラウザー隔離サービスのS2 Systemsを買収したことを発表した。
業績
FY2020(2020年1月-2020年12月期)の売上高は4.3億ドルと、前年度比+50.2%、過去3年間で年率+47.3%となった。
地域別の売上高は、以下の通り。
・アメリカ:0.9億ドル、前年同期比+53%
・欧州/中東/アフリカ:0.5億ドル、前年同期比+62%
・アジアパシフィック:0.2億ドル、前年同期比+25%
地域別の売上高構成比は、アメリカが53%、欧州/中東/アフリカが26%、アジアパシフィックが14%を占める。
顧客数、ネットリテンションレートの推移
有料顧客数は13.2万件(前年同期比+31%)となった。
年間契約額10万ドル超の顧客数は1,260件(前年同期比+71%)となった。
ネットリテンションレート(既存顧客の売上継続率)は124%と、100%を大きく超えて推移しており、追加的なサービス等により既存顧客の支払いが増加していることを意味する。
経営者
共同創業者兼 CEOのMatthew Prince は2009年に、現COOのミチェル・ザトリンと共にクラウドフレアを創業した。同社は2019年9月に上場を果たし、株価はそれ以降2倍近くの上昇となっている。
プリンス(1974年生まれ)は1996年、ハートフォードにあるトリニティ・カレッジで英文学とコンピュータ・サイエンスの学士号を取得。トリニティ・カレッジ在学中は、The Trinity Tripodの編集長、The Trincoll Journalの共同設立者、Writing Associateのメンバー、Student Network Administratorの一員、またDebate Societyに所属していた。
2000年にはシカゴ大学で法学博士号を取得し、The Phoenix Legal Magazineの編集長、The Legal Forum Topical Law Reviewの編集長も務めました。2009年、ハーバード・ビジネス・スクールでMBAを取得。
財務状況
現預金+短期投資(国債・社債等)で$1,069Mnほどあり、売上は$400Mnほどなので、2.5年分の売上に該当する規模の余剰資金を保有していることになる。(そのうち$360Mnほどは借入による調達だが。)
Q2決算から以下のCash Positionに関するページが追加されたことは一つ良い傾向であゆ。潤沢なCashを持っている事、営業キャッシュフローがプラ転した事、がメッセージ。
今後営業キャッシュフローは継続的にプラスを維持できるという自信が経営陣にはあるのではないかと想像することができる。
既存のプロダクトについては投資フェーズが終了し、投資回収フェーズに入ってきたというメッセージでもあるので、ここからどんどんキャッシュフローが改善してくるのかと思われる。
また、営業キャッシュフローがプラ転したにも関わらず、転換社債で$562Mnを調達しているので今後M&Aなども含めた大胆な成長投資も仕掛けてくる可能性もある。
総じて、財務体力の観点では非常に良い状態。