【企業分析】インフォシス
概要
インフォシス リミテッドは、インドのカルナータカ州バンガロールに本社機能を置く世界有数のITコンサルティング・ビジネスコンサルティング・テクノロジー・エンジニアリング・アウトソーシング・ソフトウェア開発企業。
大規模なシステム開発、ERPのグローバルロールアウトを得意としてきたが近年はデジタルトランスフォーメーションに特化しデジタルソリューションに注力している。
バンガロールに本社を置くITコンサルティング会社 Infosys(インフォシス)は、グローバル売上が1兆4千億円以上、従業員数は約27万人を有する大企業です。
インドのIT企業に対するイメージは、以前はコストメリットのある開発、保守に強いオフショア会社でしたが、数年前からはもはやオフショア企業ではなくなりました。つまりインドの人件費の安さから、開発コストを抑えられる点に競争力をもっていると思われていたイメージはもう古く、今では、例えばGEと包括パートナーシップを結んで、製造業における最先端のIoT活用を共同研究していたり、ゴールドマン・サックスの個人向け融資事業や、電気自動車メーカーの自動運転など、お客様のパートナーとして幅広いビジネスを世界各地で手がけており、世界のIT業界でリーダー的なポジションを占めるまでになりました。
プロダクト・ビジネスモデル
インフォシスは1981年にインド・プネで7名の技術者により創業、現在は世界50カ国以上で約27万人のスタッフにより完全にデジタルサービスに特化し、顧客のデジタルトランスフォーメーションを実現するためのビジネスコンサルティング、ITサービス、アウトソーシング、次世代テクノロジーといった幅広いサービスとソリューションを提供しています。
特に日本オフィスでは、ITコンサルティングファームや大手SI企業が提供不可能な日本発グローバルをカバーする高度なテクノロジーソリューションを提供しています。日本では、主に以下9つのサービスにフォーカスし、人材の確保・トレーニングをしています。
・SAP S/4 HANA
・Oracle Cloud
・BI modernization (データ活用、データ分析)
・Legacy Modernization
・Engineering Services
・Cloud Ecosystem
・Microsoft Business Application Services
・SFDC
・Digital Workplace Service
2019年4月1日より旧日立プロキュアメントサービス株式会社に対して81%出資し、株式会社日立製作所様(15%)、パナソニック株式会社様(2%)、パソナグループ様(2%)と共にHIPUS株式会社をスタートさせました。
HIPUS社ではインフォシスの最新テクノロジーを活用し、間接購買業務の新しいサービスを展開してます。
事業戦略
「理系の復権」でインド企業は有利
IT業界の中で、4、5年前から、「ビッグデータ」「データサイエンティスト」「デジタルトランスフォーメーション」といった言葉を耳にする機会が増えてきました。これまで、ITを使った業務改革は、「戦略コンサル」がトップにあり、その下が「総合系コンサル」、その下に「ITコンサル」があるというピラミッド構造でした。起点はつねに戦略コンサルであり、いわば「文系」の考え方でできていたと思います。
それに対して、この5年くらいは「理系」の考え方による業務改革が増えています。つまり新しい技術や研究成果を起点として、業務改革が進められていくようになっています。かつて理系の研究者はマーケットから乖離していると思われていましたが、いまや統計分析や人工知能の研究者が人気を集めています。理系の発想でトレーダーやアナリストに転進する人も多いように見受けられます。
バンガロールに世界レベルの理系大学が集積しているように、インドの教育や研究の環境は非常に恵まれています。「理系の復権」に注目が集まるなかで、このような豊富な人材を持つインド企業は非常に有利なポジションにあると言えます。
インフォシスも、インド南部マイソールに1万5000人が同時に研修を受けることができる世界最大級の企業内大学「Global Education Center」をもっています。「継続した学習こそ力の全て」。インフォシスは社員教育に非常に力を入れており、入社後も、デザインシンキングやAIなど最先端の教育を受けることが可能です。
インフォシスの売上構成
インフォシスの事業は、ざっくり言えば、「海外向けのITコンサル&アウトソーシング受託」です。
インドは欧米諸国と比べると人件費が安いため、数多くのIT人材を安く採用することができます。
実際、売上のほとんどは北米やヨーロッパなど、インド国外になっています。
北米の売上が63億ドルと最も大きく、ヨーロッパが23億ドルの売上で、インドは3億ドル程度に過ぎません。
割合でも見てみましょう。
インド国内の売上比率は3%に過ぎません。
直近では北米が62%、ヨーロッパが23%ほどを占めていますが、昔と比べると北米の比率が低下していることがわかります。
事業領域ごとの売上比率を見てみましょう。
金融サービスが27%と最も大きく、エネルギーや通信サービス(Energy & utilities, Communication and Services)が22.5%と続いています。
ただ、ジャンルにそれほど偏りはなく、文字通りあらゆる産業を顧客としていることが伺えます。
顧客数は1,191社にまで及んでいます。
市場動向
21世紀の変わり目とともに、インドはBPOだけでなく、IT関連機能のグローバルソーシング先として浮上しました。低コスト、技術的能力、有能な人材プールへのアクセス、および支援的な政策枠組みがインドのITアウトソーシング市場を牽引しています。収益の面では、インドのITアウトソーシング市場は2019年に5兆6,494億7,000万インドルピーと評価され、2025年までに8兆8,301億4,000万インドルピーに達し、2020年から2025年の間に7.25%のCAGRで拡大すると推定されています。
タイプに基づく市場セグメンテーション:
インドのITアウトソーシング市場は、ITサービスとパッケージソフトウェアに分かれています。市場はITサービスセグメントが支配的であり、2019年度の市場収益の89.70%を占めました。インフラストラクチャサービスとクラウドサービスのアウトソーシングに対する需要の増加は、このセグメントの大きなシェアに貢献しました。
パッケージソフトウェアセグメントは、予測期間中に急速に発展すると推定されています。インドのSMAC(ソーシャル、モビリティ、アナリティクス、クラウド)テクノロジーの熟練度は、このセグメントの成長を促進すると予想されます。インドは、今後数年間でフィンテック、SaaS、ネットワークセキュリティなどのさまざまなソフトウェアのリーディングプロバイダーとして浮上する可能性があります。
業種に基づく市場セグメンテーション:
インドのITアウトソーシング企業がサービスを提供する主要産業には、銀行、金融サービス、保険(BFSI)、ハイテク/電気通信、製造、ヘルスケアなどがあります。BFSIは最大の産業セグメントとして浮上し、2019年度の収益シェアの55.65%を占めました。デジタルバンキングとフィンテックソリューションの助けを借りてキャッシュレス経済を達成するというインドの目標は、BFSIセグメントの着実な成長を可能にしました。
ヘルスケアセグメントは、2020年度から2025年度の間に12.00%のCAGRで拡大すると予測されています。ヘルスケア業界はデジタル革命の瀬戸際にあり、遠隔医療、遠隔医療、ヘルスケア分析、電子健康記録(EHR)などのテクノロジー対応製品やサービスに対する膨大な需要が生じています。
輸出先に基づく市場セグメンテーション:
米国、英国、欧州は、価格優位性と柔軟性により、インドからITサービスをアウトソーシングする主要な国と地域の1つです。デジタル機能の成長に伴い、インドはサービスプロバイダーからフロンティア技術に基づく革新的なソフトウェアの開発者に飛躍しました。インドのITアウトソーシング市場は、米国から3兆4,992億8,000万ルピーの収益を生み出しました。さらに、中国、日本、ASEAN諸国は、インドのITアウトソーシング企業に有利な機会を提供する可能性が高い。
市場インフルエンサー:
インドにおけるデジタルインフラストラクチャの驚異的な強化は、ITアウトソーシング市場を牽引する上で重要な役割を果たしました。インターネットと高速インターネット接続の普及、インドのソフトウェアテクノロジーパーク(STPI)ユニットと経済特区(SEZ)へのイノベーションセンターの設立は、市場の成長を促進しました。
さらに、インドのIT企業は、デジタルスキルの高い労働力を構築するために、自動化、分析、AI、機械学習、IoTなどの破壊的技術に関するトレーニングを提供しています。しかし、グローバルな社内センターの成長とグローバルなIT支出の削減により、市場の進歩が妨げられています。経済のメルトダウンと複雑な地政学的環境は、そのさらなる成長を妨げると予測されています。
経営者
サリル・パレック(Salil Parekh)は、インフォシスの現最高経営責任者(CEO)兼マネージング・ディレクターです。
パレクは2018年1月2日に暫定CEOのU B Pravin Raoの後を継いだ。
インド工科大学ボンベイ校(IIT Bombay)航空工学科卒業。コーネル大学にてコンピューターサイエンスと機械工学の工学修士号を取得。
パレクは、それまで勤務していたアーンスト・アンド・ヤングのコンサルタント部門が吸収合併された後、2000年からキャップジェミニでグループ経営委員会のメンバーとして勤務していた。
直近ではグループ執行役員を務め、2015年3月に副CEOに就任。アプリケーションサービスやクラウドインフラサービスなどからなる事業クラスターの統括を担当した。
沿革
1981年インドのプネーにおいて、ナラヤナ・ムルティ(現在は名誉会長および代表相談役)やクリス・ゴパラクリシュナン(三代目CEO)など7人のメンバーにより、250ドルの資金でスタートする。(2代目CEOのナンダン・ニレカニはその後入社してきた)
設立当初よりインド的なファミリービジネスの企業体ではなく、インドが誇れる世界に通用する企業体になることを目標として掲げる。最初の10年間はインド国内より世界を相手にビジネスを展開していたため、現在のようなオフショアモデルが成立せず、非常に困難な時代であった。
1990年代前半のインドの経済政策の変更、1995年以降の通信インフラの整備、1999年におきた「2000年問題対応」をステップに、欧米企業からの盛んなIT投資とオフショア・アウトソーシングのブームに乗り、2000年以降は、英語力・技術力にたけた低コスト人材と、米国との時差を生かした効果的な時間活用を魅力に、欧米企業のノン・コア業務の受け皿となる。
当初より品質管理に重点をおき、早い時期にカーネギーメロン大学ソフトウエア工学研究所が規定するCMMI(能力成熟モデル統合)において最高水準となるレベル5に認定される。1999年にインドの企業としては初となる、米NASDAQへの上場を果たした。
株価推移
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