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【企業分析】Teladoc

TDOC (NYSE)
時価総額:409億ドル
株価:126ドル
売上高:23億ドル
当期純利益:▲4.3億ドル
(2021年)

事業内容:オンライン診療サービス
設立年:2002年、2015年上場
本社:アメリカ合衆国ニューヨーク州ハリソンパーチェス
創業者:Byron Brooks、Michael Gorton
従業員数:5,100人

概要

遠隔医療企業のテラドック・ヘルス社は、患者とヘルスケア提供者を、電話、画像チャット、同社プラットフォームを介して接続するサービスを提供しています。

オンライン診療(テラドックはバーチャルケアと呼んでいる)とは、スマートフォンアプリなどを通じて自宅にいながらビデオチャットで医師の診療を受けることができるサービス。

世界最大規模のオンライン診療サービスプロバイダー。

 契約ユーザーはモバイルデバイス、インターネット、ビデオチャットなどを通じ、同社の運営するオンデマンド診療プラットフォーム上に24時間・365日アクセス可能で、医療専門家(医師や医療エキスパート)から診療・診断やアドバイスを受けることができる。インフルエンザなどの緊急性の低いものから、糖尿病、高血圧、慢性腎臓病、がん、鬱血性心不全、精神疾患などの慢性疾患まで、幅広い領域をカバーする。2021年12月末時点の有料会員数は約5360万人、同年度のオンライン診療件数は約1540万件を超える。20年10月、慢性疾患向けデジタル医療管理サービスを手掛けるリボンゴ・ヘルスを買収した。22年2月にはIT大手のアマゾン(AMZN)と提携。Echo端末搭載の音声AI「Alexa」を通じ、テラドックのコールセンターに繋がるようにした。

プロダクト・ビジネスモデル

仮想初期治療事業: 患者と初期治療提供者を接続し、定期健診を実施。さらに、患者とかかりつけの医療提供者が継続的に交信し、将来を見越したテイラーメイドの健康計画を策定。同社の試験的導入では、仮想初期治療サービスが利用可能の場合、年次検査を受けたユーザーは30%増となった。

一般遠距離医療: オンデマンド予約で医療提供者と患者を接続。サービスは一般から特殊医薬品までを対象。注目点として、同社プラットフォームは、これまで3,300万件のメンタルヘルス診療を仲介。また、すべての遠隔地医療検診で、92%の患者が健康ニーズは満たされていると報告している。

慢性疾患介護管理: 医療提供者は、接続型機器やアドバイス機能に24時間アクセスし、患者の健康状態を診断できる。

対面式診察による感染リスクを回避したい患者の動きを反映し、コロナ禍期間を通じて、テラドックのプラットフォーム利用数は急増しています。コロナ感染流行の第一波が確認された2020年第2四半期は、テラドックの仮想ヘルスケアアクセス件数が280万件と、前年同期比200%増を記録しました。6 夏期には感染数が低下傾向を示し、多くの関係者がアクセス件数の減少を見込んでいましたが、第3四半期の利用数は280万件と、前期と同水準を維持しました。7 第3四半期末時点の同社サービス登録ユーザー数は、前年同期比47%増の5,150万人となっています。もう一つの注目点は、現金と株式による総額185億ドルのリボンゴ社(遠隔地健康管理企業)買収手続きが10月に完了しました。この買収により、リボンゴの確立された遠隔地管理技術をテラドックの遠隔医療インフラに統合し、仮想治療市場の深堀りだけでなく、業界最大手の地位を揺るぎないものにできる可能性が高まりました。

【ユーザー数】
・米国に住む7,000万人の方がTeladocを使用
・またLivongoの糖尿病治療サービスは41万人が活用
【サービスカバレッジ】
・Teladocは175か国で展開
・米国内の上位100病院の60%がTeladocとLivongoのサービスを導入
【データ量】
・2020年のTeladocの利用回数は1,000万回に及ぶと想定
・Livongoの2020年Q2までのデータトランザクションの合計は7.5億回
 ざっくりまとめると上記の様な形になる訳ですが、要は両社が組むことによって競合が追随できない規模の遠隔医療サービスができあがる、といった事をご理解いただければと思います。

市場動向

テラドックは米国のオンライン診療サービスでNo.1シェア 

IPO時の資料なのでやや古いが最近の米国におけるテレヘルス(遠隔診療サービス)マーケットシェアは70%(診療件数ベース)と予想されている。

テラドックは米国オンライン診療サービスで最大手で会員数は2200万人以上、テラドックに登録している医師や有資格医療従事者は3100名で、登録者が医療に従事してきた平均年数は20年以上。

10分程度の待ち時間で、24時間365日テラドック登録医師から診療受診でき、アポイントをとって病院に行かなくても済むので後回しにしてしまいがちな診察を早期化し予防医療にも期待されている。

また、デジタルによる効率化によって従来の対面診療よりも割安でサービスを提供し、従来の診療がシンプルにサービス享受できるため利用も急激に伸びている。もちろん緊急性を伴わない症状に限定される。

テラドックを通じた初診で92%が問題が解決されたと報告し、顧客満足度は95%だという(同社調べ)

TeladocとLivongoが組む事により、TAMは$121Bnと途轍もない規模の市場が狙いに行ける様です。このうちの10%を取るだけでも売上は$12Bnとなり、2020年のTeladocとLivongoの売上の合計の10倍に匹敵する規模の売上となります。

更に上記はあくまで米国国内のみでのTAMとなりますので、グローバルにサービス展開をしているTeladocの販売網を活用する事によって、更にTAMを広げていくことが可能になります。Amwellなどの競合はいるものの、正直気にならない位の大きさのTAMであることはお分かりになるかと思います。
 また米国では国策として遠隔医療の導入を推進しており、その点も市場性の観点ではポジティブかなと思います。所謂「国策に売り無し」です。

業績

売上は綺麗な右肩上がり。2020年は赤字拡大しましたが、これはリボンゴ・ヘルスの買収によるものです。高成長の新興IT企業の財務戦略と同様に、テラドックヘルスも、今は利益にこだわるステージではなく、売上とシェア拡大に注力すべきと考えていると思われます。

経営者 

CEOはジェイソン・ゴレヴィチ。2002年、医師らによって、テラドックヘルスはテキサス州で創業されました。その後、ジェイソン・ゴレヴィチが同社に加わり、現在のように大きな会社となったようです。ジェイソン・ゴレヴィチは創業者ではありません。年齢は48歳。写真のように若いCEOです。

ゴレビッチ氏は、ヘルスケアのバーチャル提供におけるソートリーダーおよび先駆者として全米で認められており、ヘルスケア成果の向上とケアへの普遍的アクセスの提供に対する情熱に燃えています。

ヘルスケア分野での幅広いキャリアはOxford Healthに始まり、WellPoint, Inc.(現Anthem, Inc.)と Empire BlueCross BlueShieldで経営幹部としての役割を担ってきた。

ペンシルバニア大学で国際関係学の学士号を取得しています。

株価推移

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