見出し画像

ニジイロクワガタ飼育記録

ニューギニア南部、オーストラリア北部のクイーンズランド州が有名な生息地。七色に輝く世界一美しいクワガタとして知られています。

美しく独特の形状で非常に人気の高いクワガタですが、入手から飼育に至るまで割と簡単で、外国産のクワガタ飼育の登竜門と言っても過言ではない種のひとつです。

血統やカラーによって価格は変わりますが、大体3,000円〜購入が可能です。長寿な種ですので、観賞用にもピッタリで子供にも人気です。

私がブリードを始めた頃には、元のノーマルカラーの中から発色によって選別されたものを何代にも渡り累代した各カラーが存在しておりました。先人たちの努力の努力のお陰ですね!

以下は、私がブリードしてきたニジイロクワガタの一部の写真です。

パープルのホワイトアイ
ノーマルカラー(ゴールドピカール血統)
グリーン
ブロンズ(アンバー)
レッド
ブルー
ブルー×グリーン
グリーン(ピカール血統)

カラーの豊富さ、ブリードの容易さから初心者でも楽しめるクワガタとなっております。

個人的な最大の魅力は、レッド×ブルーの様に違うカラーを掛け合わせたり、ブルー×ブルーでどれだけ良い発色をするのか?が楽しめる点です。

上段写真のブルー×グリーンの様に、各カラーが上手く混ざり合うとなんとも言えない美しい個体が誕生することもあります。

パッと頭に浮かぶだけでも以下のカラーが存在しております。

▪️ノーマルカラー
▪️紫紺
▪️ブロンズ(アンバー)
▪️グリーン
▪️レッド
▪️ブルー
▪️パープル
▪️イエロー

その他に血統化されているものもおります。

▪️ピカール(ゴールド・レッド・グリーン)
前胸(頭のところ)に光沢がでる血統
▪️青紋
羽の縁に青い紋がでる血統
など。個人で血統化されているものも含めるともっとあります。

一通りのカラーや血統はブリードしましたが毎回、成虫の割り出しの際は「どんなカラーが見られるんだろう!?」とドキドキさせてくれます。(今まで500以上は羽化させましたが、良くも悪くも予想通りのカラーしか羽化ませんが💦)

以前に有名なブリーダーさんが、前胸(頭部)がゴールド?黄色?オレンジ??の様な個体を羽化させているのをTwitter(X)で見ました。

子への遺伝はなかったようですが、それだけ新しいカラーを出すことは難しく、遺伝させることも難しいようです。

前振りが長くなりましたが、ここからブリード方法となります👍


【産卵セット】

・ケース
コバエシャッター小
・マット
産卵1番(目が荒すぎなければ何でもOK)
・転倒防止材
・温度(20°〜25°)

私の場合は、フェロールマットを使用しますが高いです。(大体1,800円くらい。送料も入れるともっと高い💦)過去にホームセンターで買った安いカブトマットでもセットしましたが難なく産みました。フェロールマットは劣化が遅く幼虫の餌にもなりますので個人的にオススメです。ほとんどの方が産卵1番を使用されているようです。

セット方法は至って簡単!
マットを加水(手でギュッと握って固まる程度)して、ケースが割れるくらいにマットを、硬く硬く硬〜く詰めるだけ!あとは、ゼリーと転倒防止材を入れるだけ。マットを固めて固形(朽木)にするイメージです。

【成虫の成熟期間】

羽化から、大体2ヶ月〜3ヶ月ほどで成熟します。目安としては、1日にゼリーを1/2〜1個食べ終える様になれば成熟していると思って大丈夫です。ここから約1週間〜3週間ゼリーを食べさせてからペアリングを行います。私は、1週間ほどでペアリングさせます。
長寿な虫なので焦らずに成熟を待ちましょう。

【ペアリング】

♀の上に♂を乗せるだけです。繁殖力が強いですので容易にペアリングが成功すると思います。過去に1度も♀殺しはありませんでしたので、面倒であれば同居ペアリングして下さい。

ペアリング風景

3日経ったら、ペアリング済みと思って大丈夫ですが、不安な方は目視をオススメします。

ペアリングが済んでから1日〜3日は♀を個別管理してゼリーを与えてください。済んだら、産卵セットに投入です。ペアリングが成功している場合、すぐに潜ります。

【産卵セットの割出】

私の場合ですが1ヶ月〜2ヶ月放置して、初令幼虫が見えてから割出します。初令幼虫は120ccプリンカップで管理します。マットは産卵セット割り出しの際に出たマットと手持ちのマットを混ぜた物を入れます。丈夫な虫ですので特にマットには拘りません。マットはさほど硬く詰めなくても問題ありません。

たくさん取りたい場合は、1ヶ月ほどセットして、♀が上にゼリーを食べにきた頃に次のセットに♀を投入すると良いです。採卵して卵を個別管理するのも良いと思います。採卵の際は、430ccプリンカップに5〜10個づつ卵を入れます。

かなり産むこともあるので採り過ぎには注意して下さい。多すぎると管理ができなくなってしまいます。また、手放すのも大変になりますし、飼育するにもお金がかかります。過去最高記録は1セット1♀から96頭採れました😅(1本300円の菌糸使うと考えても28,800円かかり送料も入れると30,000円オーバーです💦)

2頭潰してしまい94頭となりました。

あくまでも平均ですが、1♀から40〜50頭は採れると思います。

【初令〜3令幼虫の管理】

私は面倒くさがり屋さんなので120ccプリンカップで2〜3ヶ月放置します。放置しすぎるとプリンカップの蓋を齧ってボロボロにして脱走することもあるので注意して下さい。

幼虫が2令後期〜3令になってから430ccプリンカップに移します。プリンカップの底にマットを敷いて、その上に幼虫を起いて上から新しいマットをキツめに詰めて幼虫を入れます。意外と幼虫は丈夫なので潰れる心配はありませんが、手加減はして下さいね😅

ここから、また3ヶ月放置します。

【3令幼虫〜羽化まで】

プリンカップ内のマットが減ってフンが目立ってきたら最後の仕上げに入ります。

800ccのボトルに移し替えます。ボトルの中はマットでも良いですが、私は既製の菌糸ビンを使います。菌糸は何でも食べますので余ってる菌糸を使ったり安い菌糸しか使用しません。1本500円以下それ以下の安いものでも十分です。ただし、何故かルカディアだけは食いが甘いですのでオススメしません。(ルカディア自体はとても良い商品ですよ!)

マットを使用する際は、前記の様に硬めにマットを詰めてください。後は羽化を待つだけ。早ければ孵化から8ヶ月ほどで羽化します。遅くとも10ヶ月程で羽化です。♀はほとんど8ヶ月ほどで羽化します。

割出後の新成虫(紫紺)8〜10ヶ月で羽化

ここで注意すべきなのは、菌糸の劣化です。劣化を防ぐためにも、できれば少し温度が低いところに置くのが良いと思います。マットの場合はさほど気にしなくて大丈夫かと思います。

菌糸の劣化が酷い場合は、新しい菌糸に入れ替えます。

このやり方で♂50mm〜60mmは羽化させることが可能です。

【良くある質問】

・成虫は何年くらい生きますか?
個体によりますが最長2年半生きた♂がいます。ペアリングしなければ体力を消耗しないのでより長生きすると思います。

・レッド×レッドで累代していたのですが、ブラウンっぽくなりました。何故でしょうか?
専門的なことは分かりかねますがCBF3〜CBF4くらいからその様な個体が羽化し出すことが多いです。血が濃くなっていると思います。

・大型が羽化しません。
私のところでも累代が深いものは、細くなってきます。別の血を混ぜる事によって改善しました。

・全然産んでくれません。
恐らく飼育環境によるものかと思います。環境によって向き不向きはどうしても出てきます。温度を変える。湿度を変える。マットを変える。再ペアリングする。♂を変える。♀を変える。など変化を与えると改善する場合があります。ちなみに、私のブリードルームではカブトの方が結果が出やすいです。

【まとめ】

以下の事に注意してください。
・成熟まで焦らずに待つ。
・産卵セットのマットはとにかく硬く詰める。
・産ませ過ぎに注意してください。


【より拘りたい方】

ここからは、有料となります。サイズを出したい方。発色にこだわりたい方はご覧頂ければと思います。

私のニジイロの最大サイズは、67mmです。ただし、胴が長く顎が短いカッコ悪い固体でした。しかも色も悪い…。顎が伸びたバランスの良い固体ですと、レッドの65mmが最大となります。

サイズと言っても、レコードサイズには程遠いですし、発色への拘りは新色を出すやり方ではございません。より赤く。より青く。と言った内容となります。CBF4〜CBF6までは結果が出ています。

それを踏まえた上でご覧頂ければと思います。

ここから先は

1,412字

¥ 100

期間限定 PayPay支払いすると抽選でお得に!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?