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蟹の利き手

タケシが「この前、子供と博物館に行ってきたんだ。その時、蟹がいてさ。片方の手だけが大きくて、もう片方の手は小さいんだ。きっと大きい方の手が利き手だと思うのだけど、仮に小さい方の手が利き手だとしたら、どうなっちゃうんだろうな?」と不思議そうに口を開いた。

すると、タロウは思わず笑みを浮かべながら答えた。「そんなこと考えたことなかったけど、確かに不思議だよね。でも、手の大きさが違うこと自体が、蟹の体の左右対称性に影響しているのかもしれないよ。それに、利き手とは必ずしも大きい方の手とは限らないから、もし小さい方が利き手でも、きっとそれなりの方法で使いこなしていると思うよ。」

タケシはニヤリと笑って、そうだねと頷いた。

「でもそんな蟹見たことないよ。きっと大きい方が利き手なんじゃない?」とタロウが言った。

「いや、いるよ。この前、博物館で見たし。というか、もしかしたら、小さい方の手を大切にしてるんじゃないかな?」とタケシが反論する。

「それは確かにあり得るかもしれないね。でも、やっぱり利き手は大きい方だと思うよ」とタロウが言う。

「でも、例えば野球選手のイチロー選手とか、利き手とは逆の手でバットを振ることもあるじゃない?」とタケシが反論する。

「それはそうだけど、蟹と人間は違うから、比べることができないと思うよ」とタロウが言う。

「でも、どうしても気になるんだよね。もしも小さい方の手が利き手だったら、その蟹はどうやって生きていけるのかな?」とタケシが疑問を口にする。

タロウは考え込んだ後、「確かにそれは気になるね。でも、蟹は驚くほど適応力があるから、大丈夫だと思うよ」と言って、話題を変えた。

「いやいや、そうじゃないだろう。適応力の話なんてしてないだろ」

「そもそも、利き手って、蟹にもあるんだ?」

「そりゃあるんじゃない?自分にとって使いやすい方の手で物をつかむでしょ」

「それってすごいね!人間みたいに、利き手があるなんて。」

「分かんないけどね、実際のところ」

二人は街の中を歩きながら、蟹について語り合った。

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