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[書き起こし] コレック(6578) IRセミナー・質疑応答 2024.5.10開催

2024.5.10に開催致しましたコレック(6578)のIRセミナー&質疑応答の書き起こしになります。


登壇者名 代表取締役社長:栗林憲介 様
                  CFO兼管理本部長:西崎祐喜 様

IRセミナー



改めまして、株式会社コレック代表取締役の栗林でございます。

お忙しい中、当社の配信をご覧いただきまして、誠にありがとうございます。

早速ではございますが、本日はご覧の3つのアジェンダ、会社概要と2024年2月期決算概要、そして今期から5年後までの中期経営計画について、だいたい30分から40分程度お話しさせていただければと思っております。その後、質疑応答の時間もご用意しておりますので、最後までお付き合いいただけますと幸いでございます。

会社概要

ではまず会社概要からですが、当社は2010年に創業した現在15期目の会社でございます。当初はNHK放送受信料の契約収納業務からスタートして、最盛期は従業員を1000名ほどに拡大し、日本全国に支店を展開しておりました。

直近の状況で言いますと、2023年の9月前期の第3四半期にNHK業務からは完全撤退いたしました。結果、上場した2018年では利益の9割を占めていたNHK業務はなくなりましたが、現在は事業転換を完了させ、他事業で価値を引き上げることに成功しておりまして、黒字で進行することができております。

当社はリアルとウェブの両輪を駆使した「リアル×ウェブカンパニーの創造」というスローガンのもと、セールスプロモーション事業とメディア事業の二軸で事業展開をしております。

もう少しビジネスモデルを具体的にお話しさせていただきますと、当社では「ハイブリッド型マーケティング支援事業」と銘打っておりますが、スライドのようにクライアントと顧客を当社が3つの手法を駆使してつなぎ、クライアントの業績に貢献させていただく事業を行っております。

3つの手法についてですが、具体的にはF2Fマーケティング、テレマーケティング、ウェブマーケティングに大別されます。それぞれ、F2Fマーケティングは個人宅訪問などのフェイストゥーフェイスのマーケティング、テレマーケティングは電話によるダイレクトマーケティング、ウェブマーケティングは当社が運営するウェブメディアやデジタル広告を利用したダイレクトマーケティングとなっておりまして、リアルの営業とウェブマーケティングを掛け合わせた手法となっております。

これらのマーケティング手法を一気通貫もしくはそれぞれのプロセスで融合させることで、これまでにないハイブリッド型マーケティング支援をクライアントにご提供させていただき、ご好評をいただいております。

これまでの当社の歩みについてですが、冒頭でも少しお話しさせていただきましたが、当社の創業はNHK放送受信業の新規契約や料金徴収の代行業務です。このNHK業務を軸として右肩上がりの成長と、主にIT領域での新規事業の開発に取り組んでまいりました。

その結果、創業8年目の2018年にJASDAQ上場、翌2019年には東証2部に市場変更、2022年にスタンダード市場に移行して現在に至っております。また、祖業であるNHK業務からは2023年9月をもって完全撤退いたしました。

これからは今年の3月に社名をエヌリンクスからコレックに商号変更し、これまでNHK業務で培った営業代行業や組織運営のノウハウを生かしたセールスプロモーション事業と、新規事業からメイン事業に成長したメディアセグメントのウェブマーケティング事業のリアルとウェブを融合させたハイブリッド型マーケティング支援事業で、さらなる成長を実現していこうと考えております。

2024年2月期通期決算説明


それでは続いて、2024年2月期通期決算説明についてご説明させていただきます。まず、エグゼクティブサマリーでございます。実績につきましては、売上高が業績予想達成率107%の39億3,800万円、EBITDAが1億6,000万円、営業利益が達成率107%の1億1,900万円、当期純利益が達成率103%の8,800万円となっております。

トピックスとしては5点挙げております。まず一つ目は、通期業績予想のすべての開示項目を達成することができました。これにより、2023年9月にこれまでの主要クライアントであったNHK業務から完全撤退したものの、新規事業で売上・利益の創出ができる体制の構築が完了いたしました。

二つ目は、配当を開始いたします。NHK業務からの事業展開に伴いまして、過去数年間は配当を中断しておりましたが、事業基盤の確立が完了し、成長ストーリーが見えてきておりますので、株主還元の一環として配当を再開いたします。配当金額は過去最大の1株あたり7円を予定しております。

三つ目は、過去最大の買収を行いました。こちらは4月12日に公表いたしました太陽光販売及び設置事業を行う株式会社Aoieの案件ですが、これにより太陽光事業における垂直統合を実現することができ、シナジー効果が非常に高い案件ですので、売上・利益の増加に大きく貢献するものと考えております。

四つ目は、ホールディングス化を予定しております。現在、9月1日の持株会社化体制に向けて検討をしております。これにより、経営のスピードアップやM&Aの実効性確保、次世代の人材育成などのメリットを享受していこうと考えております。

最後、五つ目は、後ほどもご説明させていただきますが、5年後までの中期経営計画を公表いたしました。4月12日に、これからの経営の方向性を五つの分野においてお示しし、エクイティストーリーを株主の皆様にご提示させていただいております。

以上がエグゼクティブサマリーになっております。それでは続いて、決算説明についてのアジェンダですが、記載の7項目になっております。

それではまず決算概要についてですが、ご覧のとおり、2023年9月にこれまでのメイン事業だったNHK業務から完全撤退したものの、新規事業により着実に利益を創出しまして、業績予想を全ての項目で達成して、今後の成長に向けた事業基盤を構築できた素晴らしい一年になりました。

四半期別売上高推移ですが、NHK業務以外の売上高成長率は32%と高成長を維持しており、これにより2024年2月期におけるNHK事業の割合は3.5%となりまして、事業ポートフォリオの入れ替えは完了いたしました。

事業ポートフォリオ別の売上高構成と四半期別売上高推移ですが、こちらもご覧のとおり、2大セグメントであるセールスプロモーションとメディアともに、四半期売上高は非常に順調に推移いたしました。

続いて、売上高の季節性変動ですが、当社の売上高は、ショット型のライフライン周りの商品およびサービスを多く取り扱っておりますので、年末年始から新年度である4月にかけて増加する傾向があります。ただ、今後はストック型商品の販売比率を高めていきますので、売上高の平準化を見込んでおります。

連結バランスシートの推移ですが、前期末と比較して、売上増加に伴う営業未収入金、買掛金、未払金の増加と、新規借入れによる資金調達、M&Aに伴うのれんの増加の3点が主な変動の要因となっております。

連結キャッシュフローの推移ですが、前期末と比較しまして、売上増加に伴う運転資金の増加、法人税等の還付、M&A投資、新規借入れによる資金調達が主な変動要因となっておりますが、現金及び現金同等物の期末残高は4億6,500万円増加しております。

続いて、セールスプロモーションセグメントの詳細ですが、2023年2月期と比較して、NHK業務からの撤退により取扱い商品構成が大きく変わる過渡期でございましたので、一旦利益率は低下しておりますが、今後はストック型の自社商品の開発・販売に取り組むことで、利益率の向上を図ってまいります。

ただ、ご覧のとおり、セールスプロモーションにおける各商材は、全て四半期ベースで過去最大売上高を達成しておりますので、事業は順調に成長しております。

続いて、メディアセグメントの詳細ですが、自社開発とM&Aによる新規メディアの創出により、売上・利益ともに順調に成長することができました。今後も引き続き、メディアポートフォリオを拡充することにより、拡大を図ってまいります。

ただ、2024年2月期第4四半期においては、一部不採算メディアの整理を行いましたので、運営するメディアの数は減少しておりますが、ポートフォリオの入れ替えを適時行いましたので、売上・利益につきましては増加することができております。

それでは、決算概要の説明につきましては以上になります。

続いて、株主還元についてです。2024年2月期は、コレックの社名変更による記念配当も含めて、過去最大の1株あたり7円の配当を予定しております。また、今後の配当方針ですが、事業ポートフォリオの転換や新規事業が順調に成長していることで、将来の方向性が見えてきたことと、キャッシュフローの安定創出についても基盤が整ってまいりましたので、DOE5%を目安に、今後も安定配当を継続していく方針でございます。ですから、2025年2月期については、利益成長により純資産が増加する見込みでございますので、期末配当は1株あたり8円を予定しております。

では、続いてM&Aの実施についてですが、2024年4月12日に、太陽光パネルの販売及び設置業務を展開するAoie社の買収に関して、株式譲渡契約を締結いたしました。これにより、太陽光事業の垂直統合を実施し、販売から設置まで一貫してグループで対応することで、収益性を高めていこうと考えております。

また、Aoie社のグループインによる当社既存の太陽光パネルの販売事業を行っております子会社、シークランプとのシナジーについてですが、財務的・非財務的な両側面でシナジーが大きく見込めると考えております。具体的には4つ挙げておりまして、

1つ目は、ソーラーパネルや蓄電池などの仕入れ面で、仕入先会社へのスケールメリットが発生する点、

2点目は、これまで訪問による対面コンサルティング販売だけだった販売経路に、新しくウェブコンサルティング販売が加わることによる販売力の強化、

3点目は、既存の対面コンサルティング販売もAoie社の対面コンサルティング販売ノウハウを掛け合わせることで強化できること、

4点目は、Aoie社の設置業務を当社グループに取り込むことで、これまで外部に流れていた設置費用を内製化し、収益性を高められることが挙げられます。

これらのシナジーを生かして、太陽光事業の売上・利益の拡大を実現してまいります。

では、続いて2025年2月期業績予想について説明いたします。各開示項目の数字は記載のとおりでございます。全項目、前年に比べて成長しておりますが、特に売上がオーガニックの成長に加えて、Aoie社の買収効果もあり、前年比約159%の62億6,500万円、EBITDAが前年比約146%の2億3,500万円と大きく伸びる予想になっております。

これにより、NHK業務をメイン事業としていた旧エヌリンクス体制の最高売上高約50億円を大きく上回ることになりますので、こちらからも事業ポートフォリオの転換が非常に順調であることを感じ取っていただけるのかなと思っております。もちろん、2024年2月期同様、お示しした予想をきっちりと達成していこうと考えております。

続いて、持株会社化の進捗についてですが、2024年9月1日からの持株会社化を実現すべく、ただいま準備を進めております。体制としては、スライドのように太陽光、アウトソーシング、メディアプラットフォーム、介護福祉用具レンタルの4つの事業会社に分割し、5つのメリットを享受したいと考えております。なお、本件につきましては、5月29日開催の株主総会にて承認を得る予定でございます。

それでは、続いてセグメント区分の変更についてですが、2025年2月期第1四半期より開示セグメントを、これまでのメディアセグメント、セールスプロモーションセグメント、アプリセグメントの3つから、メディアプラットフォームセグメント、アウトソーシングセグメント、エネルギーセグメントに変更いたします。この変更により、投資家の皆様により分かりやすく当社の経営をご認識いただけるようになると考えております。

それでは、ESG・SDGsに関する取り組みについてですが、4月11日に公表しましたとおり、レイロード社が運営しておりますeスポーツのプロチーム「レイロードゲーミング」と業務提携をいたしました。これにより、eスポーツのプロチームのノウハウを当社が運営するゲーム攻略サイト「アルテマ」を通じて発信することで、コンテンツの拡充並びにさらなる利用者の利便性の向上を図るとともに、eスポーツを通じた産業の活性化による雇用創出や地域コミュニティの創出にも貢献していきたいと考えております。

それでは、2024年2月期通期決算の説明については以上になります。

中期経営計画

続いて、今期2025年2月期から始まる5年後までの中期経営計画についてご説明させていただきます。中期経営計画については、記載の4点についてお話しさせていただきます。

それでは、まず中期経営計画の概要からですが、5年後の2029年2月期に売上高120億円を達成するという定量目標の下、「コレック5本の矢」と称しまして、5つの重要な戦略を実行してまいります。具体的には、

1つ目:安定収益モデルの確立を実現するための事業戦略
2つ目:AIとの協働を目指すDX戦略
3つ目:M&Aの積極推進を実現するための投資戦略
4つ目:レバレッジを活用するための財務戦略
最後5つ目は、持株会社化の推進を軸とした組織戦略

となっております。この「5本の矢」を駆使して、ご覧のロードマップのもと、2029年に売上高120億円、EBITDA10億円を達成していこうと考えております。

なお、中期経営計画の前半2年間は収益基盤の拡大、後半の3年間は利益率向上にフォーカスしていこうと考えております。

ではなぜそのように考えているかについてですが、中期経営計画での当社セグメントは、先ほどセグメント変更でお伝えしましたが、メディアプラットフォーム、アウトソーシング、エネルギーセグメントの3つに変更されます。各セグメントの成長テーマは、こちらも後ほどご説明させていただきますが、スライドのとおりになっております。

注目していただきたいのが、真ん中のアウトソーシングの成長テーマに記載されております「持続的成長のために、ストック型顧客基盤拡大に向けた先行投資を実行」をしようと考えております。これにより、ショット型からストック型に収益モデルを移行していきますので、中期経営計画の前半2年間は一時的に利益率の減少が想定されます。

ただ、この2年間できっちりとストック収益を積み上げていくことで、後半3年間の利益率を向上させて、2029年2月期には左下の円グラフのように、アウトソーシングセグメントの収益を全体の半分程度まで高めていこうと考えております。なお、ストック型顧客基盤の詳細は、スライドのようにOEM商品や自社企画商品、保険や介護福祉用品のレンタルなどを考えております。

それでは、セグメント別の事業ポートフォリオの成長テーマですが、まず、メディアプラットフォームは、これまで通り当社の強みでもあるコンテンツマーケティングのノウハウを横展開していき、メディアの数や領域を増やしていくことに合わせて、不採算メディアを随時撤退しながらメディアポートフォリオを強化していき、高いEBITDAマージンを獲得していこうと考えております。

アウトソーシングは、BtoCマーケティングのノウハウを活かして人員を増やしていくことで、ラストワンマイルを埋めるリアル営業で確固たる存在になること、そして先ほどお伝えしたストック型の長期安定型の収益モデルを確立していくことを考えております。

エネルギーセグメントは、太陽光関連商材の販売から施工までを垂直統合すること、そして販売チャネルを拡大することで、太陽光販売で安定した土台を築いた上で、将来的には住宅リフォームなどの近接領域に事業展開をしていこうと考えております。

これら3つの成長テーマを実現させて、他社には真似できないラストワンマイルを埋めるリアル営業と、メディアやウェブ広告を駆使したマッチングテクノロジーを合わせたハイブリッド型マーケティング事業を確立していこうと考えておりますし、このことにより各セグメントを図のように成長させていこうと考えております。

以上が中期経営計画の概要になります。

ここからは、中期経営計画の「コレック5本の矢」の中で、特に重要な事業戦略、投資戦略、財務戦略についてお話しさせていただきます。

ではまず、事業戦略についてですが、先ほど概要でお話ししたとおり、当社の3つのセグメント、メディアプラットフォーム、アウトソーシング、エネルギーセグメントの順番でお話しさせていただきます。

ではまず、メディアプラットフォームについてですが、ビジネスモデルとしましては、スライドのようにサプライヤー様とユーザー様を、現在で言うと当社の13ジャンル29メディアのメディアプラットフォームやデジタル広告を通じてマッチングさせていただくというビジネスモデルになっています。

メディアポートフォリオは、ご覧のとおり多数のジャンルに展開させることで、特定の業界の環境や構造変化に対するリスクヘッジを行いまして、安定的なキャッシュフローの創出が可能になっております。

事業戦略としては、テーマとして35%という高いEBITDAマージンの獲得・維持を掲げております。成長戦略は3つ、まず1つ目は現在未開拓の分野・ジャンルへの新規メディアの展開、メディアの数を増やしていくこと、2つ目は代理店経由での取引から直接取引を推進していくこと、3つ目は自社商品を対象としたメディア媒体を構築していくことを考えております。

また、強みとしましては、100名を超えるディレクターやライターを有して、そのライター・ディレクターを内製化している点、2つ目は多様なメディアポートフォリオ、そして最後3つ目は新規メディア構築能力及びM&Aによる利益創出の再現性が挙げられます。

この成長戦略と強みを生かしまして、事業展開領域を拡大させていき、メディアポートフォリオを拡張していこうと考えております。なお、メディア市場は年19%と高い成長率で推移しておりますので、事業戦略を十分に実現できるものと考えております。

続いて、アウトソーシングセグメントについてですが、ビジネスモデルとしましては、当社のコールセンターやフィールドセールスなどの多様なマーケティングチャネルを活用して、サプライヤー様とユーザー様をつなぐといったものになります。また、自社でOEM商品を企画開発し、それらを当社のマーケティングチャネルを通して販売を行っていく事業も行っております。

事業戦略としましては、テーマとして先ほどもお伝えしましたが、ストック型商品の開発・販売による売上高基盤の拡大と顧客獲得を掲げておりまして、成長戦略としましては、ストック型商材の販売促進、組織運営や販売チャネルをDX化していくこと、そして他社との業務提携などによるクロスセル機会の創出によるARPUの拡大を目指していくことの3点を挙げております。

また、当社の強みとしましては、NHK業務時代から培ってきたBtoC特化のマーケティングノウハウ、コールセンター、フィールドセールス、インサイドセールスなどの多種多様な顧客接点、国内大手各社クライアントを背景とする信頼と実績の3点が挙げられます。これらの成長戦略と強みを生かして、事業を拡大していこうと考えております。

アウトソーシング市場につきましても、非IT系BPO業界の市場規模は2兆円と非常に大きく、その市場の中で当社のシェアはまだ0.1%でございますので、今後の拡大が十分に期待できるものと考えております。

では続いて、エネルギーセグメントのビジネスモデルですが、太陽光関連商材のメーカー様から商品を仕入れさせていただき、当社の販売チャネルを活用してユーザー様に販売を行っていくというシンプルなモデルになっております。

事業戦略としましては、テーマを垂直統合による競争優位性の確保と販売経路の多様化と掲げまして、成長戦略としましては、M&Aにより設計・施工業務を内製化すること、周辺領域である住宅リフォーム領域への進出、そして現在の訪問による営業を軸とした販売チャネルに加えて、メディアプラットフォームを活用したウェブでの販売チャネルを追加するなどの多様な販売経路を確立していく、この3点を考えております。

また、当社の強みとしましては、事業スタート2年間で全国に4カ所に拡大した販売網構築実績に裏打ちされた成長・拡大の再現性、メーカー系列に属さない独立系ならではの、顧客ニーズに即した商品コンサルテーションの実施、太陽光業界では数少ない上場企業であることが挙げられます。これらの成長戦略と強みを生かして、事業を拡大していこうと考えております。

エネルギーセグメントにつきましても、現在の太陽光関連商材のマーケット約4,000億円に加えて、今後進出を見据えております住宅リフォーム業界の市場規模も含めると7.3兆円と非常に大きくなっておりますので、収益拡大の余力は十分にあると考えております。

では、事業戦略につきましては以上となります。

続いて、投資戦略についてですが、投資戦略の軸は、オーガニック成長に加えて、積極的なM&Aの推進による非連続的成長を実現することとなります。2022年2月期までも、これまでも当社は積極的にM&Aを実行してきましたが、これからはさらに大きな投資案件へのM&Aを実行していこうと考えております。

そのために、これまで投資原資や投資基準、デューデリジェンスやPMI体制などの検討体制・仕組みづくりを進めてまいりました。ぜひオーガニックの成長に加えて、M&Aによる成長もご期待いただければと思います。

では最後に、財務戦略についてです。キャピタルアロケーションの方針としましては、営業キャッシュフローを中心に、適度なレバレッジ水準を意識した調達戦略を行う方針でありまして、株主還元に加えてM&Aによる非連続な成長に向けた投資を行うこととなります。

具体的には、営業キャッシュフロー・手元資金を中心に財務健全性を確保しつつ、D/Eレシオを0.5倍、Net Debt/EBITDAを1倍を目安にレバレッジを活用して、M&AやR&D投資、配当還元を行う方針でございます。

資本構成の最適化につきましては、適切な有利子負債の調達と株主還元により財務健全性を確保しつつ、最適な資本構成を実現し、企業価値の向上を図ってまいります。

またスライドのように、中期経営計画期間は、事業、投資、調達、人的資本拡充、AIイノベーションを軸に財務数値に成果が現れるよう、五位一体として経営に取り組んでまいります。

それでは、当社からのプレゼンテーションは以上とさせていただきます。駆け足になってしまった部分もあるかと思いますので、ご不明点などございましたら、この後どしどしご質問いただければと存じます。

ありがとうございました。

質疑応答

Q.太陽光パネルの販売について、どのような顧客に対して販売しているのか、また販売方法について教えてください。

A.当社の太陽光パネルの販売先は、個人宅に限定しております。販売方法につきましては、現在は訪問による営業が中心となっておりますが、4月12日に株式会社Aoieを買収させていただきました。Aoie社はウェブによる販売を得意としている会社でございますので、今後は訪問に加えてウェブでの販売も実行していこうと考えております。

Q.太陽光パネルの販売市場では、他社の参入状況はどのようになっていますか。

A.当社以外にも多数の事業者様が参入されている市場だと思います。補足ですけれども、非上場の会社さんが多数おり、上場会社は数が少ないといった状況でございます。弊社のような安定した財務基盤やコンプライアンス・ガバナンスが整っている会社は業界の中では稀であり、そういった面での優位性が非常にあるということが我々の強みだと考えております。

Q.営業職員の採用は順調に進んでいますか。また、採用における課題があれば教えてください。

A.営業職員の採用については、現在順調に進んでおります。ビジネスの拡大に伴って、新卒および中途採用ともに必要数を獲得することができています。課題としては、売り手市場の状況であるため採用が難しい面もありますが、NHK時代に1000名まで拡大した際に培った採用ノウハウや採用力を武器に、しっかりと採用できる体制を社内に持っておりますので、今後も採用活動を着実に進めていきたいと考えております。

Q.採用した営業職員が一人前になるまでには、どのくらいの時間がかかりますか。

A.弊社では、一般的に4ヶ月程度を目安としております。これまでNHK時代を含めて、大規模な個人宅向けの営業組織づくりを得意としてきたため、教育や研修、チームプレイなどに注力した組織運営を行っております。新人でもしっかりと動いていける組織を構築しており、4ヶ月を目安に一人前になれるよう、営業組織づくりを行っているところです。

Q.先月、株式会社looop様と業務提携のIRが出ていましたが、その経緯を教えてください。

A.当社はライフライン商材として、電気、ガス、ウォーターサーバーなど様々な商品を扱っておりますが、その一つとして新電力の商材でlooop様と業務提携させていただきました。一つの商品だけでなく多数の商品を販売することでお客様の幅を増やしていこうと考えております。looop様の商品を当社が販売できるという点で、双方にメリットがあるため業務提携に至りました。新電力は電気代の高騰もあり追い風となっておりますので、当社の力でlooop様の商品をフィールドセールスとテレマーケティングの両面で販売し、拡大していこうと考えているところです。

Q.このような業務提携は、どちらから声をかけるものなのでしょうか。

A.業務提携はどちらのパターンもあり得ますが、当社としては常に新しい商材やより売れる商材を探しておりますので、そういった中でlooop様との良い出会いがあったといったところでございます。

Q. ビジネスモデルを転換したことで、株主還元に対する考え方はどのように変わりますか。また、予想通りの業績が達成された場合、株主への配当をどのように考えていますか。

A.基本的な配当の方針としては、DOE(株主資本配当率)5%を目安に考えております。自社株買いなどの他の株主還元については、市場環境や当社の財務体力を見ながら適時検討していきたいと思います。
予想通りの業績が達成された場合についても、基本的にはDOE5%を維持していく方針です。業績の良し悪しによって配当金額を変動させるというよりは、純資産に対して安定的に配当していくことを重視しておりますので、ご理解いただければと思います。

Q.去年の12月に介護用品レンタルの販売会社、ココシア社を買収されましたが、その経緯を差し支えのない範囲で教えてください。

A.買収の理由は主に3つあります。まず一つ目が、当社の個人向けの営業ノウハウが生きるということです。介護用品のレンタルは利用者様に直接提供するため、当社が培ってきた個人向けの営業が強みとして活きると考えております。
二つ目は、日本の高齢化に伴い、介護用品のニーズが高まってくるという市場環境です。そういった意味で、市場ニーズの大きい分野への参入を念頭に置いた判断でした。
三つ目が、当社が推進しているストック型商品の拡大という点です。介護用品のレンタルはサブスクリプション型のビジネスモデルであり、利用者さんに毎月ご利用いただくことで安定した収入が見込めます。当社の目指すストック型の比率を高めていく方針に合致していたことも、買収を決めた理由の一つです。

Q.今期の業績予想で、Aoie社の影響も加味し、売上が前年比159%増の62億円を予想されていますが、Aoie社の売上増加分はどれぐらいを見込んでいますか。

A.今期の業績予想の詳細については開示していないため、あくまでも参考情報としてお伝えしますが、昨年のAoie社の売上高が12億円程度でしたので、それと同程度の金額を業績予想に織り込んでいるとご理解ください。

Q.5月7日のリリースで、太陽光事業の成長拡大に向け、埼玉県に新たな事業所を設立したとのことですが、日当たりのことを考えると、千葉県の方が良いのではないでしょうか。なぜ埼玉県に新たな事業所を設立したのでしょうか。

A.埼玉と千葉の日照時間に関しては、そこまで大きな差はないというデータから判断しました。また、太陽光パネル自体が海風に弱いという性質もあるため、そういった点も考慮して埼玉を選択しました。
加えて、当社の本社が池袋にあり、交通の便も含めて営業活動がしやすいという地理的な理由もあり、まずは埼玉に拠点を設けることにしました。ただ、千葉を全くフォーカスしていないわけではなく、今後の拡大候補の一つとして検討していきたいと考えております。

Q.現在の利益構成を見ると、メディアセグメントが大きな割合を占めています。そうなってくると、2つの事業を並行してやるのではなく、1つに注力する考え方もあるかと思うのですが、どのようにお考えでしょうか。

A.当社はポートフォリオ経営を基本としておりますので、どちらかに特化するのではなく、両方の事業を伸ばしていくことを考えています。もともと当社の経営思想として、Webとリアルの両輪を回すハイブリッド型マーケティングを掲げており、両方の事業の掛け合わせに強みを感じています。
今後、リアルの営業においては、自社商材やストック型商材を拡大し、安定的な利益が生み出せる仕組みづくりを進めていきますので、メディア事業とともに期待していただければと思います。

Q.今日の資料で従業員数が486名とのことですが、正社員以外の人員は全体の何割ぐらいいるのでしょうか。また、正社員従業員数の推移と、NHK業務の撤退による影響を教えてください。

A.486名のうち、正社員以外の人員は約100名ほどで、正社員は380名から390名程度になります。
従業員数の推移について、NHKの業務が最盛期の時は1000名ほどいましたが、NHK業務の縮小に伴って徐々に減少し、昨年は300人強で運営していました。そこから現在は再び増加傾向にあります。
NHKの撤退が従業員数に与えた影響は非常に大きかったと言えます。NHKの業務を担当していた社員の中には、その業務にこだわりを持っていた方もおり、仕事がなくなったことで転職のきっかけになった方もいらっしゃいました。一方で、別の商材や業務に転換して残ってくださった社員もおり、そういった方々を中心に現在のコレックが成り立っているのだと認識しています。

Q.重要事項の解消に向けた取り組みはありますか。解消しないと投資対象としてなりにくいです。

A.重要事項の解消に向けては、鋭意努力しているところです。事象の背景としては、NHKという大きな取引先がなくなったことが主な要因ですので、それをカバーできる営業体制と業績をしっかりと作り上げることで、解消を図っていく方針です。
NHKの業務がなくなったのが2023年9月とまだ日が浅いこともあり、すぐに解消するのは難しいと判断しましたが、影響は限定的で営業黒字も出ておりますので、重要事項に相当するほどのインパクトはないと考えています。

Q.現在の時価総額は26億円ですが、中期経営計画を達成した際にはどれぐらいまで大きくしたいですか。

A.株価は市場が決めるものですので、当社としては着実に実績を積み上げ、企業価値の向上に努めることに集中したいと考えています。ただ、現在の株価で満足しているわけではありませんので、もっと株価に対してポジティブな評価をいただけるよう、これからも頑張っていきたいと思います。

Q.NHKの営業代行を終了した理由を教えてください。

A.NHKの営業代行を終了した理由は、NHK様の営業体制の変更によるものです。NHK様から報道発表があった通り、当社が主に担っていた訪問による営業活動がなくなることになったためです。つまり、NHK様の経営方針の変更によるものだとご理解ください。

Q.営業職の給与体系について、歩合と基本給の割合はどのようになっているのでしょうか。

A.営業職の給与体系は、基本給と歩合から成り立っていますが、チームや扱う商品によって異なるので一概には言えません。商品の特性やチームのモチベーションが上がるような設計になるよう、それぞれ工夫して組み立てているのが実情です。
したがって、歩合と基本給の割合が何対何というのは、商品やチームによって変わってくるため、明確な数字はお答えできない状況です。

Q.営業の仕事が得意な人と苦手な人への教育や配属はどのように行っていますか。

A.営業が苦手な方に対しては、まず教育の機会を十分に提供することを心がけています。上司の指導や、当社が培ってきたトークスクリプト、ロールプレイングなどを活用しながら、個別に教育を行っています。
また、様々な商材を扱っているため、その方の特性に合わせたチームや商品への配属換えも実施しています。今の商材が合わなければ、別のものにチャレンジしてもらうなどの対応もしています。
どうしても営業そのものが苦手という方については、内勤業務やメディア関連の部署への異動なども一定程度行っています。それぞれの従業員の適性を見極め、本人のパフォーマンスを最大化できるような配属や教育を心がけているところです。

Q.営業部隊の編成はどのようになっていますか。専属の営業部隊がいるのでしょうか。

A.営業部隊は基本的に商材別にチームを分けています。太陽光であれば太陽光、電気であれば電気といった具合です。
一人の営業担当者が多種多様な商材を扱うのは、商品知識の面で難しい部分があるため、一つの商品に特化して知識と経験を蓄積し、お客様に付加価値を提供できるような営業活動を心がけています。

Q.社員のモチベーションを上げる仕組みは何かありますか。

A.営業職のモチベーションを上げる仕組みとしては、給与やインセンティブの設計にも気を配っていますが、何より教育を徹底し、一人でも多くの社員が成果を出せるように育成することがモチベーションアップに直結すると考えています。
お客様から契約をいただけたという喜びに加えて、それが給与にも反映されるようなインセンティブ設計を行うことで、社員のモチベーションは自然と高まっていくものと捉えています。教育による営業スキルの向上こそが、モチベーションアップの最も有効な手段だと考えています。

Q.教育によって営業成績が一気に伸びた事例はありますか。

A.教育の効果は人によって差がありますが、当社の場合は教育を受けた多くの社員が、着実に営業成績を伸ばしているのが実情です。全員とは言えませんが、教育によって飛躍的に成果が上がるケースの方が圧倒的に多いです。

Q.帝国データバンクの調査によると、2021年時点で登録されていた706社の新電力のうち、15%に相当する104社が1年で撤退しています。電気事業は厳しい業界だと思われますが、コレック様はそれに対してどのようにお考えでしょうか。

A.確かに新電力の業者様については、一定程度の方が事業停止や撤退をされているというのは認識しております。ですが、当社としては一つの商材や新電力の商材だけにこだわるのではなく、様々な業者様との取引を念頭に営業戦略を立てています。そのため、どこか一社の影響でダメージを受けるようなことは想定しておらず、お客様のニーズに合わせた商品提案を心がけ、商品ポートフォリオを意識した営業商品の組成をしているため、大きな影響は現状ほとんどないと考えております。
加えて、当社自身が電力の供給リスクを追っているわけではなく、あくまでも営業代行を行っているため、電力価格の乱高下などのリスクは直接的には影響を受けないと思います。倒産や撤退される事業者様は一定数いらっしゃいますが、その影響を受けないようにしっかりとポートフォリオを組むことを考えているところです。

Q.女性社員の比率や平均勤続年数はどれぐらいなのでしょうか。

A.女性社員の比率は23.6%となっております。一方、平均勤続年数は4.5年です。比較的長く働いていただける方が多いと思っており、部署によって退職率なども異なりますが、全く退職がない部署もあるため、平均すると4.5年になっているかと思います。

Q.コレック様は様々な電気、ガス、太陽光パネルなどの商材を営業されていますが、その中でも利益が上がるものと低いものがあると思います。稼げるものに集中特化するという考えはありますか。

A.利益が出る商材だけに特化するという考え方もあるかと思いますが、現在は顧客ニーズをしっかり満たすことを前提に考えており、様々な商材を取り扱うことでお客様のニーズに応えることを重視しています。お客様との接点が増えることで、アドオンで別の商材をご購入いただくこともあるため、利益が出る商材だけに特化するのではなく、多様な商品を扱ってお客様に満足してもらい、当社の存在や他の商品を認知してもらうことで、全体として利益貢献していく営業戦略・経営戦略で進んでいるところです。

Q.電気・ガス、太陽光パネルなどの事業で、様々な営業会社がある中で、コレック様と契約する最大のメリットは何ですか。他社と比べてどういった点が優れていますか。

A.当社が抱えている従業員が一つのポイントになると思います。当社では基本的に正社員で雇用しており、正社員で雇用しているからこそ、しっかりと教育やコンプライアンスの遵守を浸透させています。そのため、教育された従業員がサポートさせていただくことが重要な点だと考えます。
加えて、多くの従業員を抱えているため、お客様の要望に応じてサポートの量を変動させることができ、お客様の個々の要望に応じて営業費を変動費化できるところが、当社を介して営業するメリットだと思います。

Q.今の現在の事業上のリスクや課題は何だとお考えでしょうか。

A.事業上のリスクは、いくつかあると思います。営業に関して言えば、ストック型の商材を推進していますが、それがうまく立ち上がらなかったり、今のようなショット型中心の事業モデルだと、取れたり取れなかったりで経営が不安定になるリスクがあります。今後はしっかりと商品開発を行い、ストック型商品の割合を増やすことでお客様の数を増やし、収益を安定化できる仕組みを作っていくことが重要だと考えています。ショット型への依存によるリスクは一定程度あると認識しています。

メディア事業については、GoogleのコアアップデートがSEOのアルゴリズム変更によってサイトの順位が変動することが大きな事業リスクだと考えています。ただ、当社は現在約30のメディアポートフォリオを運営しており、これが非常に大きな意味を持っています。どこかのメディアが下がってもどこかが上がるので、全体として収益が安定する仕組みを作っています。一つのセクターに特化したウェブメディアだとリスクが高くなりますが、当社は様々な業界・メディアを意識し、特に数を意識して作ることで、そのリスクを低減させるような動き方をしているつもりです。

投資家の皆様へ

最後までご視聴いただきまして、誠にありがとうございました。また、たくさんのご質問をいただきまして、重ねてお礼申し上げます。ありがとうございます。
今日ご説明させていただいたとおり、我々は、リアルの営業力とインターネットを使ったIT領域でのウェブマーケティング能力を掛け合わせた、世の中にはあまり多くないマーケティング会社だと思っております。
そして、これからはストック型の商品を取り扱い、それによってより安定した経営を目指していきたいと考えております。
世の中にはなかなか少ない、ウェブも営業も両方できる会社であり、収益も安定しているため、結構ローリスクでミドルリターンが期待できるような会社だと自負しております。それを実現していこうと考えております。
今回最後まで聞いてくださった皆様におかれましては、ぜひ今後、我々のことを応援していただければ嬉しく思います。どうぞよろしくお願いいたします。
本日はご清聴ありがとうございました。