「わかりみ」について
こんにちは。かぼすです。
大晦日の昼は一昨年ついた餅を食べます。
冷凍庫でまる1年眠ってたヤツです。
2018年の年末にFacebookに書いた「今年出会った興味深い日本語」の②も置いておきます。
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今年出会った興味深い日本語② わかりみ
今年、ツイッターで「わかりみしかない」という表現を知りました。「すごくよくわかる。共感する」という意味なんでしょうね。こちらはリアルで言ってる人にはまだ会ってない。
この「◯◯み」というのは、去年の「JC•JK流行語大賞」らしいです。JK流行語、1年経ってオバさんが知る。こういうのはオバさんも知ったときには流行は終わるものだけどね。来年はどうでしょう?
ところで、韓国語作文の添削の際に、「文法間違いではないんだけど、あまりこういう言い回し韓国語で聞かないな」というモヤモヤ感の理由を探していて、ネットで「日本語の名詞志向構造と韓国語の動詞志向構造」という論文を見つけた。
日本語は名詞中心の文が多くて、韓国語では「天気が良い」ということが多いが、日本語では「良い天気だ」ということが多い、とか、そういう例についてさらに詳しく集めて研究している論文。
その中に「形容詞の派生語」という項目があって、
日本語「まだ顔に幼さが残っていた」→韓国語訳「まだ幼く見える顔である」
日本語「手早さがポイントだ」→韓国語訳「手早くしなければならない」
他にも「シャツの白さ」「部屋の汚さ」「彼女の嫉妬深さ」などの例が挙げられていた。こうやって集められると、確かに日本語で「◯◯さ」ってかなり使われてるね。それが韓国語訳では他の言い回しになっているということは、それが「日本語らしさ(この言葉自体が◯◯さ、だね)」なのかなと思った。
そんなことを考えているところであらためて考える「わかりみ」。
「◯◯さ」と同じく形容詞を名詞に変える「◯◯み」。
だから、「つらい」→「つらみ」「ヤバい」→「ヤバみ」「キモい」→「キモみ」はなんとなくわかる。
でも、「わかりみ」は謎。「わかる」は動詞。動詞の連用形がそのまま名詞になる例は多くて「読む」→「読み」、「あわれむ」→「あわれみ」。だけど「わかる」→「わかり」は言わないよね。すでに「理解」とかの名詞があるからな? まあ、その連用形「わかり」に、さらに「◯◯み」をプラス。なんかすごい。このよくわからない感じが新しい感覚でインパクトあるんだろうな。
(追記 自分で読み直して思ったけど、動詞の連用形で名詞になる例、私が挙げたのは2例ともマ行の動詞で、これだと連用形がちょうど「◯◯み」になるね。これに無理やり合わせる感じで「わかりみ」なのか?! もちろんマ行だけじゃなくて「書く」→「書き」とかもあるんだけどね。)
昨日、夕食を食べながらダンナに「わかりみしかない。これは脂身しかない」と言ってみた。ダンナが苦笑した。
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