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煮立たせない白味噌ロール白菜

スイスの白菜は、日本の白菜のように葉の厚みがなく薄い。漬物やキムチに調理するのなら浸かりやすくて扱いやすいのだけど、煮物や鍋物にするには、貧弱さを感じてしまう。そもそも、スイスのキャベツも葉が薄くてギュッと詰まってロールキャベツなんてとても調理できない。だからせめてロール白菜で、っていう発想なんですが、それでも餡を巻いたロール白菜を煮込むと煮崩れしてしまうんですね。それで、私がやってるロール白菜の調理法は煮立たせないで作るやり方。

ロール白菜の餡は鶏ひき肉を使い、いわゆる鶏団子の餡を白菜で包みます。今日はちょっと芸がある鶏団子の餡にしたくて、亜麻仁シード(Leinsamen)とアマランサス(Amaranth)を混ぜ込みました。いわゆるスーパーフード入りの鶏団子ってやつ(笑)?あと、お持ちの方は鶏団子の塩味に是非塩麹で味付けしてください。

昆布はあらかじめ小さく切っておいてお水に数時間浸水しておきます。(後で食べる時にそのまま柔らかくなった昆布をそのまま食せます。)
ロールキャベツの要領で、鶏団子の餡を軽く茹でた白菜で巻いていきます。


昆布水を沸騰直前まで温度を上げたら、仕込んだロール白菜をそーっとお鍋に入れていきます。ロール白菜を鍋に入れると、スープの温度がグッと下がるので、再びお鍋を熱します。ここはしっかりとお鍋の様子を観察しながら、沸騰しない直前まで。それから、コンロの数字を2〜1に設定して蓋をします。決して煮立たせないで。それから40分くらいほったらかし。煮立たせないので、煮崩れすることがありません。お出汁としても、昆布と鶏肉の旨みを最大限に引き出せて旨みが飛ばない。カツオや煮干しもいらない。

それから蓋を外して、白味噌を投入します。とにかくたっぷりと白味噌入れます。白味噌は普通の味噌よりも塩分が少なく麹の割合がとっても多い、甘い甘い味噌です。大豆の量よりも麹の割合が多い味噌なので、大豆風味の麹のスープとイメージしてもいい。白味噌をどれくらい入れるかって、お好みで味をみながら入れてください。味醂や酒を少し足してもよし。スープに入れる白味噌の量が、全くわからない方は、300mlの出し汁に対して50〜60gの白味噌 という割合が王道の白味噌お雑煮の割合です。普通の味噌よりも2〜3倍も入れます。塩分が少なくて甘い味噌なので、塩辛くなることはありません。怖がらずにたっぷりと入れてください。
この後は蓋を外した状態で調理するので、白味噌がちょっと足りないくらいでもいいかもしれません。

それからは蓋を外したまま、また沸騰直前の状態でコンロの設定を1〜2にして、最低1時間から2時間(お好きに)ほったらかしで出来上がり。

この調理法で不安だと思う方は、温度計で温度を測ってください。80度以上あればいいのです。理想は80〜90度です。白味噌を入れてからは蓋をしないのがポイント。蓋をしないと、ほったらかしにして煮立つこともないし、白味噌のロール白菜が出来上がった時点で、すでにトロトロのスープに仕上がってます。普通の味噌汁はサラリとした汁物ですが、白味噌のスープの醍醐味はトロトロの汁物になること。カレーやシチューのトロミの正体は小麦粉なんですが、白味噌のスープのトロミの体は糖化した麹なんです。
寒い時期に、お出汁が効いたトロミあるスープを飲むのは最高に幸せな気分になります。お腹が喜んでるのも直に感じる。丹田にまで響くから。もっと言えば、第5、第4、第3を通って、第2チャクラまで直に響く、これが腑に落とすってこと。

チャクラにまで食べたものを響かせるなら、やはり私は完全に手作りの白味噌を推奨するし、市販の白味噌は、いわゆるケミカルな酒糟みたいなのが入ってたり、ひどいのになると米飴と名乗るよくわからない甘味料が添加されている。
手作りで作った白味噌は、出来上がった後に、私はバーミックスで白味噌を撹拌させます。麹を米粒の状態で残さないで攪拌するので、白味噌スープのトロミの正体はここにもある。白味噌の甘い正体も、大豆と麹を混ぜて麹を糖化させて仕込むから。白味噌の甘味は糖化した麹なんです。


お料理を動画で真似るとか、レシピをそのままネットで模倣するとか、そんな料理の学び方もいいけど、今、私はエッセイ的なレシピ配信を試みてます。長くてウザイなって思う人もいるかもしれないけど、分量や配合を見ないで、文章を読んでそれからお料理してみると、味付の仕方も、工夫の仕方も、ご自分や家族のための家庭料理の感性が育ってくるはずで、現に私が麹や味噌を独学して料理の感性を広げたのは、昔の料理エッセイを読みまくって、文章でもお料理を学んだからなんです。

インスタに比べ、Noteは気兼ねなく長文が書ける、思いつくままに、やってみよう。
ご拝読、ありがとうございました。




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