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詩のまとめです。
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#ミニポエム

【詩】ラジオFMから流れる懐かしさを感じる洋楽を聴きながら海沿いをドライブしたい

【詩】ラジオFMから流れる懐かしさを感じる洋楽を聴きながら海沿いをドライブしたい

4月上旬、日向は夏を思わせるほど暑い。
少し前まで、エンジンをつけるとすぐにエアコンマックスで車内を暖めていたのが嘘のようだ。
冬を忘れて、窓を開ける。
サイドブレーキを解除して、アクセルを踏む。
行き先は決めずに、なんとなく車を走らせる。
平日午後3時50分、都会というほどには温かく、田舎というには寂しい場所。
最近工事で広くなった舗装された道を走る。
砂嵐混じりのFMラジオは80年代か90年代

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【詩】青春はグレープフルーツとかすかなヨーグルトのような匂い

【詩】青春はグレープフルーツとかすかなヨーグルトのような匂い

ゴールデンウィーク後半の静かな旧校舎。
午後5時20分、部室のカーテンの隙間から茜色の光が刺す。
他に誰もいない。
窓を開けると、揚げ物の匂いがした。
聞こえるのは車が走る音と近くのバラバラの吹奏楽。おそらく近くの中学校からだ。
1秒1秒、音を立てて時を進める針。
カーテンが風に靡く。
ハウスダスト、日光の匂いがした。
ポニーテールが解けた髪。
シャンプーはシトラス系。
鳩尾よりも少し上がキュッと

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