見出し画像

TIFというイベントとの向き合い方

TOKYO IDOL FESTIVAL2021 (TIF)の3日目に参加してきました。


大きな舞台でアイドルが見せてくれるキレキレのパフォーマンス、生き生きとマサイするオタクとそれを取り締まるBONDS。

帰ってきたんだなあ、この景色が。

最高の一日でした。既に来年が待ち遠しいです


ただ、少しだけ違和感を感じた部分があります。

この違和感はそう、

オリンピックの時にも感じたものです。


TIFとオリンピックの共通点

よくよく考えると、TIFとオリンピックには似た要素が多く見られます。代表的なものは次の2点です。


①お金がかかっていること

まずは、どちらの大量の資本が投下されたイベントであるということです。

オリンピックというイベントは、政府やIOC、その国の大手企業、主要各国の放送局によって管理されています。

テレビ放映権が売買されるようになるロサンゼルスオリンピックまでは、オリンピックが不人気イベントだったことは有名です。


TIFはフジテレビや各種配信サービスなどの援助によって行われていますし、テレビ出演権をかけた連動イベントなども沢山行われています。


どちらにしろ、イベントとしての希少性が人為的に高められているのは確かなようです。


②「特別」なイベント

しかしながらも、どちらも欠かすことの出来ない「特別」なイベントであることも確かです。


オリンピックでは、自国の選手が活躍することによって、競技自体の認知度が高まることはよくあることです。

4年に1回のスポーツの祭典に出られることは、スポーツ選手の憧れの1つでしょう。


TIFでも、出演したアイドル達によって沢山の伝説が生まれてきました。オタクにとってもアイドルにとっても、TIFというのは欠かすことのできない一大イベントなのです。

そのため、毎年出演権をかけて毎年各地域で予選が繰り広げられています。

「え、このグループってTIF初めてだったの?」みたいなことは本当によくあります。特に今年はステージ数が限られており、出演しているアイドルは皆本当に選りすぐりでした。


お金が使われるイベントであるということは、それだけ注目されるイベントであるということですし、それだけ価値のある「体験」になりうるのです。


TIFに「出る」ことがすべてではない

しかし、ここに大きな落とし穴があります。


オリンピックは出たという事実以上に、そこにどんな意味を与えるかが重要なのです。

日本でフェンシングやボルダリングが人気になったのは、有力な日本人選手がいて、そういった人たちが大舞台で結果を残したからです。


これはTIFでも同じだと思います。

もちろん、TIFに出られたということは一定の人気を獲得したという証拠です。そこには、メンバーとオタクの努力の結晶があります。

しかし、TIFに出たのに人気を失って解散してしまったアイドルだっています。

TIFという大舞台で、「次に繋がる」パフォーマンスができたかという事が実は本当の勝負なのです。


未来を変えるかどうかはともかく、今回僕がスマイルガーデンで印象に残ったステージが2つありました。


TIF3日目で印象に残った2ステージ


1つ目はなんキニ!のスマイルガーデンのステージです。

「なんか気になる!」でおなじみのなんキニ!は、僕が個人的に非常思い入れのあるアイドルです。


ちょうど僕が地下アイドル現場に通い始めた2019年秋、なんキニ!はメンバーを総入れ替えし、現体制になりました。


そこからほとんどメンバーの入れ替わりなく、今回のスマイルガーデンにやってきました。

なんキニ!のステージは、定番曲を惜しげもなく披露する、まさにベストパフォーマンスでした。


特にラストの「僕を未来へ運ぶ列車」は、まさに圧巻でした。

その場にいる全員が、思い思いにその場を楽しんでいる。

地下アイドルって最高だ。

そう思わせてくれるステージでした。



2グループ目はDevil ANTHEM.(デビアン)のスマイルガーデンのステージです。

デビアンもメンバーを入れかわりが少なく、確実に人気を獲得してきました。今年は@JAM EXPO2020-2021でもメインステージを獲得、まさにノリに乗っているグループです。


そんなデビアンのステージはショートバージョンを繋ぐスタイル。20分という時間が永遠に感じられるようなステージでした。

特に「EMOTIONAL」は、まさに感情のこもったパフォーマンスでした


もう、「跳びたい!」という感情を抑えるのに必死でした。

沸ける正統派、まだまだ夢を見させてくれそうです。



意味のあるステージって何なんだろうか


なんキニ!とデビアンが印象に残った理由、それはどちらも「今の自分たち」を等身大で表現していることです。


どうしても大きいステージとなると、本来の実力を発揮できないグループも存在します。

無理にメドレーで曲をつないだり、グループのそれまでのカラーと全く違う新曲を盛り込んだ結果、「普段のパフォーマンスどこいった?」という事態になりかねません。


しかし、なんキニ!とデビアンに限っては全くそれがありませんでした。

「こういうステージを積み重ねて、スマイルガーデンまで来たんだろうな」という様子が伝わってくるステージ、パフォーマンスでした。


TIFだから張り切る、でも自分は失わない。

そんなバランス感の良いパフォーマンスをしていたと言えます。



じゃあTIFの意味って何なの?

しかし、TIFだからって「普段感」を失わない方がいいのだとしたら、TIFの価値とは何なのでしょうか?

それは、「アイドルドリーム」だと思います。

普段、AKB48、スターダスト、ハロプロみたいな大手のアイドルと、普通の地下アイドルが同じステージでパフォーマンスする機会は、めったにありません。

狭いライブハウスで叩きあげられたアイドルたちが、憧れ続けた地上のアイドルと同じ日に、同じ舞台に上がる。

これほど、胸が熱くなることはあるでしょうか?


また、オタクにとってもTIFの「異種格闘技感」は大きな意味を持ちます。

「自分たちのいる世界だけが全てでは無い」ということを知ることができる機会が、TIF始め大規模フェスの魅力だと感じています。

勢いのあるアイドルのクオリティの高い楽曲やパフォーマンスに触れることは大きな刺激になります。


TIFとは、アイドルの「今」をまとめて知ることのできる数少ない「お中元」みたいなものなのではないでしょうか?


僕はしばらく余韻を楽しみたいと思います。


おわりに


まとめます。


スカイステージ、来年待ってろよ。


以上です。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?