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#38 育児と、品質不正のトライアングル

先日うちの次女氏(4)が、長女氏(8)の手作りボール(と言ってもビー玉をアルミホイルで軽く包んだだけ)を壊した上に、それをゴミ箱に捨てて隠す、知らないと言い張るというちょっとした事件がありした。

発端は、長女氏が工作教室で作ってきたボールをリビングに置いたまま風呂に行ってしまい、次女氏がイタズラしているうちにアルミホイルが外れてしまったこと。

私もイタズラしているのは見ていたが、まさか壊した挙句ゴミ箱に隠しているとは思わず、長女と一緒にかなり探してしまった。

ボールを探している間、次女はずっと「忘れた」の一点張りで、ゴミ箱に隠してしまったことは言わなかった。

結局ゴミ箱から壊れたボールが出てきて事態が発覚。長女は激おこでした。


激おこ長女の隣で、私は品質不祥事でよく取り沙汰される「不正のトライアングル」について考えていた。

「不正のトライアングル」とは、1950年代にアメリカの犯罪学者ドナルド・R・クレッシーが提唱した理論です。個人が不正行為に手を染める際の心理的要因を、機会、動機、正当化の3つの観点からモデル化しました。
この理論では、不正は個人の道徳的欠陥のみでなく、環境的要因も複合的に影響していることを指摘しています。
例えば、企業環境やシステムを見直すことで、抜け穴を封じ「不正の機会」を与えないようにすれば、不正発生のリスクを大幅に低減できることを示唆しているのです。


例えば、品質記録の改ざんなどは
・監視カメラがない、業務プロセスが不明確で承認ルートが杜撰といった「機会」
・過度な目標設定や失敗の隠蔽といった「動機」
・企業の利益になるから、他の人もやってるからといった「正当化」

の3つの複合要因が揃うことで発生するというものです。

どれか1つでも揃っていなければ、改ざんは抑止されるので3つの側面から業務環境を整えていきましょうというものです。


さて、今回の次女氏による「長女氏のボールを触ってしまった」については、

・長女氏が入浴中で持ち物が放置されていて(機会)
・長女氏が楽しそうに遊んでいたので自分もやりたいに(動機)
・自分もちょっとぐらい遊んでもいいだろう(正当化)

の3つが揃っていた。
動機や正当化は感情的なものなのでなかなか対処は難しいですが、長女の持ち物は次女が触れないようにするといった機会への対策はできそう。

(壊してしまったことについては偶発的な事象なので一旦横におきます。)

一方次女氏が「壊してしまったボールをゴミ箱に隠して誤魔化そうとした」については、

・長女氏はまだ入浴中なので隠す時間があった(機会)
・長女氏に壊したのがバレたらめちゃくちゃ怒られる(動機)
・見つからなければ自分が壊したのはバレないだろう(正当化)

さてさてこちらはなかなか対処が難しそうです。
正直に話してくれたときは怒らないようにする、今回の場合はアルミホイルを包み直せばまた使えることを教える、などの対応しかなさそうですね。
日常からの声かけが重要です。


なーんてことを、切々と次女氏に「嘘ばダメ」と説教しているパパを横目に考えておりました。

一生懸命伝える姿を見せるのは大事だと思いますが、言葉自体は大して伝わってないと思うんですよね。
怒られてるときって何も頭に入ってこない感じしません?

こんなことばかり考えているから、パパに冷たい人間扱いされるんですよね。

とりあえず我が家は長女氏と次女氏の持ち物の境目があまりに曖昧すぎるので、環境を整えてあげようと思います。おわり。

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