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特撮の地球科学 古生物学者のスーパー科学考察 芝原暁彦、大内ライダー著 イースト・プレス(2021年4月発行)

映画などで描かれている内容を「事実」としてとらえ、それを様々なジャンルの科学の面から解説するという書物はそれこそ「山のように」存在します。
ブームのきっかけとなったのは「空想科学読本」シリーズだとは思いますが、それ以前にもサブカルチャー的書物の中でコラムとして記載されていたり(といってもその文章は柳田理科雄氏が書いていたりするのですが)、宇宙物理学専門の福江純氏が科学的見地でSF作品(主にアニメかな)を解説したりしていて、結構な歴史があります。

そんな中、「地球科学」という見地で解説しているのが本書です。正直なところ、このジャンルの書籍には「なるほど」という驚きを期待します。題材となった作品で、「科学的におかしくて実際にはこうだ」的なものでもいいですし、「映像で〇〇が起こったとすると、▼▼という事象が発生したはずだ」でもよいのですが。

で、本書はどちらかといえば後者に近いのですが、中身としては徹頭徹尾「バカ話」を貫いています。
その内容については帯を見ていただくと一目瞭然で

ということです。ちなみに対談形式で、専門家の芝原氏が「ボケ役」、特撮に詳しい大内氏が「ツッコミ役」のようになっています。
「何かを吸収しよう」と思わなければとても楽しい一冊です。ただ残念なのは、執筆?時期があの「シン・ウルトラマン」が湖畔にたたずむ一枚の画像が公開された時期に当たっていて、その画像からの考察のみとなってしまっていることですね。
実際の作品をみて、どのように考察というかバカ話するのか、観てみたかったです。

「お勧め!」とまではいかないにしても、暇なときに読んでみるのも悪くない、と思える一冊でした。


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