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ぶたぶたのお引っ越し 矢崎存美著 光文社文庫(2022年5月発行)

1年ぶりの「ぶたぶたさん」です。待ってたよぉ。

今回は全3編です。予告でタイトルを見た時に、今度のぶたぶたさんは「引っ越し業者」か、と思ったのですが、そんなに単純ではありませんでした。
裏表紙のあらすじに3篇の概要が掲載されていましたので引用します。

リタイア後、田舎に移住したいという夫と考えが合わず悩む成実の前に、移住のアドバイザーとして登場したのは――(「あこがれの人」)。
家賃の安い「告知事項あり物件」に引っ越すことになった詠斗は、挨拶に訪れた隣の部屋で、衝撃の出会いを果たす――(「告知事項あり」)。
お引っ越しによる、出会いと別れ。その節目に、不思議なぬいぐるみと出会ったら。――(「友だちになりたい」)。
心震える3編を収録。

文庫裏表紙より(一部加筆)

「あこがれの人」はお互いを思いながらどこかですれ違ってしまう夫婦、「告知事項あり」は田舎をでて東京で一人暮らしをする青年、
「友だちになりたい」はぶたぶたさんの娘と同級生の小学生男子。

必ずしも「引っ越し」と強く結びついているわけではないけれども、その「引っ越し」をひとつのきっかけとして、別の出会いや新しい視点が生まれてくるところはぶたぶたシリーズの真骨頂というところですね。

個人的には「友だちになりたい」が好きです。小学生男子とともに登場する挫折した元アイドルにはなんだか感情移入してしまいました(アイドル経験はありませんが)。


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