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「性」の進化論講義 更科功著 PHP新書(2021年8月発行)

生物における「性」に着目してまとめられた一冊です。生物に「性」があるなんて、ほぼ当たり前じゃんね、と何気なく思っていたのですが、本書では最初から「有性生殖」と「単為生殖」のどちらが有利なのか、というテーマで始まります。

読んでみて初めて気が付いたのですが、「有性生殖」は必ずオスとメスが必要で、出会って恋愛して子づくりして子育てして、と手順はたくさんありますが、一方の「単為生殖」はメスが一匹いればどんどん子供が増えていくのですよね。

たくさんの子孫を残すことを考えれば「単為生殖」のほうが有利なわけですよ。と、ここまで読んで、生物学の本(新書ですが)をある程度読んできた「素人プラスアルファ」の私なんぞは「そりゃ多様な遺伝子があった方が環境変化に耐えやすいからなんじゃないの」などと思うわけですが、このあたりからDNAの話になり、少々自分の理解範囲を超え始めてしまいました。

結論はなんとなくわかったのですが、もういちどじっくりと読み返すことにします。

その次には淘汰の話になってきます。

よく、生きていくのに邪魔なんじゃないの?と感じるほどの不思議な形をした生き物がいて「メスの気を惹くため」なんじゃないのと気軽に考えていましたが、それについても実例を挙げながら丁寧に説明されています。

ネタバレ覚悟で言いますと、「まだわかっていないことが多い」ようです。ただ、様々な仮説がきちんと紹介されていて、興味深い内容でした。

特に後半に掲載されていた「オスとメスの利害」という観点は面白かったですね。オスがメスに食べられるカマキリが有名ですが、オスも黙ってはいないようで、いろんな生物が紹介されていました。

ただ、なんとなく身に染みたのは「選り好みをするのはメス」ということでしたね。やっぱりそれなりの外見的特徴がないと女性には好かれないんですねぇ。

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