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てのひら怪談 こっちへおいで 朝宮運河編 ポプラキミノベル(2022年6月発行)

一般的に小学校高学年ぐらいの方々が読む「怖い話」シリーズです。それをなんで50も大きく過ぎているおっさんが読んでいるのかというと、作家陣が「マジ」なんです。

黒川裕子/黒史郎/最東対地/澤村伊智/地図十行路/内藤了/にかいどう青/藤白圭/松原秀行/吉田悠軌

ね。本格的でしょ。

これらの作家たちで計50篇の短い作品が収録されています。多くても3ページ。比較的大きめの字体で書かれているうえ、ひらがなも多いので、掛け値なしの「短い物語」になっています。

子供向け、ということもあるのでしょうね。作品のほとんどすべてが「小学生を主人公」にした恐怖が描かれていると同時に、どういう部分が怖いのかということが「わかりやすく」書かれています。前衛的なホラーにありがちの「不条理さ」は影を潜め、その分「怖さ」もそれほどではありません。

ただ、その分、「怖い話の骨格」がよくわかる作品集になっています。さすがに手練れのホラー作家が集まっただけあります。

ちなこにこの本はサイトの「新刊パトロール」に登録してあった「澤村伊智」で引っかかってメールでお知らせが来ました。
書店の中でもあまり行かないコーナーなので探すのにちょっと苦労しました。検索コーナーがある書店だったので助かりましたが…。


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