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Udemy「販促動画シナリオの書き方」粗稿③

販促動画3つのポイント

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販促動画を構成していく時に、私は3つの大切なポイントがあると考えています。

ポイント1 たった一人の視聴者に向けて作る

3つのポイントのひとつめは「たった一人の視聴者に向けて作る」ということです。

この動画を届けたい「誰か」を徹底的にイメージして、そのひとりに向けてメッセージを届ける、ということが大切なのです。

そのためにペルソナ設定を行って、ターゲットとなる視聴者を綿密に定めます。

この点についてはターゲッティングのセクションで詳細にお話します。

ポイント2 情報を絞り込む

ふたつめのポイントは「情報を絞り込むこと」です。

前のレクチャー商品の特徴を羅列的に解説した動画では商品は売れない、ということをお話しました。

発売元としては商品について伝えたいことはたくさんあると思います。

しかし、その思いのままに情報をどんどん伝えるのは得策ではありません。

むしろ情報を絞り込む。

どの情報が消費者の心を動かすのか、きちんと絞り込んでそれだけを重点的に伝えるようにした方がいいと思います。

この点についてはシノプシスのセクションでお伝えしようと思います。

ポイント3 言葉ではなく、映像で構成する

3つめのポイントは「言葉ではなく、映像で構成する」ということです。

これには人間の脳の構造が影響しています。

人間の脳は左脳と右脳というふたつの場所に分かれています。

左脳は主に言葉や論理を扱う場所です。

映像やイメージを処理するのは、右脳の役割です。

このふたつの脳の働きにはいろいろと違いがあります。

言葉を通じて左脳で処理された情報は、忘れやすいです。

これは勉強する時のことを考えてみたらわかりやすいでしょう。

映像やイメージを扱う右脳のほうが強い印象を残します。

と同時に右脳で処理されたイメージや映像の情報は記憶に残りやすいのです。

みなさんも昔の出来事を映像やシーンのイメージを伴って記憶している、という経験はあるでしょう。

動画の主役は映像です。

映像が右脳によって処理されるからこそ、動画は視聴者の心に強い印象を残すことができます。

言葉で説得するのではなく、映像でイメージを伝えることが動画を構成する上で大事なのです。

このことについてはストーリーボードのセクションで説明しようと思います。

この3つのポイントを押さえていただけば、本当に効果を上げる販促動画を構成することができると思います。

シナリオを書きはじめる前に

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このセクションでは、具体的に販促動画のシナリオを書き始める前に知っておいていただきたいことをお話します。

ひとつは、これから作ろうとしている販促動画を販促計画全体のどこに位置づけるか、ということです。

ひょっとしたら、あなたは販促動画の制作だけを請け負っている動画クリエーターなのかもしれません。としたらクライアントの販促計画の全体像を知ることはあまり意味がない、と思うかもしれませんね。

でも本当に効果のあがる販促動画を作りたいのであれば、販促計画の全体像を知ることは重要です。

他にどんな販促ツールがあって、クライアントはどんなかたちでそれらのツールを連動させようとしているのか。

そういうことを無視して販促動画のシナリオは書けません。

もうひとつ、動画と印刷物のちがいについてです。

動画と印刷物は性格のちがう制作物です。
それぞれの性格のちがいを心得ておかなくては、効果の上がる販促動画を作ることはできません。

昔、他社が作った大学の入学案内ビデオを見せてもらったことがあります。

その動画は、最初に大学のキャンパスの紹介があり、中程にカリキュラムの説明があり、最後の方はサークル活動や就職した先輩のインタビューがありました。

それを見た途端気がつきました。
「これは、大学案内パンフレットの構成をそのままパクったな」と。

典型的な大学案内パンフレットの構成そのままだったんです。

たぶんその動画の制作者は、パンフレットを見ながら1ページ1ページ情報を写すようにしてシナリオを書いていったんでしょうね。

こういったやり方では本当に動画である良さを生かした入学案内ビデオを作るとこはできません。

私なら、最初にサークル活動や先輩のインタビューを持ってくるでしょうね。
だって、それが一番注目されやすいですから。

最後にお話するのは、シナリオを書いていくプロセスについてです。

もちろんこれは私がやってきたやり方なので皆さんが真似する必要はありません。
でも何かの参考になればと思います。

それでは次のレクチャーでは、他の販促ツールと動画の関係についてお話します。

販促動画選手の打順を考える

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販促動画を企画する前に、考えておきたいことがあります。
それはメディアミックスについてです

メディアミックス

あなたが新製品の販促担当者だったとします。
ある予算を与えられて、さまざまな販促物を制作する責任者です。
あなたは、どんなものを作ろうとするでしょうか?

もちろん動画は作るのですが、それは置いておいて他に何を作るか考えてみましょう。

たとえば、印刷物はどうですか?

チラシ、パンフレット、カタログなどなど。
販促戦略において、印刷物がゼロということは考えられません。

他に何を作るかというと、ネットの利用がないことは今の時代ありえませんね。

商品のWebページ、場合によってはサイトそのものを立ち上げることもあります。

通販をしたり、ダイレクトなレスポンスをとりたければランディングページも欠かせません。

SNSのコンテンツを作ることもありますね。
たとえばInstagram。
商品専用のインスタ・アカウントを作って、そこにビジュアルに凝ったコンテンツを載せる。
商品によっては、FacebookやTwitterも使われます。

その他に、販促物という範疇に入るかどうかはわかりませんが、テレアポやオンライン商談という手段も考えられます。直接人間がかかわる販促ですね。

たくさんの販促手段があるのです。

販促動画はこれらといわばチームメイトの関係です。

単独で戦うのではなくて、チームを組んで戦います。

オーダーを考える

野球のチームならば、オーダーというものがあります。
日本語でいえば「打順」です。
バッターがどの順番で打席に立つか、という順番です。

販促物チームにあって、動画はいったい何番バッターでしょうか?

これによって動画の性格は大きく変わります。

1番や2番のバッターならまずは塁に出ることが仕事です。

3番、4番、5番のバッターは塁上にいる選手をホームベースに返すように打撃をします。

販促も同じで、ひとつのツールだけで成約に持っていこうというものではありません。

今の時代の消費者は慎重です。

何かいい商品を見つけたからといって、その情報だけですぐ購入に至るということはありません。

AISAS

AISASの法則をご存知でしょうか?

ネット普及後の消費者の購買行動のプロセスを示したものです。

 A(認知)

最初のAはアテンション。商品を認知するといった段階です。

商品について知らなければ購買行動は始まりません。

消費者はどんなところで商品に気がつくでしょうか?

それはネットニュースだったり、テレビの情報番組かもしれません。

もうひとつありうるのがSNSです。

インスタやTwitterの画面に流れてきた情報に目を止めて商品について知るかもしれません。

テレビのCMや雑誌広告で気がつくという可能性もあります。
でも今の時代はネットからの方が強いですね。

「あ、そんな商品があるんだ」と気づいてもらうのがこの段階です。

I(興味・関心)

次の段階がI、インタレスト、つまり興味や関心を持つという段階です。

最初のAの段階ではたくさんある情報の中のひとつとして記憶にしまわれただけです。

この段階で消費者はようやくこの商品に興味を持ちます。

「どんな使い心地だろう?」「使ったらどうなるのだろう?」と思うわけですね。

この段階で消費者は、ネットのレビュー記事とか、広告、商品のWebページなどを見るようになります。

ふと目に止めた商品だったのが「面白いな」「使ってみたい」「自分の暮らしにこの商品があるとどんな感じなのかな?」と思うようになるのがこの段階です。

S(検索)

次の段階はS、サーチです。情報を検索し始める段階です。

今の時代、商品に対する情報はかんたんに検索できます。

消費者は能動的に情報を集めはじめるわけです。

当然、競合する商品についても調べるでしょう。

この段階で消費者は、ブログ、YouTubeや、まとめサイトなどをいくつも見て商品にかんする情報を収集します。

この時に注目されるのが、口コミです。

商品の発売元が出している情報や、それを右から左に掲載しているような情報サイトの記事はあまり信用されません。

それよりも個人が自腹で商品を買ってレビューしているブログやYouTube動画などのほうが信頼性が高いと思われています。

この段階まで来ると、消費者はすでにお客様です。
購入することはだいたい決まっているでしょう。

 A(行動)

そしてふたつめのAはアクション、行動です。
行動は、これはマーケティングの世界では購入を意味します。

商品を購入する。実際に自分で使ってみるところまで、このAに含まれるでしょう。

でも、それで終わりではありません。

S(共有)

最後のSは、シェア、共有することです。
今の消費者は、昔の人と違って発信手段を持っています。
SNSやブログ、YouTubeなどです。

どうして購入したのか、購入してみてどうだったのか、満足しているのかいないのか。
そんなことを発信して共有するのが普通になっていますね。

ここで発信された情報が、最初のS、検索で見つかります。

ですから共有された情報が、他の消費者の購買行動に大きな影響をもたらします。

さて販促動画選手の打順は?

さて、販促動画の話に戻ります。

販促物チームの中で、販促動画はどこに位置するかということです。

AISASのどのへんに向けて販促動画を作るのかということですね。

販促物の中で最初のA、認知に強いのは、メディア広告やSNSです。

メディア広告というのはテレビのCMや雑誌広告、電車の中吊りポスターのようなものですね。

これは出稿するのにお金がかかります。

次のI、興味や関心を持ってもらう段階、ここが販促動画の定位置です。

つまり販促動画は2番バッターということですね。

商品に興味を持ってもらうためのツールとして、販促動画は有効だと思います。

最初のS、つまり検索や情報収集を行っている段階の消費者に向けて、商品の解説動画を作る、という企業もあります。

しかし、すでに述べたようにここでは発売元が提示している情報よりも、個人が出しているレビューブログやレビュー動画のほうが信用される傾向にあります。

そこで自ら動画を作るのをやめて、YouTuberに商品を提供してレビュー動画を投稿してもらう、という方針に切り替えた企業も多いですね。

その方が効果を上げやすいという判断です。

他へつなぐ意識

販促動画は2番バッター、つまり興味を持ってもらうための役割を担う、ということをお話しました。

であれば、当然塁に出るのが仕事です。
続く3番4番のバッターにタイムリーヒットを打ってホームベースに返してもらうのが前提です。

続くバッターに相当するのが、Webサイトなのか、印刷物なのか、オンライン商談なのかは販促戦略によって違います。

とにかく後ろに続くバッターがいて、そこにつなぐという意識が大切だということです。

次のレクチャーでは、動画と印刷物がどのように違うのか、ということをお話します。

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