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いま拙速にAIについて学ぶべきではない

ChatGPTの登場以来、世はすっかりAIブームだ。
国会でもChatGPTを活用するとかしないとか。
当然、ChatGPTの活用法について学ぶ講座やコースが登場してきている。
だけど学ぶタイミングは今だろうか?

ブームは必ず過ぎ去る

流行り物というのは、売れやすい。
何かが流行れば、とりあえずその流行りに乗っておけ、ということで商売に走る人がたくさんいる。

今年に入ってからのAIブームというのも、まさにそれだ。
いまChatGPTをとりあげておけば、流行りに乗じて必ず売れる。

講師ビジネスやコンテンツビジネスをやろうという人間なら、誰でも一度は頭をかすめる発想だ。

だけど、思い出してほしい。
AIブームが来る前、何が流行っていたか?

そういえば「メタバース」という言葉が、昨年あたり流行っていた。

そのメタバース、今は見る影もない。
メタバースの技術がなくなったか、失敗したのかというと、そうではない。

たんにブームが過ぎ去っただけ。

AIブームも必ず過ぎ去る。
たぶん今年の夏くらいまでに落ち着く。

「いや、AIは違うんだ。社会を変えてしまうんだ。だから今すぐ」
それは宣伝文句にすぎない。

たしかにAIは社会を変えていくだろうが、それとAIブームは必ずしも関係ない。

進歩のスピードが早すぎる

もうひとつの理由は、AIの進歩があまりにも早すぎるということだ。

AIの専門家になろうとするのなら、よい。
とりあえず現象的なAIの実態を知ろうとするのなら、それもよい。

だけど、体系的にAIの活用法を学ぼうとするのなら、ちょっと待て。
今がそれに一番よい時期だろうか?

進歩のスピードが早い、ということは陳腐化も早いということだ。

たぶん今学んだことは、来年になったら古くなる。
いま古い知識を仕入れても、店晒しになるだけだ。

「そんなことを言っているから、時流に乗り遅れるんだ。学ぶなら今だ」
それも宣伝文句にすぎない。

わけもわからず時流に乗ろうとしてAIの活用法を学んでも無駄になる確率が非常に高い。

教えている側が素人だ

いまChatGPTなどAIの活用法について学ぶのは待ったほうがいい、ということのひとつがこれだ。

誰のもとで学ぼうとしているのか?

本当のAIの専門家について学ぼうとしているのなら、むしろ称賛する。
それは今すぐはじめるべきだ。

だが、今ChatGPTの活用法を講座やコンテンツにしている連中が、本当のAI専門家だろうか?
そこを見極めてほしい。

多くは、人より少し早めにChatGPTをいじってみただけの素人だろう。

ホンモノのAI専門家は、AIの基礎技術を研究したり、AIを応用したサービスの開発に余念がないはずだ。
人を教えている余裕はない。

いまAIについて教えようという人は、おそらくアーリーアダプターの素人である可能性が非常に高い。

これはSNS集客の講座などにも感じることだが、すべて経験則でしか教えられていない。
自分がこうやったらうまくいったから、あなたもこうやりなさい。
そんな経験則は、AI側が少し進化したら、たちまち通用しなくなる。

いま何をするべきか?

では私たちはいま、何をするべきなのか?

もちろんAIについての情報収集を怠るのはよくない。
日々進化しつつあるこの怪物が、いまどのような成長ステージにあるかは見極めておく必要がある。

だがいま私たちがするべきは、未来を予測することだ。
AIが今より発達した、今から少し先の未来を。

そこで何をやったら成功するのか?
それを考えておくことはChatGPTの活用法を知ることよりずっと大切だ。

AIが社会を変えていくからこそ、その先を読む。
先読みこそが今すべきことだと、私は思う。

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