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ありえない光

今日の連続テレビ小説(朝ドラ)「おかえりモネ」。
主人公モネ(永浦百音)の師匠格である気象キャスター朝岡覚の過去が明らかになる。

朝岡は大学駅伝の選手だった。4年の時出場した大会で1月にもかかわらず熱中症になって棄権してしまう。

今日の注目は朝岡が自分の過去語りを始めるシーンだ。

場所はTV局のスタッフルーム。気象予報士チームが使っているコーナーだ。一見機材に囲まれていて、窓があるとは思えない。

朝岡が過去語りを始めると同時に照明が変わった。
まるで西日のような横からの光が彼を照らした。

西日であるはずがない。
朝岡たちが担当している番組は朝の情報番組。

彼らがこの空間にいるということは番組の終了直後、9時ごろのはずだ。

この光がフィクションの光であることは光の方向でもわかる。
光がさしてくる方向は窓があるはずのない部屋の中央部分からだ。

そしてこのシーン自体がファンタジーである。
それを象徴するのが朝岡の脇にあるテーブル型のモニター。
普段は気象データを表示するこのモニターに、朝岡の大学時代の映像が映っている。
駅伝で走っていた時の映像だ。

朝岡の回想が現実のモニターに映っていた。

ありえない光に、ありえない映像。

「おかえりモネ」は極めてリアルなドラマだ。
朝ドラの中にはファンタジーなシーンが不思議でない作品も多いが、この作品はそうではない。

演出の発想だと思うが、ドラマ全体からすると異質な感じのシーンだった。

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