まず自分の教えることの棚卸しをしよう【第4章動画教材の構成】
ふだん、毎日のように対面教室で生徒さんを教えている先生でも、さて動画教材を作るとなると悩んでしまうことが多いものです。
動画教材では、対面教室のような生徒さんからの質問はありません。
「これで伝わるだろうか?」と悩む前にすることがあります。
頭の中にあることの棚卸し
心配しなくても、教えるべきことはすべてあなたの頭の中にあるはずです。
しかし、いざそれを動画教材にしようとすると
「これだけで十分だろうか?」
「伝わるだろうか?」
「何か伝え足りないことはないだろうか?」
と不安になることも多いのですね。
対面の教室であれば、目の前に生徒さんがいますからフィードバックしてくれます。
伝え足りない部分があったら「先生、ここはどうするんですか?」と質問をしてくれるでしょう。
その質問に応えることによって、情報不足は避けられます。
しかし動画教材というのは先生がそういうフィードバックなしに作らないといけません。
だから私は、「まず頭の中にある情報の棚卸しをしましょう」といつも申し上げています。
情報の棚卸しのしかた
といっても、そんな大層なことではありません。
要は、紙の上とか、PCのファイルの上などに、伝えるべき情報を書き出すことなのです。
頭の中に入れておくと、たしかに記憶していても肝心な時に思い出せなかったり、忘れたりします。
だから、一度頭の外に項目をいっぺん書き出してみるのが大切なのです。
やり方も決まったものはありません。
書き殴りでも箇条書きでもかまわないのですが、私はマインドマップを使っています。
マインドマップとは何か?
マインドマップという言葉を聞いたことのない方でも、実際のマインドマップを見ると「あ、見たことがある」とピンと来るのではないでしょうか?
こんな形のものです。
マインドマップというのは、英国人のトニー・ブザン氏という方が考案した思考の記述方法です。
これはセミナーの受講メモとして作ったものです。
こうした記録の他にひとりブレインストーミングのための方法として、アイデア出しなどにも使えます。
白紙の中央にテーマ(議事録として使う時は会議やセミナーの名前)を書きます。
そこから枝を生やして言葉(文章ではなく単語のほうがよいとされています)を書いていきます。
枝分かれをさせて、次々に連想した言葉や関連した言葉を書いていくのがルールです。
これが思考をまとめるのに非常に役に立つ方法なのですね。
マインドマップをデジタル化する
最初は、紙の上にマインドマップを書いていたのですが、そのうちにどうしても使いにくい点が目立ってきました。
それは
紙の広さの限界がある(端にくると折り返すなど面倒)
字を書く時に漢字が思い出せない(笑)
一度書いたら動かすことができない
といったことです。
そこで最近はデジタル化されたマインドマップを使うようになってきました。
PCなどの画面の上でマインドマップを作れるソフトウェアやオンラインサービスはいくつもあります。
私は主に、Xmind 8という無料のソフトを使っています。
XmindにはWindows版、Mac版のほか、スマホやタブレットで使えるバージョンもあります。
Xmindにも複数のバージョンがあって、有料版もあります。
しかし私は機能の制限された無料版を使っていて、何も不満はありません。
Xmindで頭の中の棚卸し
Xmindを使って、動画教材の構成を考えてみます。
新しくマインドマップを作る時は「空白のマップを作成」をクリックします。
すると「中心トピック」という箱がひとつだけ表示されます。
これをダブルクリックすると文字が入力できるようになります。
「中心トピック」の文字を、作ろうとする動画教材の題名に書き換えます。
書き換えが終わったら、もう一度中心トピックをシングルクリックして、キーボードの「Tab」を押します。
すると枝が生えて「主トピック1」という箱が表示されます。
中心トピックの時と同じように主トピック1をダブルクリックして、伝えるべき項目名に書き換えます。
ハンドメイド系の動画教材でしたら、たとえば「材料」とかでしょうね。
また中央トピックをシングルクリックして選択し、Tabキーを押して主トピックを作ります。こんどは「道具」などと書き換えます。
こうして「ポイント」「製作実演」「導入コメント」「まとめコメント」など、動画教材に盛り込むべき要素の主トピックを作っていきます。
今度は、それぞれの主トピックをシングルクリックして選択し、Tabキーを押すとサブトピックが生まれます。
それぞれのサブトピックには、伝えたい項目名を書いていくのです。
あとはそれの繰り返し。
頭の中にある「伝えたいこと」をどんどんマインドマップに落とし込んでいきましょう。
すると、最後には頭の中にあることがすっかりマインドマップとして一覧できるようになるはずです。
それを眺めてみれば、伝えようとすることがすべて視覚化できていますし、欠けていることがあったらすぐ気がつくはずです。
私はこういうマインドマップ化を、講座を作る時でも動画教材を作る時でも活用しています。
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