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Udemy「販促動画シナリオの書き方」粗稿⑥

何を書き出すのか?

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デジタルマインドマップの作り方はだいたいわかったと思います。

だけど、このマインドマップに何を書き出したらいいのか、どんな思考のマッピングをしたらいいのか、ということの説明がまだでした。

販促動画のシナリオを書くためのマッピングでは、大きく分けてふたつのことを書き出しておくといいと思います。

ひとつは「視聴者に伝えたい」と思う情報です。

そしてもうひとつは「こんな動画にしたい」というアイデアです。

伝えたい情報

販促動画のシナリオ作成を請け負って、クライアントと打合せをしているとすごくたくさんの情報をインプットしてくださいます。

商品の特徴やメリットはもちろん、その商品を開発するに至った背景、使われている技術、商品のテストに協力してもらったユーザーの声、などなど。

こういった情報をすべて、トピックとして書き出してマインドマップ上で整理しましょう。

少しでも「視聴者にこれを伝えたほうがいいんじゃないか」と思う情報はすべてです。

後から「これを忘れていた」ということがないように、とにかくこの段階ではすべてをマインドマップに書き込みましょう。

一度で全部書き出せなかったら、何回かにわけて追加していくようにしたらいいでしょう。

「多すぎるんじゃないか」という懸念は不要です。

というのは、ここでマッピングした情報をすべて動画に詰め込むわけではありません。

後の段階で動画に入れる情報は絞り込みますから。

ここではとにかく、少しでも視聴者に伝えたほうがよいと思われる情報をすべてマインドマップに載せます。

動画の表現アイデア

もうひとつは「こんな動画にしたい」という表現のためのアイデアです。

動画というものは、さまざまな形態が考えられます。

たとえば、ドラマ風にしてみたらどうだろう?
3~4人の登場人物でストーリー仕立て、芝居のようにして商品の良さを伝えられたらいいな、とか。

ビジネス・プレゼンテーションのスタイル。
スティーブ・ジョブズみたいなプレゼンテーターが登場して商品のプレゼンテーションを行う、とか。

むしろバラエティっぽく楽しいものにしたい。
クイズ番組みたいに、パネラーがクイズに答えていくような動画にしたら面白いんじゃないだろうか、とか。

いろいろ考えてみるといいと思います。

最初から形を固定して考えるのではなくて、まずは制約を頭から外してみて、いろいろアイデアを考えることは動画の場合大切です。

何より、そういうアイデアを考えるとワクワクしてきますよね。

動画を作ることが楽しくなります。

こんな表現のアイデアも、どんどんマッピングしていきましょう。

## ふたつのマッピング

伝えたい情報と、表現のためのアイデア、ふたつのことをマッピングするとよい、と説明しました。

じゃあ、ふたつのマインドマップを作るのか? ということになります。

これはひとつのマインドマップにしても、ふたつに分けても、どちらでもいいと思います。

別々に考えても、一緒に考えてもいい、ということです。

ひとつのマインドマップに、伝えたい情報と表現アイデアを両方載せたとします。

この時は、たとえばマップの右半分は伝えたい情報、左半分に表現アイデアなど、分けたらいいんじゃないでしょうか?

情報もアイデアも全部を一望のもとにできる、というのは大きなメリットです。

また、伝えたい情報のマインドマップと、表現アイデアのマインドマップを別々にした場合。

これにはそれぞれを突き詰めてじっくり検討できるというメリットがあります。

お好きなスタイルを選んでください。

私は、どちらもひとつのマインドマップにまとめて書いてしまう方が好きです。

ただこれは、好みの問題なので、あなたが自分に合ったスタイルで考えてみてください。

ひとりブレインストーミング

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複数のスタッフが販促動画シナリオの作成にかかわるのであれば、ブレインストーミングで表現アイデアを考えていくのもひとつのやり方です。

ブレインストーミングなら、複数の人がかかわりますから、さまざまな視点が提示されます。

アイデアを生み出す上で視点を切り替えるということは大切なので、可能であればブレインストーミングをやった方がいいと思います。

しかし、ひとりでコツコツと動画のシナリオを書いていかなければいけない人も多いです。

私も、フリーランスとしての活動が長いので、身近にブレーンがいません。

どうしても、ひとりでアイデアを考えていくことになります。

デジタルマインドマップを使って思考を記録しながらだと、さまざまなアイデアがスムーズに出てくることが多いので、それをご紹介しておきます。

面白くないと伝わらない

「動画になんで表現アイデアなんか必要なんですか? 伝えたいことさえ決まったらそれでシナリオは書けるんじゃないですか?」

という方もいらっしゃるかもしれません。

そういう方の頭の中には、もう「動画ってこういうものだろう」という枠があるんですね。

「どうせ予算はないんだから」とか

「アイデアを出してもそれを実現するだけのスキルはないから」とか

思い込んでしまっている。

こういう方にシナリオを書かせると、面白くもなんともない動画ができてしまいます。

「別に面白くある必要はないのさ。伝わればいいんだから」

いえいえ、面白くないと伝わらないんですよ。

誰が面白くもなんともない動画を最後まで見ますか?

見てもらわないと伝わらないんです。

そのためには面白くする努力をしなければいけません。

素人だから面白くできない、なんてことはありません。

最初から固定観念で作られた動画ではなく、必死にアイデアを考えて作られた動画は伝わります。

アイデアの出し方

アイデア出しには3つの型しかないと私は思っています。

これは表現のアイデアに限った話ではありません。

3つの型というのは、「パロディ」「置き換え」「組合せ」です。

パロディ

パロディというのは、どこか他の世界で使われているアイデアを借りてくるということです。

もちろんそのアイデアをそのまま使ったら、たんなるパクりですから、どこかを変更することになります。

他の世界で使われているアイデアというのは、良さがあるからこそ使われているのです。

販促動画の世界でいうなら、どこか他の世界の動画を真似するということになります。

もちろんテレビ番組や映画は多いに参考になりますし、YouTubeなどからも借りてこられるアイデアはあります。

それから動画でなくても、さまざまな広告やSNSの写真などの表現は参考になるでしょう。

自分の中に閉じこもっていたら、出せるアイデアは限られてしまいます。

さまざまな他の世界の表現や工夫に触れて「どこかに使えるアイデアはないか」というアンテナを張っておくのです。

そうすれば、目にし耳にしたアイデアが直接ではなくても、自分の中で発酵して使えるアイデアとして昇華することもあります。

そのためには「いいアイデアがあったら借りてきてやろう」と意識することが大切です。

置き換え

置き換えというのは、世の中で通用していることの一部または全部を他のもので置き換えたらどうだろう? という考え方です。

こういう目で見ると、世の中で目に触れるものが、すべてアイデアの源泉になってきます。

たとえばテレビの番組の形式をそのまま借りてくるのではなく、一部を他の要素と置き換えてみるのです。

ちょっと一例。

スポーツの実況放送というのは、だいたいアナウンサーと解説者がひとりずついて、野球のプレーを中継しながら解説を入れたりしますよね。

実況放送の形式だけいただいて、実況するのがスポーツの試合でなかったらどうでしょうか?

たとえば、主婦が家事をしている様子を実況放送します。

いちいち面倒くさい家事に苦労している様子をアナウンサー役の人が実況しながら、解説者が家事のどこに問題点があるのか、解説していくのです。

動画の中盤で、この主婦のもとに商品が届きます。

するとこれまで苦労していた家事がみるみるはかどる。
商品によって問題点が解決したからです。

「大逆転勝利です!」とアナウンサーが絶叫する。

こんな感じですね。実況放送のスタイルというのは、さまざまなもので置き換えることができますね。

組合せ

組合せというのはもとから異質なものどうしを組み合わせる、という考え方です。

だいたい世の中のユニークなものは、異質なものどうしの組合せでできています。

たとえばスマートフォンだって、そもそも電話と音楽プレーヤーと通信端末を組合せて小さくパッケージしたものですね。

それをくっちけちゃおうと思わなかったら、今のスマホ時代はなかったわけです。

動画の分野でいうと、こんな感じでしょうか。

ひとりのプレゼンテーターがステージに立って商品をプレゼンしています。

ですが、それを聴いているのは多くの聴衆とかではなくて、一匹の猫なのです。

猫はステージに上って来て、プレゼンテーターにかまってもらいたがってアプローチします。

最初はプレゼンテーターも猫のことは無視していたのですが、だんだん猫を意識しはじめてプレゼンがボロボロになってきます。

最後は、とうとう猫と遊び始めたプレゼンテーター。

エンドに出てくるタイトルは「プレゼンテーターが職務放棄しました。この続きはWebで」

猫動画とプレゼンというまったく異質なものを組合せて、Webへ誘導しようというアイデアです。

異質なものどうしが組み合わさった違和感は、逆に人を引きつけることがあります。

ひとりで考えたってアイデアは出せる

こういうふうに、アイデアを出すことは心の動かし方ひとつです。

複数の人間でブレインストーミングをすることだけがアイデアの出し方ではありません。

生まれつきアイデアの出やすい人というのははいません。

アイデアの出し方を心得た人とそうでない人がいるだけです。

マッピングをしながら、さまざまなインプットを頭の中で組合せたり、置き換えたりすることで、アイデアには自然と到達します。

デジタルマインドマップを入力しながらだと、よりアイデアが出やすい脳の状態に入りやすくなる、というのが私の実感です。

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