おぼろにかすむタオル
おぼろタオル。
初めてその名前を知ったのは、仕事でギフトタオルのために商談に行ったタオル専門店でだった。
おすすめよと、見せてくれた薄手のタオルはなんと細番手でやさしい手触りだったことか。
三重県津市にあり、日本製の昔ながらの製法を守りながら、肌あたりの良いタオルを作り続ける地場産業でもある。
そのときの出会いはそれで終わったけど、ずっとずっと心に残り、いつかはと心に決めていた。
ともだちの出産祝いに贈り、自らの娘に求めた。特別な日のタオルだった。
普段使いのタオルをいつ買い換えるのか、どうやって使い倒すのか分からなくて、いただきものや、お土産物のバラバラの柄のタオルをカチカチになっても使っていたけど、ずっと、モヤモヤしてた。
整理収納のアドバイザー、ミセス美香さんが、自身の本とブログで、タオルの適正量についてかかれていた。洗い替えるなら、1人一定数あれば十分と。適正量だけあれば無駄に場所を取らないと。
ファンベースカンパニーのさとなおさんが、今治のタオルをプッシュしてた。お気に入りの厚み、品番。自分がいいと思うタオルをそろえる暮らし。
美容家の石井美保さんが、顔は拭かない、タオルで押さえるだけ、と熱く語っていた。
わたしの中の推しタオルは、おぼろタオル。いろんな点がつながった。ものを大事にするのはいい、けど、ゴワゴワカチカチタオルはもう十分寿命じゃないか。
片づけのアドバイザーの資格を取り、少しずつ家の中を整えていく中で、顔を拭くときに、あのおぼろで拭きたいと、ちゃんと日常を幸せにしたいと、1年ほど前、一念発起して家のタオルをおぼろに変えた。ちょっとお高めだけど、日常が極上に変わった。
一気に変えたものだから、それまでほとんど毛羽落ちのなかったタオルから、大量の毛羽が落ち、色柄物が真っ白に。あわてて分け洗いして笑った。
ガッテン流にパタパタと振って乾かし、ふかふかを維持する。柔軟剤は使わない。洗濯機に洗濯物は詰め込まない。大切に洗ってる。
顔を埋める時、幸せすぎる。こすらなくてもシュッと水分がタオルに吸い取られる。幸せである。
おぼろタオルは総じて薄手がおおい。ガーゼと合わせたタオルもある。
わたしはフカフカのタオルに顔を埋めたいから、百年の極という、特に分厚いものをもとめた。大満足。3人家族×5。ちょっと多いくらい。我が家のローテにはちょうどいい。
ほんっとうに気持ち良い。たくさんの人に知ってもらい、たくさんの人に体験してほしいな。それだけの価値があるタオル。大事に使えば何年も持つ。日本の国産産業も応援したいから、この良さがたくさんの方に伝わりますように。
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