光る君へ#27宿縁の命
2週間ぶりの、光る君にちょっと焦れてました。毎週あるって大切なリズム。
今回は、赤染衛門のくだりと言い、なんとなく大人な会だなぁと思う時間でした。まひろ道長の逢瀬は、ちょっと倫理的に軽い感じで、ご都合感もあって、この時代の風潮ではあるんだけど、なんか両手をあげて歓迎とはいかず、複雑な気持ちになりました。
そういう意味では、逆に正直に隠しておれずにぶっちゃけすぎるまひろに対して、受け止める宣孝さんの懐の深さに、改めて感心。もちろん出世の野心もあり、才女を妻にしたという自慢もあり、若い妻をもらったりと思惑も見せつつの人生の先輩としての落ち着きもあって、若き女性を愛でる大人の余裕を感じます。
屏風に和歌をという発想はとても素敵でしたね。しかも行成の手で清書いただくという、、。彰子の立場からすれば、不安もある入内に対して、うれしすぎる親からの贈り物です。いつでも守られていると感じられることでしょう。
そして一条天皇にとっては、堂々と、彰子をバックアップします宣言というようなもの。強烈なパンチですよね。
屏風絵に対して色紙の配置がいまいち合ってないような感じだけど、あんなに上に並べるものなんだろうか?あとから足しました感ということなのかな?
このあたりの和歌がなんと詠まれているかは解説動画でぜひみたいなぁ。
入内や女御宣下などの儀式も、美しかったですね。今回は子どもが生まれたり、ご結婚されたり、女院への厳しい表現など、主要登場人物が世代交代して入れ替わるターニングポイントなのかなぁと思いながら見ていました。
にしても、宣孝と比べて、一条天皇の反抗期に哀しみが止まりません。夫や親を亡くし後ろ盾をかき集めて、必死に守ってきた主上に、あのように言われてしまうなんて。恋に溺れて親を突き放すトラウマ満載の主上に、感謝が足らないよ、と一瞬ドラマ熱も冷めてしまうほどでした。
一条天皇は史実では名君らしいですが、このドラマでは政治は道長に丸投げで、かなり愛情拗らせちゃってますよね。道長もホワイトであんまり陰謀を巡らせるというより、良かれと思って選択をしているだけにすぎない感じだし、こちらも初恋こじらせちゃってるし。
戦や合戦が描かれない分、内面の葛藤や感情を表に出して見せることで、立場や思いの戦いを描いているように思います。人々の家の中でもここまで本音をむき出しに話す家族ばかりではないだろうし、でもあえてそこまで描くことで、ただきらびやかな平安時代として見せただけではなく、人間の本質がその様式美の向こう側に透けて見えるからこそ、そのギャップが際立たせる愛おしさがこのドラマの魅力として満ちているのだと感じました。
誰もが生命をほとばしらせて、キラキラと輝いて生きる、光る君。ひとりひとりの登場人物がなんとキラキラと輝いていることか。
1000年も前から、人の本質はその命の輝きあるのだと言わんばかりのストーリーに、やっぱり引き込まれていくのです。
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