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趣味の話②(12)

2日後にその紳士N氏のいう通りになった時、私は狐につままれたような状態になったのだった。
それは、私の不安の種が無くなり私にとって良い状況になったということなのだが。

何故そのようにまるで反対の結果になったのかは、解らないがとにかく私にとっては良い結果に反転したわけである。

例えるなら、大学や就職試験で不合格だと知らされたのに後日、それが間違いで合格していたとか?悪い病を告知されたら検査ミスだったとか?そのような感じだ。
否、もっと深刻な物事が反転したのであった。

その後、その紳士N氏にお礼をしたいと思いそのショッピングセンターにで向いたのだが、姿が見えなかった。

それから、気にしながらも1ヶ月以上過ぎていたある日、あの場所と反対の入り口に同じような形で占いの場が設置されていたのだった。

しかし、その椅子に座っていたのは、あの紳士N氏ではなく50才代くらいの小太りの女性だったのだ。

ちょっと躊躇った私だったが、そこに座り先日の紳士N氏とのやり取りやその結果などを話たのだ。
彼女の話によると自分は、同じ組織の者でこのショッピングセンターの担当は、自分になったのだと説明してくれた。

最初の印象は、あの紳士N氏より私にはインパクトがなかったので何か物足りなさを感じたのだが、これが大きな間違いであったことが徐々に解るようになるのだった。

その女性Sさんとの最初の出会いになった日に自分が何を占ってもらったのかは、覚えていないが良く当たるなあと思ったことを覚えている。

その当時、私はたくさんの交友関係がありお互いに悩みを語り合い励ましあって生きていたのだ。

しかし、人生経験の中から良いと思うことをアドバイスしあっても相手のあることは、なかなか思い通りにはならないものである。

そんな中で、私が経験した奇跡的な話をすると皆がみな、自分も占ってもらいたいと言うのである。

それから、そのSさんが来られる毎に友人を一人ずつ連れて行くことになったのだ。

相談事であるしプライバシーの問題もあるので友人を紹介して帰ろうとすると、友人達は、みな側にいて欲しいと私に言うので、いつも私はその占いに立ち会うことになって行くのである。

そのようなことを繰り返し、その場で占いを見ていた私だが、Sさんは、私を妹のように接してくれて時々、食事を共にするようになり占い師と客という関係を越えて、互いにの身の上話をするようになっていたのだ。

そんな中で、友人達の占いをみながら疑問に思ったことをよく質問するようになったのだった。質問の内容は、何故そのような捉え方や解釈をするのか?というものがほとんどだった。

その占いは、占いというよりは統計学に基づいて成されていて基本の決まり事をベースに姓名判断をするのである。

姓の合計の画数を「天格」、名前の合計の画数を「地格」、天格と地格の合計を「総格」、姓の下の文字と名前の上の文字の画数を足したのが「人格」、総格から人格を引いたものが「外格」。こうした基本は、以前から知っていたが、それぞれの数字がいくつかになるかで結果が違ってくる。

また、総格と地格の年齢による影響の受け方や人格と外格の重要%などなど、質問しながらいろいろなことを学んで行くことになったであった。

また、ある時は、裏の姓名判断というか「秘技」まで教えてもらっていた。

このように新しいことを聞く度に、知人や有名人やある時は、犯罪者を占っては、確認しながら納得しながら少しずつ、姓名判断の技を伸ばしていたのだ。

それが楽しいし数学の問題を解くように答えがでると「なるほど」と、すっきりするのだ。

こんな楽しんで夢中になれるものが、それまでなかったので私にとっては初めての趣味?となっていったのだった。


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