大学生活1年目を終えて

先週、ついに大学1年目が終わりました。

大学生、特にアメリカの大学生って本当に時間が飛んでいきます。そもそも春セメスターと秋セメスターが15週ずつあるだけで、授業を受けに行くのは合わせても半年ないくらい。そして、学期中はリーディングと課題を無心で追うのが生活の中心で、相手のスマッシュをギリギリで打ち返す卓球を無心でやっているような心理状態です。

だからいま長期休みに入って、ようやくメタになって振り返れています。

初めての海外生活、１学期目は想像と実際の差に本当に落ち込みました。私はマジで英語できなかったし、友達もいないし、その結果、イベントに行く気力も起きず部屋のベッドで日本語のYouTube観るみたいな生活が続きました。

ここまで全部の活力がなくなっていったのは今まで無かったです。今思うと私は転校もしたことないゴリゴリのマジョリティ属性だったので、少数派が未知のコミュニティに入るのはいかに苦労がいるかを分からしめる実体験でした。やる気があっても現状のどこから手をつければいいのか分からなくなったら思考って停止しますね。

日本人の先輩の家でクリスマス・お正月休みを過ごさせてもらい、そこでやっと状況に合わない自分への期待値をいったん捨てると決め、作戦を練った履修をしたり、英語の勉強の時間を毎日取ったり、多分盛り上がらないだろうとわかっていてもルームメイトと遊びに行ったりし始めました。

爆発的な変化はないけど地道に軌道に乗っているのは実感できて、自分の現状を正しく理解するってほんとうに大事なんだなと学び、なんかいけるんじゃないかと思えてきたのがこの頃でした。

そして始まった春セメスター、振り返ればだいぶ成長したなと思います。宿題の多い数学と経済のおかげで一緒に勉強する仲間もできたし、労働社会学の教授ともめっちゃ仲良くなれたし。

特に良かったのはフランスのシャンペーニュ地方のワインをテーマにした人文学の授業です。土地の味を意味する”Terror”とシャンパン作りを照らしながら、人間にとって味わうってなに？をみんなで深ぼっていきました。

私は社会には問題があるから人の手で改善していこうがかなり思考のベースにあるんですが、名称を独占するとか旧来の方法や場所にこだわるとか、もっと柔軟になった方がいいじゃんとつい思ってしまう要素を我が道の“Terror”として誇りにしている姿にコアの価値観がずいぶんと揺さぶられました。

一人ひとりが好きに生きるフィールドとしてあるままに捉える視点を得た上で、中学時代からぼんやりやりたかった社会学を自信を持って専攻に決められたのは大きい気がします。リベラルアーツの醍醐味であり、ビュッフェ形式の特権性というところ。

こう振り返ってみると、①学問の多様性に触れてやりたいことを決めたい　②馴染みない環境で自分をチャレンジしたい　③新しい価値観の影響を受けたいという留学当初の目標は、思わずとも達成されていたのかなと思います。

でも予想外に、人格的な成長で一番大きかったのはアメリカに来たことで分かったアメリカに来てもなお変わらない自分に気づくということでした。ソーシャライズしたい場面でうまく自分出せないのも黙々と本を読むのが苦手なのも、最初はがっかりしてたけどよく考えればずっと昔からそうだったし、逡巡の雲を抜けてこれが自分なのだと納得するようになりました。

こういうのが思春期の終わりなんでしょうか、最近、そういう自分の形質パッケージも、恵まれ過ぎていることに引け目しかなかった社会的ステータスも、持ってるもの全部使って私は行けるところまで行くと力を抜いて言えるようになりました。

誰かの管理下の未成年じゃなくなったのもあると思います。今はただ、やることやって、社会への総合的な責任を果たすためのポジション取りに行って、自分の人生使い倒してもっと生きやすい社会の作り手になる、と思っています。

さあ大事なのは2年目、何も分からなかった1年目とは違って全部わかった状態でやりたかったことを実らせることが務めなので、しっかりじっくりやっていきます。学問は頭を冷たくするには有効ですが心も冷める怖さもあるので、大学バブル外の刺激も積極的に得ていこうと思います。高校時代の願望だった見聞に全振りの留学は今年で区切りにしたいので、その後の身の振り方を考えつつ。

でもその前に、3ヶ月もある夏休み！先週から、2ヶ月の予定でピッツバーグにあるとある産業組合の本部で働いています。大学の卒業生経由のインターンシップで、第一希望だったので嬉しいしありがたいです。そのことと、最後の1ヶ月スペイン巡礼の旅はまた別のトピックで。

じゃ、また頑張ります！！楽しみます！！！