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ペーパードライバー脱出奮闘記③講習編 わたしの場合、自信は安全に繋がる


https://note.com/ka6925/n/n198625cd78b8
こちらの続きです


ハンドルを握りはじめてから50分、公道に出ることになった。
冗談?と思うが「マルチェさんの今の技量なら問題なく出ることができます。隣にわたしもいます。大丈夫です」というサカモトさんの言葉。いつかは通る道。隣には頼もしい師。今日行くしかない。

ところで、今わたしがいるのは立体駐車場の屋上。そこから公道に出ると言うことは、"立体駐車場を出る"というミッションをクリアしないといけはい。
さすがにここはサカモトさんがやってくれるだろ…と思ってたけど甘かった。師は容赦なく「では出口に向かってください!」と言い放った。マジかよ。

しかし立体駐車場の出口のつくりは意外と単純で、平日の昼下がり人も多くない駐車場を下っていくのはそこまで大変ではなかった。
そしてなにより隣にサカモトさんがいてくれている。
「マルチェさん、後ろの車のことは気にしないでください。今マルチェさんはここを出ることだけを考えてください」と声をかけてくれる。これってかなり運転の真理をついているなあと思う。
わたしは周りの目を気にしすぎるあまり目的を見失ったり注意力散漫になることが日常生活でもかなり多い。これは運転では御法度だ。
いま自分にしか守れない安全を自分の手で守ること、それがなにより周りに迷惑をかけないことにも繋がる。

既にハンドルが汗でびっしょりになりながらなんとか立体駐車場ミッションをクリア。公道に出た。しばらく直線の道を走る。

ショッピングセンターからの大きな道は、わたしの住む家にも繋がっている。引っ越して間もない頃、この道を何度も自転車で通った。見慣れた景色がすごい速さで通り過ぎている。わたしが運転している車で。すごいことだ。

直線の道を走るだけなら簡単に思えるかもしれないけど、速度を保つことが意外と難しい。
前を走る車がいてくれたらなんとなく車間距離を保って速度の維持ができるのだが、信号などで先頭が自分になると途端に怖くなる。本当にこの速度で合ってる?わたしが1人でぶっ飛ばしてない?という気持ちになる。(実際は50キロ道路で40キロ足らずしか出してないので遅かった)
速度と緊張で変なアドレナリンが出て声がデカくなる。「サカモトさん合ってますか!?これで大丈夫ですか!?」とものすごい声量で聞いてしまう。サカモトさんはにこやかに「大丈夫です」と返してくれる。(実際前を見ているのでにこやかかどうかは断言できないがおそらくにこやかだったと思う。)

そのあとはカーブを曲がったり右折の練習をしたり。
前半アドレナリンがバサバサ出ていた分の疲労が押し寄せてきた。だんだん頭が回ってこなくなるのを感じる。サカモトさんに休憩を要請し、近くのコンビニの駐車場へ。ちなみにわたしは駐車の方法が全くわからないので、駐車のハンドル動作全てをサカモトさんが行ってくれた。
持参のお茶を飲み、しばし休憩。そしてサカモトさんが優しくフィードバックしてくれた。

わたしは"左に寄る傾向がある"。対向車を気にしすぎていて、道路の左に寄ってしまいがち。全然ぶつからないので、もっと中央を走ることを意識した方がいい。左足を道路の中央に置くイメージで走ってみるとよい。

そして運転再開。さっきの言葉を意識しつつ、これはさすがに右に寄りすぎだろ、ぶつかるだろ…とおもう。しかしチラッと右のミラーを見ると、中央線からだいぶ余裕がある。本当だ…。
こうやって自分の車幅感覚の修正をしていくんだな。
サカモトさんは「対向車にぶつからないようにするのではなく、自分が真ん中を走るということに集中してください。対向車を意識しすぎないことです」と言ってくれた。
まただ。相手のことを気にしすぎず、自分の正しいと思ったことを行う……わたしの苦手なこと。これもしかして運転しながらサカモトさんにカウンセリングをされているのか?

講習に戻る。直線道路を走り続け、センターを走る感覚がだいぶつかめてきた。「今センター走れてますか!?」とデカい声で何度も聞くわたしにウンザリせず優しいレスポンスをくれるサカモトさんのおかげだ。

そこからはひたすら右折の練習。あのね、世の中の運転する人たちに伝えたい。スムーズに右折できるって相当すごいことですよ。
対向車と歩行者がいて信号というタイムリミットがある中、後続車も続いている状況で自分のタイミングで飛び込むの恐ろしすぎる。これ、小学生の頃苦手だった大縄跳びに似ている。タイミングをはかり、はかりすぎるとどんどん入れなくなって、後ろの人の圧を感じて……。
しかし後続車のことをプレッシャーに感じすぎてはいけない。それは右折のタイミングの判断に必要な要素ではない。歩行者信号から早めにタイミングを予測し、カーブの先にある自分がたどり着く場所を広い視野で捉えて軽くアクセルを踏む。ひたすら繰り返していくうちに自信がついてきた。

なめらかに右折ができるようになってきたところで終わりの時間に。近くのコンビニの駐車場で運転席を交代。
サカモトさんとこれからの講習の見通しについて相談する。わたしの今のペースだとあと2回は講習を受けることをオススメするとのこと。もう少し道路を走る練習と駐車の練習が必要になる。
安い買い物ではないけれど、ここで期間を空けるとまた勘を鈍らせてしまうだろう。2週間ほど後に次回の講習の予約をして、サカモトさんが自宅近くまで送迎してくれた。感謝を深々と伝え帰路に着く。

頭と体をフル活用してどっと疲れた。へとへとでベッドに倒れ込んだけれど、心は充実感でいっぱい!

自分で運転をした。道路を走った。信じられない。嬉しすぎる。
まだまだだけど、わたしにもできるのかもしれない。自分の世界を広げることが。

そしてサカモトさんからメールが届いた。次回の予定の確認と今日の簡単なフィードバックが記されている。そしてサカモトさんの趣深い手描きフリップの画像データまで送ってくれた。
メールの最後はこう締め括られていた。

「マルチェ様はお気持ちや感じたことをたくさん伝えてくださるため、運転を教えやすいです。次回も一緒に頑張りましょう」

もう、あなたに!!!付いていきます!!!!
ポジティブな想いを積極的に伝えてくれる人ってなんて素敵なんだろう。自動車学校に通っていた頃こんな人に出会えていたら…と思うけれど、わたしにも人の優しさに気づく器が備わってなかったのかもしれないよね。

とにかく自分の運転に対してネガティブな印象で終わらなかったことは初めてだ。
運転には冷静さが必要不可欠だと思うんだけど、わたしが冷静になるためにはある程度の自信が必要。必要以上に怯えながら運転することは注意力散漫に繋がる。わたしにもできるかも、というこの気持ちを大切に育てていきながら、もちろん気を引き締めながら、運転練習に励んでいきたい。

ちなみに今のわたしが運転の練習をしたのはここまで。月末にある講習後にまたレポートを書けたらいいな〜!読んでくれてありがとうございます!頑張るよ〜!


運転できるようになったらかけたい曲

Hi! Lonely /チャラン・ポ・ランタン

お天気のいい昼下がり、ももちゃんになりきって歌いながら運転したいな〜!

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