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これまで観た歴史映画の備忘録

先日、タイッツーで歴史映画が話題になっていた。

歴史映画・・・・・・う~~ん?
あっれ、私、思ったより観てなくないか?

どちらかというと私は時代劇が好きなのだ。たぶん。
歴史映画と時代劇の違いはなんだろう。
感覚としてはなんとなくわかるんだけど。

まあそこは置いといて。

せっかくの機会なので、必死に記憶を手繰り寄せたら両手で数えられる程度には歴史映画っぽい作品を嗜んでいることがわかったので、今のうちに備忘録をつけておこうと思いました。

詳しい時代が舞台のものとそうでない作品で感想の尺にあからさまな差がありますが(笑)
*作品は発表順ではなく舞台となった年代順にならべてみました。
*『ラストエンペラー』は大抵の方が観てると思うので割愛。


邦画

やっぱりチョイスが時代劇寄りかもしれない。
若干時代劇っぽいのが混ざっているのは見逃してほしい・・・・・・。
『源氏物語~千年の謎~』とか『十三人の刺客』(2010年)とか野村萬斎の『陰陽師』とかは今回外しています。歴史映画・・・・・・とはちょっと違う気がして。
だいたい戦国か江戸時代しか観てない。

清須会議(2013年)

原作・脚本・監督は三谷幸喜。キャストも安定の三谷ファミリーで構成されており、観る前から安心感のある作品。
1582年・本能寺の変で信長が自害したのち、織田家の後継者と領地の配分についての話し合いがおこなわれた。家老たちはそれぞれ異なる人物を後継者候補として推薦するが・・・・・・。
殺陣のようなダイナミックな見せ場はないものの、柴田勝家や豊臣秀吉といった誰でも知っている武将たちが、ああでもないこうでもないとコミカルに悩み、小競りあう様子がとても面白い。場面はほとんどお城のなかなので(だったと思う)、画面は今一つパッとしないのだが、高いギャグセンがこれをカバーしている。
しかし、三谷作品をしこたま観てきた人にとっては、若干の飽きを感じてしまう作品だったのではないだろうか。まあ、心配しなくてよい。この数年後、鎌倉殿の13人というこれまた高いギャグセンはそのままに、素敵で心温まる大河ドラマが放送されるのだから。

のぼうの城(2012年)

主演が野村萬斎で主題歌エレカシとか最高でしたね・・・・・・。
豊臣秀吉が天下統一を目前とした1590年の小田原討伐
小田原城の支城であった忍城の領主一門である成田長親が、石田三成率いる大軍に立ち向かう。武勇や智謀を持たず「のぼう様」(でくのぼう)と呼ばれた長親であったが、彼は民から絶大な人気があって・・・・・・。
劇中では野村萬斎が田楽踊りを披露。
室町期から安土桃山期の時系列とか戦国大名にはまったく明るくないうえに、同時代の戦のテクニックとかよくわからん私でも楽しめる作品でした。

引っ越し大名!(2019年)

いろいろ落ち込んでいた2019年、大学のパイセンが私を労ってデートに連れ出してくれたときに観た映画。私はこれで高橋一生を知った。
生涯のうち何度も国替えを命じられた殿様・松平直矩(1600年代に実在した人物)がふたたび国替えを命じられ、藩内は大混乱・・・・・・というお話。江戸時代前期、1600年代の半ばくらいが舞台。
私は日本史に弱いのですが、こんな頻繁に国替えされることって実際あったんですねぇ。現代の都道府県知事が交代です~とかそういう話じゃないんですよね。家来とか家財とかまるまる運び出すわけなので費用がかさむが、藩の財政も潤ってるところのほうが少ないわけだし。
何を取って、何を削るか。誰を選んで誰を置いていくか。置いていかれる側の家来は、その後どのような生活をしていたのか・・・・・・決断を迫られる優柔不断な引っ越し奉行・春之介を星野源が、美しいお殿様を及川光博が好演。
基本はコメディなんですが、シリアスもありバトルもあり、、私好みでした。

超高速!参勤交代(2014年)

脚本・原作が引っ越し大名でおなじみの土橋章宏、というか制作順としてはこっちが先。
佐々木蔵之介が主演だと?観るしかないでしょう。
時は享保というので1700年代頃かな、和暦弱い民なんですよ。引っ越し大名の国替えほどではありませんが参勤交代のしんどさは日本史の授業でも散々取り上げられており有名な話でしょう。これに実際の史料に基づいたうえで人間模様を入れ混ぜながら再現すると生々しさが伝わってきますね。全体としてはライトな感じでほどよくコメディに仕上がってて入りやすいです。
リターンズもあったようですがあれは観てないんだよなぁ。
この頃から武士の家計簿やら利息でござるやらなんやら、江戸時代の史料を題材にした映画が目立つようになった気がする。このちょっと前は時代物といえば恋愛系か戦国ものだった記憶。

大河への道(2022年)

私はよく伊能忠敬と井伊直弼を混同するのですが、こちらは伊能忠敬の話。日本地図を作ったほう。伊能忠敬を大河ドラマの主人公にするべく奔走する市役所の職員(中井貴一)と、じつは日本地図を完成させていなかったかもしれない伊能忠敬とその弟子たちの奮闘をコミカルに描いた話。
教科書に出てくる偉人としてなじみが深いので、学生でも楽しめるんじゃないかな。現代と江戸時代の1818年、ふたつの時間軸を行き来する構成が、歴史をより身近に感じさせてくれます。
・・・・・・歴史系の邦画、コメディしか観てないのだろうか私。

武士の家計簿(2010年)

原作は歴史学者・磯田道史著の一般書。
1800年代半ば、加賀藩の「御算用者」をになっていた猪山家の八代目・直之は、父とともに勘定役として藩の不正を見つけるも揉み消されてしまう。その後、紆余曲折を経て不正を暴いた功績が認められるが、今度は猪山家の家計が火の車であることが発覚し・・・・・・。家計簿をつけながら質素倹約に励んだ直之の人生を追う物語。
「御算用者」ってなんやというと、要するに武士がそろばんはじいているわけですね。日本史的に武士がそろばんをはじくというのはカッコ悪い、みたいな価値観があったようで、同時代でも直之は周囲から「算盤馬鹿」とからかわれたうえに、必死でそろばんを教え込んだ息子からも距離を置かれてしまいます。おぉ、カルチャーショック!
琉球では、士族に求められた十二芸に「算勘」が含まれていました。まあ、琉球士族は武士ではありませんし、業務上商人レベルの計算応力が求められましたので、そもそも環境が違うのですが。。同じアジアでも国が違うと価値観も異なってくるのですね。
そんな直之を堺雅人、彼を支える妻を仲間由紀恵が演じています。

<番外編>歴史ドラマと時代劇とか

映画だと思ってたらテレビのスペシャルドラマだったり時代劇っぽかったりしたもの、中途半端に観て頓挫した作品たち。
大河ドラマは省く。

杉原千畝の映画&ドラマ
昔、テレビで流れてた杉原千畝の映画観たよなぁって思って調べたらなんか杉原千畝の顔が違う。。あっれ?反町隆史だったはずがどうして唐沢寿明に??織田信長と前田利家くらい違うな?あっれ?って思ったら、私が観たのは長編のテレビドラマだったんですね。唐沢版の杉原千畝は観ていなかったのだ。

◆反町版:日本のシンドラー杉原千畝物語 六千人の命のビザ(2005年)
◆唐沢版:杉原千畝 スギハラチウネ(2015年年)

レンタルだがアマプラにあるようだ。機会があったら観てみようかな。
杉原千畝は小学生のころに伝記やら関連書籍やらをたくさん読んだので。

大名倒産(2023年)
縁あって百姓からド貧乏藩の殿様になってしまった青年・小四郎の奮闘記。時代背景は引っ越し大名よりちょっとだけあとの文元年間
ちょっとばかりテンポの悪い構成が俳優さんたちの演技力で上手くカバーされてた感じ。中だるみが若干あって120分は長く感じてしまった。
背景は最近流行りのコントラスト強めでのっぺりしたCGを感じたけど、キャストの演技や話の流れが自然だったので悪目立ちしてる感じはなく。
背景も衣装も全体的に彩度高めだったけど、ライトな演出とマッチしてて不快感なく観れました。
超高速参勤交代や武士の家計簿、引っ越し大名履修済みだと、テーマや駆け引きに新しさは感じられず。。原作読んだら違うのだろうかと思ったが、調べてみると原作は原作で人を選びそうだなとも。

テンペスト(2011年)
学生時代、授業で超早送りで視聴させられた作品。NHKのBSで放送されてた連ドラです。
時は近世琉球末期の1800年代、聡明な士族の娘・真鶴が宦官として王府の政治に関わっていく波乱万丈宮廷物語。仲間由紀恵さんが主演ということで大きな話題になりましたね。
大河とか時代劇というより韓国の宮廷ものっぽい感じなので(チャングム)、ごりごりマッチョ近世史を感じたい人には不向きかもしれない。あと琉球に宦官はいなかった・・・・・・。時代考証は上里隆史さんという実力派の歴史研究者(今は半ば引退されているもよう)が担当されています。
色鮮やかな紅型衣装や日頃は見慣れない琉球の装束、真っ赤な首里城など、県外の方々にとっては物珍しく興味を引くきらびやかな画面になっていたと思います。ただ、王府の行政文書や士族の日誌を読むと、こういう「なんかすごそうな人間ドラマ」より、市井の人々の面白仰天エピソードをドラマ化してくれないだろうか、とないものねだりのフェーズに入ってしまうのですよ。。(自分で書け)
授業中、とにかく受け持ちの先生が早送りをしまくったせいで全体の印象がとても薄いのですが、なんだか途中で火の玉みたいなのが飛んでったの覚えてます。唐突なスピリチュアル感。

洋画

思い出してみればなぜかドイツ映画が多め。学生時代、エロイカより愛をこめてとかドイツの演歌(?)歌手Max Raabeとかにはまっていた影響かもしれない。
世界史Aしか取ってなかったのであまり詳しくないです。

バトル・オブ・ライジング(2013年/仏・独)

コールハースの戦い。原作の小説を読んでないからわかりませんが、舞台は16世紀、実在したらしい商人をモデルにした主人公コールハースが貴族の横暴に楯突く話。序盤は結構静かで淡々としている。画面上で起こっていることは激しいんだが。
デンマーク産金たわしを拝見できるちょっとディープなシーンも。主演…?もちろんマッツ・ミケルセン。

Ludwig II(2012年/独)

ルーマニアからやってきたドイツの股下100m俳優、ザビン・タンブレア主演。
1800年代後半のバイエルン王国。狂った王様、あるいはルートヴィヒ2世が狂気に蝕まれるまでのお話。。世界史の教科書や資料集でおなじみのハンガリー王妃エリザベートも登場するので、学生時代に世界史履修してたらテンション上がるかも?画面が美しいです。美しさと狂気って隣り合わせなのね。
ネタバレになりそうですが、最後の展開が八代将軍吉宗の西田敏行登場シーンくらいびっくりしちゃうのでお気をつけあそばせ。

Der rote Baron(2008年/独)

レッド・バロン。
ドイツ語の実習で観たのかな……?
舞台は第一次世界大戦中のフランス。若くして空に散ったドイツ軍のエースパイロット、マンフレート・フォン・リヒトホーフェンの伝記映画。伝記映画は歴史映画に入るのだろうか?
結構昔に観たので細かに覚えてはいないのだけど、リヒトホーフェンが「戦闘機で飛びたいだけ」、「勝負に勝つ=相手を殺す、ではない。戦争はおかしい」というようなことを端々で言ってた気がする。戦争が激化する前に撃墜させた敵パイロットを助けに行くシーンがあって、このあたりとても印象に残ってる。
マティアス・シュヴァイクホファーは最近だとかのオッペンハイマーにも出てたらしい。いろいろありましたが観てみるかなぁオッペンハイマー。

英国王のスピーチ(2010年/英・濠・米)

コリン・ファースハマりかけのときに観た。キャストがまず豪華なので、歴史興味なくても映画館行ったという方は多かったのではなかろうか。話題になったよね。吃音に悩まされるイギリス王ジョージ6世とオーストラリアの言語療法士ライオネルの友情の物語。はじめは半信半疑で話を聞いていたジョージ6世が、徐々にライオネルと信頼関係を築いていく過程が丁寧に描かれています。まあ映画なんで多少の脚色はあるでしょうが、心温まるお話です。
そういえばライオネルを演じたジェフリー・ラッシュはオーストラリア出身なんですよねぇ。私と同世代だとだいたいバルボッサ役が初見では?『パナマの仕立て屋』とか『鑑定士と顔のない依頼人』とか観たなぁ。
WW1あたりの話だけど戦争描写が苦手でも観れるし(空襲警報が鳴って地下に避難するシーンが若干あるくらい)、オーソドックスな伝記映画って感じする。
そして伝記映画と歴史映画の違いとは……?

INVISIBLE(2001年/独・英)

邦題『神に選ばれし無敵の男』。
海の上のピアニストでおなじみティム・ロスが手品師ハヌッセン役で主演、ナチス台頭期のワイマールに実在した怪力芸人シジェの話。平凡な鍛冶屋の息子だったシジェが、芸人としての露出が高まるとともにハヌッセンやナチスの目論見に巻き込まれていく。この作品の公開より10年ほど前にハヌッセンの人生を描いたドイツ映画もあるようなので、機会があったら観てみたいなと思っている次第。
とくに目立った大げさなアクションシーンとかはなかったと思うんだけど、いろいろモノホンにこだわった作品だったと思う。シジェ役は重量上げの選手を起用、物語のディテールを担うピアニストや歌手役には国際的なピアニストや実力派の歌手を招いている。
まあ、私はそのうちの一人マックス・ラーベ氏の姿を拝みたくて視聴したわけだが。日本では10年以上前、ニコ動で「ドイツの歌姫紳士」として名を馳せたドイツの演歌歌手マックス・ラーベ氏。柔らかく伸びがあり眠くなるような歌声と愛らしい顔芸でコメディ溢れる歌詞さえも美しく歌い上げる超実力派。おもにワイマール期のような音楽をテーマに活動している方なのだけど、オールディーズからブリトニー・スピアーズまでカバー曲の射程範囲が広すぎることで有名。パラストオーケストラなる楽団を率いて2024年現在も活動中なのでぜひチェックをば。

Flammen & Citronen(2008年/丁・捷・独)

邦題は『誰がため』。ナチス占領下のデンマークでナチス協力者を暗殺する任務についた地下組織のメンバー、フラメンとシトロンの話。
落ち着いた雰囲気のシトロンに対して若さと血気あふれるフラメンのアンバランスなバディの対比が良い。銃撃シーンが多いので注。主演はもちろんマッツ・ミケルセン。

Das Leben der Anderen(2006年/独)

邦題『善き人のためのソナタ』。冷戦期東ベルリンの話で、シュタージの局員・ヴィースラーは、反体制の疑いがある劇作家とその同性相手の女優を監視することになる。しかし、ヴィースラーは盗聴器を通して聞こえてくる彼らの世界に共鳴していき・・・・・・。冒頭の拷問シーンで嘘付いてるやつは泣きはじめるみたいなこと言ってたのが印象的だったけど、いかんせん学生時代に観たので詳細までは記憶に残っておらず。。友達や彼氏彼女、家族までも信用できない時代だったと聞きます。おっかないね、という他人事のような感想を、私たちはいつまで持っていられるのでしょうか?

Hannah Arendt(2012年/独・盧・仏)

第二外国語の研修かなにかで観たけどざわついてる中で観たから記憶がおぼろげ。
第二次世界大戦中、ナチスの収容所から脱出しアメリカへ亡命したユダヤ人哲学者、ハンナ・アーレント。1960年代初頭にかの戦犯アドルフ・アイヒマンが逮捕され、アーレントは彼の裁判に立ち会う。しかし、その後、彼女がザ・ニューヨーカー誌で発表したレポートは大きな波紋を呼ぶ内容で・・・・・・。
アイヒマン・ショーは観てないけど、併せてみるといいのかな??
しっかしこれまで観た歴史映画の傾向が偏っている

***

と、タイッツーで呟き散らかしたものを一通りまとめてみました。
いざ、ちゃんと映画を紹介しようとするとあらすじをまとめるのが大変ですね。ゆるい備忘録程度に留めようと思っていたのに・・・・・・。

いろいろと映画を観たのはやはり学生時代が多かったなぁと思います。

心に余裕があったわけではありませんが、何かしらそういう機会を与えられることが多かったというか。

最近はアマプラにも入っているので、TSUTA●Aやゲ●に行かずとも映画を観れるというのに意外と観ていない。もったいないので、今年の夏は自主的に映画月間を実施したいと思います。

そういえばRRRは歴史映画なのでしょうか?
アツくてとても良かったです。

おわり。

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