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「嬉」は新しい時代の漢字?!

今年から、子供が小学校に通い始めました。小学校に入ると「漢字」を学び始めます。学習している様子をみていると、

小1で学習する漢字がわかれば、どれくらいの文章を読めようになるんだろう?

と、ふと思いました。
もちろん、みる媒体によって変わりそうです。例えば、新聞とTwitterでは、結果が変わりそうです。

ということで、本投稿では、私達がよく使う「漢字」について、書いていきます。

小中学校で学習する常用漢字2,136種類の漢字をもとに調査します。常用漢字とは
「法令、公用文書、新聞、雑誌、放送など、一般の社会生活において、現代の国語を書き表す場合の漢字使用の目安」として内閣告示「常用漢字表」で示された現代日本における日本語の漢字で、義務教育の各過程において
・小学校1年生:80種類
・小学校2年生:160種類
・小学校3年生:200種類
・小学校4年生:200種類
・小学校5年生:185種類
・小学校6年生:181種類
・中学校3年間:1,130種類
の計2,136種類を学びます。

常用漢字は、常(つね)に、用(もち)いる漢字と書くので、「よく使う漢字は低学年で学習するの?」や「常用漢字を知っていれば、大半の文章を読むことはできるの?」といった疑問もあります。

さぁ、見ていきましょう。

Twitterにおける漢字の利用状況

まずは、日常使用する言葉に近い、Twitterに含まれる漢字から調査します。
利用したデータは
2020/9/20にあったツイートのうち、いいね数が10以上、漢字と平仮名が1文字以上含まれるツイートをランダムに抽出し、ツイートに含まれる、漢字3,107種類、474,926字を利用します。

結果です。
1. 頻出漢字トップ50

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時間を想像する漢字が上位に出現しています。
このよく出現する漢字50種類を知っていれば、Twitterの何%を読むことができるのでしょうか?

2. 出現回数が多い漢字は、全体の何%を占める?

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先ほど紹介した、Twitterによく出現する漢字50種類で、なんと、全体の約30%を占めています。また、よく出現する上位20%にあたる、約500種類の漢字で、全ツイートに出現する漢字の約80%を占めます。

頻出の500種類の漢字を覚えて入れれば、約80%のツイートを読むことができます。つまり、出現する漢字には、偏りがあります。

では、これらの漢字500種類はいつ学習するのでしょうか?

3. 頻出漢字を学習するタイミング

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小学校までに習う漢字で、90%弱を占めます。
初期に学習する漢字は、全ての基礎になり、大切だということですね。

では、高校以降に学習する漢字(常用漢字以外の漢字)で、頻出の漢字とは、どのような漢字があるのでしょうか?やはり、難しい漢字なのでしょうか?

4. 中学生までに学習しない漢字は?

2,136種類もある常用漢字には含まれないが、上位500位にランクインする漢字には、
・嬉
・繋
・垢
・綺
があります。
嬉しい(うれしい)という感情表現で使う「嬉」、人との繋がり(つながり)の「繋」、Twitterならでは(?)の「垢」、綺麗(きれい)の「綺」がランクインしています。
決して難しい感じではないですよね。特に「嬉」は、上位100位にランクインしています。
嬉しいというポジティブな言葉や、大切な人との繋がりに利用する漢字は大切なので、しっかりと自分の手でも書けるようにしたいと思います。

Twitter以外の媒体について、確認します。

文部科学省のレポートにおける漢字の利用状況

では、文部科学省(MEXT)が発表するレポートではどうなのでしょうか?
今回は、「平成30年度 文部科学白書」の「第2部 文教・科学技術施策の動向と展開」の文章に含まれる、1,517種類、151,056字の漢字を利用します。

1. 頻出漢字トップ50

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Twitterの結果とは異なり、学術に関連しそうな漢字が上位にランクインしています。どのような漢字が使われるかをみれば、大体のトピックについて、推測が可能かもしれません。

2. 出現回数が多い漢字は、全体の何%を占める?

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Twitterの結果よりも、偏りが大きいことがわかります。
これは、Twitterよりも、トピックが限定されていることが原因ですね。ただし、上位20%の漢字で全体の80%程度をカバーするという傾向は変わりません。

3. 頻出漢字を学習するタイミング

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Twitterの方が低学年で学習する漢字を多く含む傾向にありますが、小学校で学習する漢字で90%を占める傾向は変わりません。

4. 中学生までに学習しない漢字は?

上位500位に、常用漢字以外の漢字は出現しませんでした。
このような公的文書は、やはり常用漢字を意識しているのでしょうか?

日本経済新聞における漢字の利用状況

最後に、日経に出現する漢字の確認をします。
日本経済新聞のWebページ速報ページにでてくる記事に含まれる、1,992種類、130,828字の漢字を利用します。もちろん、取得タイミングによって、内容が異なるので、多少結果は変わりますが、傾向を確認する目的で利用します。

1. 頻出漢字トップ50

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経済情報だと思って、見れば、「円」「米」「政」「経」などは、そうだな〜、と感じます笑

2. 出現回数が多い漢字は、全体の何%を占める?

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日経とTwitterが似たような傾向になっています。
やはり、トピックが特定ではなく、ランダムなトピックになると、傾向は似てくるようです

3. 頻出漢字を学習するタイミング

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こちらも似ています。小学生で学習する漢字が大切だということがわかります。

4. 中学生までに学習しない漢字は?

「菅」総理の「菅」は常用漢字ではありませんが、「菅」以外は、常用漢字のみです。やはり、公共的なメディアで利用する漢字は、常用漢字が主になるのでしょうか?

まとめ

各媒体で共通していることは
・出現上位20%の漢字で、約80%の漢字を占める
 → 出現する漢字を確認すると、おおよそのトピックが推定できそう?
・小学校までに学習する漢字で、約90%をカバーしている
 → 小学校ではどの媒体でも文章を読むために必要な漢字を学び、その後、各分野に特徴的な(各分野で頻出する)漢字を学ぶ体系になっているようです。
・Twitterには、常用漢字でない漢字が出現する
 → 個人が情報(文章)を発信できるようになった現在、出現する漢字の幅が増えている
 → 常用漢字を見直すタイミング?

以上です。

漢字のトレンドにも、SNS時代が反映されていて面白いです。

それでは、また。


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