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先祖の供養をどうすんねん…という話 関西バージョンその2

わたしの父親は、THE 長男という感じで、家業も生家も当然のように引き継いできた。
祖父母は明治末期&大正初期の人なので、深く考えずバリバリの家長制度、長男・男児万能説のもとに子どもを育ててきたのだと思う。
そのせいか父親は、大変無神経な性格で、周りの人に気をつかうということができない。今のオジイサン世代にはありがちで、男は細かいことは気にしない!忖度してもらうのが当然!という次元で生きてきたので、ある意味こんなもんなのかもしれないが。

が、周りで生きている人間は、めっちゃ迷惑である。
A伯母の気持ちも、0.05パーセントぐらいは理解できないことはない。
自分は長子なのに、女というだけで何も手にすることは出来ず、長男長男と、弟は男というだけで何かと優遇される…。そりゃあ腹立たしいことこの上ないだろう。

うちの家族だけかと思っていたが、前の夫の家族も、今の夫の家族も、親世代で長男以外は皆、似たような屈折した気持ちを抱えていた。

親は、長男もしくは男児を優遇するならば、対価として、その子になんらかの責任や義務を負わせなければならないし、他のきょうだいに不平を感じさせない姿勢でのぞまなければならない。
長男側も、優遇されている自覚を持って生き、それだけの責任を果たさなければならない。

わたしの親は、わたしから見るとそこまで自覚が無かったように見えるし、思慮深くなかった、まだ生きてるけど。
伯母や他のきょうだい、親族は腹立たしかったのだろう。わたしは幼いころ、かれらに辛くあたられた経験がある。
「お父さんは長男やけど、あんたは女やから、婿を取らな、価値はあらへんな。せいぜいがんばって、ええ婿養子を見つけな。」
と、言われ意味もわからず悲しかったことを今も忘れない。
誰も、誰かの気持ちを深く考えていなかった。長男は優遇してされて当然、教育など施さなくても自然に立派になると思い込んでいたのか。
結果的に、85歳の伯母は今も拗らせたままだ。
DV夫を「家長なんだから立派な人間なはず」と立てて立てて挙句にストレスでボケてしまった母側の伯母も、似たようなもんである。

話はそれたが、そんな無神経父なので、鬱屈した伯母の気持ちなどわかるはずもなく、あっさり墓の名義変更に応じたそうな。

「やるなあ、A伯母、めっちゃおもろいなあー!」
と率直に思った。
S太に負担がかかるなとか、本人に了解とってからとか思わないんかね(笑)
無神経父が、自分のことしか考えていない性格なら、伯母も自分のことしか考えていない。

かくして、関西の祖父母の墓の今後に関しては(今のところ)我が家とは無関係になった。
今のところ、と書くのは、わたしの夫が
「オレがS太くんなら、親が死んだら長男の伯父の関係者に連絡して、引き取ってもらうわ。だって墓の意味合いから考えると、独身やったら、よほど責任感の強い人じゃない限り、子どもがおる親戚にってなるやろ、やっぱり…。」
とか言い出したからだー!


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