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勉強の為にライトノベルを読む②

続きました。

序文

中学生時代に大好きだった作家さんのファンタジーバトル系ラノベを教材とする。
勉強になりそうだなと思ったことを好き勝手に走り書きする、自分用の勉強ノート。
※あくまで自分用なので、読む方は「ふーん」くらいにお読み下さい。

本文

書き忘れていたのですが、元々「ラノベの戦闘ってどうしたらいいの?」をテーマにして始めたので、そういう着眼点でメモを取っています。

①で言っていた長回しの戦闘描写を読んで思ったこと。
改行が凄く多い。半ページから3ページの間に必ず行間が空く。ダッシュと三点リーダーの多用。結構特徴的な擬音がたっぷり使われている。例えや比喩が多い。地の文に前置き無くモノローグ。
総じて、
「ネット上にごろごろ転がってるファンタジーバトル系と似てる!」

「何を当たり前の事を」と思われそうな話だけど、自分の中のバトル系ラノベ(中学以来ご無沙汰)が美化されていて、何かこう、突出した超絶技巧みたいなものを想定していた。
えっ、これでいいの?(①でも言ってた)

もちろんプロなので読みやすい。テンポは非常に良いし、戦闘自体の流れが洗練されている。主語が必要最小限になるまで削られているけれど読んでいて「ここ誰のセリフ/モノローグ?」となることは無いし、キャラ造形が伝わりやすい書き方をされているので映像に起こしやすい。基本言葉が平易なので感情移入もしやすい。
でも、文章としては、綺麗! 格好いい! という読み味では無い。漫画かアニメのノベライズを読んでいるような感覚。
でもそうか、それでいいんだ、ラノベってそういうものだ。

自己分析みたいなもの

これを機会に、自分の好みと向き合った方が良い気がする。

戦闘のある小説、直近で読んだものだと……直近……ああ駄目だどうしよう何にも思い浮かばない……。
ここ数年は凪良ゆうとか辻村深月とか村田沙耶香とか、いわゆる人間ドラマ系ばかり読んでいるので、バトル描写が本当に何も残っていない。強いて言えば西尾維新の『キドナプキディング』などを読んだけれど、西尾維新は教科書にするには強すぎるので一旦置きます。

ネット小説で戦闘描写があるものだと、Aiinegruthさんの『空を嫌う人たち』がめっちゃ好き。読んでいて「これはジブリの戦闘だ……他のラノベとは画風が違う」となったので参考にはできない。壮大で緻密。スケールの大きい作風がちゃんと重みを持っているので読み応えもありつつスピード感は失わない。とてもすごい。
(ファンの感想なので偏りがありますが面白いので皆読もう)

自分の中で、本格SFっぽいものを求めているのかもな~、と思った。
ちょっと飛躍した例えかも知れないけど、福岡伸一氏の『生物と無生物のあいだ』(浅学な揺井でも知っているくらい有名な生物学の本。難しいことが分かりやすく書いてあって面白い)が読み物として優れているような感じで、機能美と文学的表現って両立するので、そういうのが自分の好みなんだと思う。

でも基本、ラノベってジャンクなものだよなとも思う。

先程も触れた西尾維新なんかは「ジャンクフードのチェーン店」だと思っているので、ジャンクな表現が気にならない。むしろ「ジャンクなのに何か高級感がある!」やら「描写が乾燥している、軽いのに重い!」やら良い印象がある。ワードが強くていちいち格好付けているのも、中二心がくすぐられて非常に満足感がある。子供舌に嬉しい味付け。

今、別のラノベ大御所作家に感じているチープさと、この違いは何だろう。

一因として、三人称で表現が柔らかいのが自分的に許せないんだろうな、と思う。
一人称が柔らかいのは全然良いけど、三人称って本来は俯瞰なんだもの。自分の持つ印象としては、戦況や情勢がごちゃごちゃしやすい歴史物・軍記物に多い気がする。
カメラが映す「事実に限りなく近い景色」として受け取っているので、そこに感情が無造作に突っ込まれるとチープさを感じてしまう。描写に筆者の感想をあんまり混ぜて欲しくない、写実的であって欲しい。

でもそれって個人の感想で……長尺で読んで貰うなら絶対負荷が少ない方が良くて……書く側も疲れないのが良くて……。感情的表現・チープな表現ってコスパがめちゃくちゃ良い。究極的には2chのSS掲示板みたいな削りまくったものでも「面白い」は生み出せる。必要な場所以外の解像度を下げるのって、技法として合理的な気がする。

今の自分自身にスタミナが無いので、プロの文章から学んだ方が良い。
ちまちま「何か表現が……もっと適切な描写が……」と直しまくるのを止めて、最後まで一気に勢いで書いちゃう、を一回やってみようと思う。

おしまい!

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