伊豆縦貫道がもたらした明と暗

静岡県の東名高速道路沼津インターと下田市を結ぶ高規格自動車専用道路。初めて開通したのは1992年で、現時点では月ケ瀬インターまで開通している。開通前までは国道1号を経由していた為、休日の沼津市内では深刻な渋滞が発生していた所、沼津市内を介せず無料の高規格道路にて、伊豆長岡まで抜けられるようになった画期的な道路である。しかしながら、沼津市内を介せず通過できることから、観光の流れに大きな変化が近年発生している。

沼津ぐるめ街道と沼津港の位置関係

沼津港は清水や焼津と並ぶ静岡県を代表する観光漁港であるが、沼津インターと沼津港は一直線で結んでおらず、お世辞にもアクセスが良いとは言えず、伊豆半島から沼津港を経由して帰路に至るケースはあまり多くない。
そこで補完されるように立ち並ぶのが、国道1号線と沼津インターを結ぶ連絡路に立ち並ぶ、沼津ぐるめ街道であり、両サイドには温泉施設や飲食店、干物店などの土産店が立ち並び、観光バスなどの立ち寄りスポットにもなっているが、近年変化が現れている。

沼津ぐるめ街道。両サイドに土産物店が並ぶ

道の駅伊豆ゲートウェイの登場


道の駅伊豆ゲートウェイ。左上には川の駅も隣接新設された

道の駅伊豆ゲートウェイは2017年に開設した、静岡県でも比較的新しい道の駅である。
開業当時はセブンイレブンを含む単独施設であったが、その後、民間単独施設の「かねふくめんたいパーク」がオープンし、直近では「伊豆わさびミニミュージアム」がオープンし、いつの間にか伊豆土産が一箇所で揃う巨大施設に拡大している。

大洗に次いで出店しためんたいパーク

後に続き出店した伊豆わさびミニミュージアム

店内では孤高のグルメでおなじみ(系列ではない)わさび丼も食べられる


伊豆縦貫道→東名へ直接乗り入れる車両が増加

伊豆縦貫道も沼津インター付近は4車線に近年拡幅されたが、一部二車線区間が残り、休日の夕刻には伊豆縦貫道本線も、伊豆中央道付近まで長い車列が伸びることも日常茶飯事になり、街道沿いの同駅の利用率も激増し、お土産類も揃う為、わざわざ沼津インターで下車してお土産を買い直す車も少なくなっているのも現実問題である。


半島の交通の宿命。行楽の夕刻には縦貫道もかなり渋滞することも。

今後の課題と対策

これには、打つ手はないかと思うと、ひとつ大きなヒントが隠れている。
伊豆縦貫道の利点は、通行無料なことにあり、東名との接続点での沼津で下車しても通行料金が課金されないことだ。新直轄道路などの利点は、途中下車の回遊性が高いという部分にもある。


ただダブルインター構造のため周辺道路は確かにわかりにくい


だが東名出口の巨大看板には、ぐるめ街道の愛称案内も

沼津がさらに栄えるには、インターと沼津港を一直線または分かりやすく結ぶ道路は残念ながら事業化はもとより、計画さえないのも事実だが、伊豆縦貫道の4車線化により、渋滞が解消されれば、一旦沼津で下車をして、ぐるめ街道を回遊する車両も増えるかもしれない。

今後の課題はインターと港のアクセス。直線道路がない&駅前を通過&駐車場不足となってるので、休日は市内は大渋滞。ここをいかに解消するかが鍵となる。

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