見出し画像

宵待草のひと─竹久夢二「宵待草」に寄せて─

「宵待草のひと」つきの

貴方のことを今でも想い出します
一夜限りに散っていくあの儚い花と共に

浜辺を並んで歩きながら沢山の話をした
時間を忘れるような心弾むひと時
偶然、触れた手の温もり
その”ときめき”が、わたしを怯えさせました

待っていてくださると知りながら
わたしは其処に、もう行けなかった
貴方をこれ以上知って
もっと惹かれていくのが怖かったから

あの浜辺にまた、花は咲くでしょうか
わたしたちの恋は実らなかったけれど
貴方が宵待草と呼んだ
あの黄色の花びらをした可憐な花は

儚く散るからこそ
まるで
忘れられぬ想い出の形見のようで


◇◇◇
 

「宵待草」 作詞) 竹久夢二
待てど暮らせど来ぬ人を 
宵待草のやるせなさ 
今宵は月も出ぬさうな

言の葉を受け取ってくださってありがとうございます。 いただいたサポートは創作の糧とする為の書籍購入に使わせていただきたいと思います。 心からの感謝と共に……。☪︎Tukino