神奈川県SDGs社会的インパクト・マネジメント実践研修【第5回】レポート

2019年12月3日、「SDGsインパクト・マネジメント セミナー」に引き続き、実践研修の第5回を実施しました!

セミナーでの気づき

研修参加者の多くはセミナーにも出席されていたので、まずは近くの方とペアになってセミナーでの気づきを共有しました。

・ワークショップで金融に何ができるのかを議論した時に、銀行の方だけでなくコンサルなど幅広い方がSDGsに興味を持っていた。

・社会的インパクト評価を通して規模を拡大するのが課題。

・「インパクト・マネジメントが事業改善に繋がる」ということを金融機関に示せれば融資に繋がる、ということを銀行の方が言っていたのが意外だった。

・初めて参加したが支援者として何ができるか今後考えていきたい。

講義:SDGsターゲットとアウトカム・指標

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SDGsの思想は「2030アジェンダ」にまとまっていますが、その前身のMDGsの思想「ミレニアム宣言」を是非読んでほしいです。

ポイント:SDGsゴール&ターゲットとの紐付けは第一歩! 

SDGsゴール&ターゲットとの紐付けは企業がSDGsを考えるための必要条件でしかありません。なぜなら目標と指標を掲げ、測定して報告することが肝要だからです。そうでなければ企業としてSDGsゴールを掲げているだけ、になってしまいます。

さらに企業の取り組みがより高次の(県や国の)取り組みとどう関連していけるかも見なければなりません。自分たちの良い取り組みを広げるため、時に政策にも関わっていく、これがゴール17「パートナーシップで目標達成」に繋がっていきます。

そして既存の事業から結びつきそうなゴールだけをピックアップしていく(いわゆるcherry-picking)はダメです。

質問:cherry-pickingがダメと言われても、全てのゴールを達成するのは大変では?

回答:それぞれのゴール・ターゲットに対して、自分たちの活動がポジティブorネガティブなインパクトを与えていることが分かるはず。そういった気づきのためにSDGsを活用してください。

SDGsは国ごとの課題に適応させていくことになっているので、日本政府も「SDGs実施指針」にもとづく「アクションプラン2019」を作成しています。ぜひこれも読んでみてください。

指標設定の手法

実際に指標設定することでロジックモデルの精査ができるという利点があります。指標設定とロジックモデルの往還は社会的インパクトマネジメントを行う上で重要なポイントです。

また測定した指標を元にデータ分析を行うことで、作戦のマネジメントや外部への説明責任を果たすことができます。

目的の明確化

評価計画を策定する上で重要なポイントはデータ収集の目的の明確化です。「なぜそのデータを集めるのか」目的を明確にした上で、測定する指標を決定していきます。

アウトカムの選定

作成したロジックモデルを元に、目的(何が知りたいのか)に照らして測定するアウトカムを選びましょう。アウトカムを選ぶ理由には、以下のようなものがあります。

・アウトカムが既に発現している(と思われる)から

・現時点で、中間アウトカム・最終アウトカムの達成のために特に影響が大きいと思われるから

・アウトカムの発現が弱いように見受けられるため、その理由を知りたいから

指標の設定

対象となるアウトカムが決まったら、それを測る指標を設定します。

まずアウトカムが発現した場合、そのアウトカムが事業によるものなのか、他の要因によるものなのか判別しなくてはなりません。他の要因の可能性がどの程度あるか調査が重要なこともあります。

またアウトカムの発現度合いを知る上で、データには量的データと質的データの2種類があります。質的データであっても単語の頻出度合い調査などから、量的データに換算することは可能です。



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