神奈川県SDGs社会的インパクト・マネジメント実践研修【第4回】レポート
2019年11月19日 横浜でSDGs社会的インパクト・マネジメント実践研修の第4回が実施されました!
1.オープニング
宿題(ロジックモデルの作成)をやってみての感想を共有しました。グループ内で2~3人ペアになって以下の内容を共有します。(10分)
・実施したプロセス(社内で誰をどのように巻き込んだか)
・やってみての気づき、発見
・難しかった点、つまづいた点
そして集まった気づきがこちら↓
2.公開コンサルティング
宿題として提出されたロジックモデルの中から優良事例を講師が添削しました。
まずロジックモデルの質は最終アウトカム(=望む状態の言語化)で決まります。出来るだけ多くの関係者を巻き込み、いろんな角度からの視点を集めた方がいいです。多くの人が集まるほどなかなか意見がまとまらないかもしれませんが、そこはなんとかまとめましょう! でないと多くの意見が無駄になってしまいます。
最終アウトカムは「〇〇が〜〜(状態)になる」という書き方にするのがコツです。望む状態を言語化しなくてはなりません。
最終アウトカムが決まればその目的に対する手段をバックキャストで考えていきます。戦略的思考が必要とされますね。もちろん正解はないので、こだわりすぎないことも重要です。 またバックキャストで考えていると「あれ、最終アウトカムに繋がらないな」と思うことも出て来ます。そんな時は途中アウトカムの修正が必要です。バックキャストとフォアキャストの往復で考えていきましょう。
最終アウトカムはなかなか指標として測定するのが難しいことも多いです。そんな時は中間アウトカムを測定できるように考えましょう!
中間アウトカム=作戦目的です。事業の目的として達成可能なものを中間アウトカムとして設定しましょう。
アウトカムを設定して、次は指標の設定だ!と思った時「あれ、このアウトカムどうやって測るんだ?」と戸惑うこともしばしばです。なのでアウトカムを指標に合わせて測定可能なものに修正が必要です。
3.ロジックモデルとビジネス視点
公開コンサルティングに引き続き、今田さんの講義です。
ロジックモデルというのはSDGsコンパスにおけるステップ2「優先課題を決定」及びステップ3「目標の設定」です。また企業のバリューチェーンが社会に与える正と負の影響を可視化するものでもあります。
LBGフレームワークもロジックモデルと似たようなものですが、JTもこのフレームワークで自分たちの事業の影響を報告しています。
社会的インパクトとビジネスインパクトはレイヤーが異なります。(ビジネスインパクトをロジックモデルの最終アウトカムに持ってくるのはやめましょう。)しかしロジックモデルの中間アウトカムが社会的インパクトだけでなく、「企業価値の向上」「潜在需要の拡大」などビジネスインパクトにも繋がって来ます。
4.金融ディスカッション
資金提供者は別室に集まり、金融と社会的インパクト評価の接続について議論しました。投資、融資においてロジックモデル以外に以下のような情報提供が必要だという話になりました。
融資に必要な情報
・事業の継続性(後継者の存在、技術の継承)
・ロジックモデルでやろうとしていることが実現可能なのか。実現可能性を見るためには過去実績のトラック、社内人材・ノウハウの調査もありうる。
投資に必要な情報
・ロジックモデルで考えている事業にはそれなりの市場規模があるのか。
・「良い事業」というだけでなく、それが可視化されているか。
その他の意見
・銀行は融資だけが仕事ではない。ロジックモデルを見ることで他社とのビジネスマッチングを提供することも可能。ロジックモデルはコミュニケーションツールになりうる。
5.ロジックモデルの更新
資金提供者が別室で議論している間、事業者と支援者の方々には今田さんの講義を踏まえて自社のロジックモデルを更新していただきました。
6.インパクト・マネジメントの計画
ロジックモデルができたら指標を設定してみましょう。指標において重要なことは「同じ指標を継続的に測る」ということです。当然のことですが、比較できなくては指標測定の意味がありません。
もちろんインパクト・マネジメントを行うということはPDCAを回すということです。当然P(Plan)を変更することもあります。つまり指標設定に正解はありません。
さらに重要なのは「測れる指標ではなく、測りたい指標を測ろう」ということです。測りたい指標は測定しにくいものかもしれませんが、本当に測りたい重要な指標を測る努力を行いましょう!
次回日程12/3(火)
公開イベント 12:30〜14:45(12:00開場)@パシフィコ横浜
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