(創作物語)聖ヴァンパイア~呪われし運命~ その23 『永久に』

前回までのあらすじ

魔女アデリーヌとの激闘を制した覚醒したナイルス。始祖ネーブロスの体から出てきた創造主と契約を結び、新たなる世界で自らが始祖ネーブロスとなり世界の行く末を見守ることになるが、果たして、、、

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 アニッサ「お母さん、お父さん!早く支度しなきゃ、遅れちゃうよ!!」

 燦々と太陽が照りつける中、牧場を後にするアニッサと両親。

 アニッサの父親「にしても、急にお城に行きたいだなんて、一体どうしたんだ?!」

 アニッサの母親「いいじゃない、何年ぶりの家族旅行かしら〜。仕事を忘れて、羽を伸ばせるなんて、幸せだわ〜」

 電車の外の風景が次々と変わり、やがて目的のお城に到着するアニッサの家族。

 アニッサ「あれよ!最古のヴァンパイアが発見されたお城らしいわよ〜」

 アニッサの父親「この子は昔から、怖いもの好きだからなぁ、、、、」

 嬉しそうにお城に入ってゆくアニッサ。他の観光客も大勢訪れている。壁には歴代のヴァンパイアと思わしき絵が額縁とともにズラリと並べられている。

 入口の前で、大きなツボが置かれていた。どうやら、ここの水で手を洗ってからでないと中に入れないらしい。

 アニッサが手を洗うと、ふと不思議な思いが蘇ってきた。

 ナイルスというヴァンパイアと出会い、家を出て多くの土地を周り、多くの仲間に出会い、そして最後はあの人の手に抱かれ死んでゆくもう一つの自分の経験した過去。

 何故か、大粒の涙が頬を伝い、アニッサは途端に走り出す。何故だかわからない。でも、ここでじっとしていられない。その城を出て、城の裏にあるヒッソリとした墓地にたどり着く。その後を追う両親。

 アニッサの父親「一体、どうしたっていうんだ?!こんなところに、、」

 アニッサ「何故、、、、?、とても懐かしい気がするの、、、、、、」

 一つの墓標があった。その墓標には、こう書かれていた。

 ペデルセン族の最後の生き残り、ナイルスは、闇の女王魔女アデリーヌを打倒し、破壊された世界を神の力を借りて再生した。

 

 そして、最後の一文が、アニッサをはじめ、両親も愕然とする内容であった。

 
 親愛なるアニッサへ。あなたかこれを読んでいるということは、人間としてまた新たなる人生を送っていることでしょう。最後の戦いで、貴方の笑顔が魔女アデリーヌとの決戦において、勝利を引き寄せてくれました。またいつか何処かでお会いしましょう。

 

 その場に泣き崩れる、アニッサ。自分の何処かでくすぶるわだかまりが一気に解けた瞬間であった。


 その日の夕日が、アニッサの顔を優しく照らしていた。



 おしまい


 ここまでで、長らく読んでいただけた方々に深く感謝申し上げます!


おまけ

 バルビヌス「ナイルスの血をこうして、、、、これと混ぜ合わせれば、、、、、」

 バルビヌス「?!!!!」

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