(音楽+創作イントロ物語)Eldamarを聴きながら

北欧ブラックメタル王国のノルウェーから、アトモスフェリックでメランコリーなブラックメタルで、脳汁タレタレになった記憶が新しいこのバンド。

Eldamar

 その垂れ流されるもの悲しいメロディと女性Voに衝撃を受け、最近はこればかり聴いている。

 どうやらこのバンド名は、あの指輪物語のエルフの女王からとったらしい。

 

 やべぇえよ、このファンタジーと悲しみにまみれる、人間の奥底の湧き上がる激情をこれほどまでに音として表現できる彼らの才能が。

 さて、今回もいつものようにこの音楽を聴いて想像した物語を書いていく。

 

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 時は、今から数億年前、まだ惑星と大地語できはじめて間もない頃、一人の神がいた。名を「マレイセ」という。彼女は大地からハープを作り出し、静かに穏やかに弾き始めた。その音色から、男神の「アデル」が生まれ、彼は生まれながらにして氷で包まれていた。

 次にマレイセは、天の羽衣をまとい優雅に踊ると、その衣の裾から神々が生まれた。希望に満ち、穏やかな表情の女王「フロリアーナ」、愛情を宰る女神「エリーザ」、勇気と夢を司る男神「イワン」。

 最後にマレイセは、死出の羽衣をまとい、静かに踊ると、その衣の裾からは、死の天使「ハリエル」が生まれた。また、憤怒の顔をし、両手に剣を持つ男神「ロエル」、悲しみの表情をし、ローブを着た魔法使いの「メリアドール」もその後に続いて生まれる。

 その後、マレイセが生み出した神々はスクスクと成長するが、やがて2つの勢力に分かれ争い始める。

 そのような状況下、最初に生まれた「アデル」を2つの勢力が互いに引き入れようとあの手この手で誘い出す。

 しかし、アデルはその凍てつくような冷たい眼差しはどちらの勢力にも加担することはなかった。

 ある日、母親のマレイセは、息子のアデルを食事に誘った。しかし、アデルは独り遠くの空を見つめ、何やらボソボソとつぶやいている。アデルは毎日決まった定刻に出かける場所がある。

 翌日、マレイセは静かにアデルの後をつけ、日頃の行動を探ることに。アデルは、北の湖に歩いていき、フゥーと息を吹きかけると、またたくまに湖は全面氷と化す。その上を歩いて反対側の山を登り始めるアデル。深追いしようと思ったその時、息子たちに呼ばれ家に戻るマレイセ。

 山頂に着くと、そこには羽を痛めた一羽の鳥がいた。その鳥に、毎日餌を与え続けていたアデル。しかしよく見れば、その鳥はこの惑星の鳥ではなく、昔この大地を破壊しに来た惑星の鳥であった。

 餌をやるたびに、あの鳥の思い通りに染められてゆく息子アデル。日に日に、血が通っていないような眼差しに変化してゆくアデル。

 羽を痛めた鳥「毎日すまない。私が全快したら、私はここを出る。アデル、お前も私の星に来るか?」

 アデル「、、、、、でも、僕には家族が、、、、、」

 羽を痛めた鳥「私にも家族がいた、、、、だが、私の星はお前の、、、、、、いや、、、、」

 アデル「あなたの星は、今どうなっているの?」

 羽を痛めた鳥「、、、、破壊され奪われたのだ。マレイセという大地神に、、、」

 その言葉を聞き、アデルは己の中でふつふつと湧き上がる何かを感じずにはいられなかった。心な葛藤はやがてアデルをなお冷たく冷酷にするのに十分であった。


 ある日、今日こそ山中で何をしているか突き止めるため、マレイセはアデルの後をつける。山頂で、羽を痛めた鳥に餌を上げているところを目撃するマレイセ。その鳥はかつて自分が星を乗っ取り我が大地にするために奪い取ったまさにその相手だったのだ。


 アデルの自分を見つめる冷たい眼差しに怖気づいたマレイセは、鳥の復活を阻止するために、アデルをまだ熱い大地の溶岩の中に投げ捨てることに決める。


 他の子供達に協力を要請し、ここに息子アデルVS天の羽衣と死の羽衣連合軍の戦いが切って落とされる、、、。


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