(創作物語)聖ヴァンパイア~呪われし運命~ その21 『対魔女アデリーヌ戦』

 前回までのあらすじ

 魔女アデリーヌの狙いは、東西南北の宗主の血『ペデルセン族の純血』であった。北の国で待ち構えていた魔女アデリーヌは、凱旋した自国で魔女アデリーヌと対峙する。ヴァンパイアを食う悪魔「ノメルグレウス」を使役して戦いに挑む北の国のペズレイ。しかし、魔女アデリーヌはペズレイと悪魔ノメルグレウスに呪文を掛け、配下にしてしまう。そこにやってきたのは、あのアニッサの一行であるが、果たして、、、、
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 アニッサ「私の、大切な人を、返してもらいに来たわ」

 ヴァンパイアハンターとアニッサを見た魔女アデリーヌ。

 魔女アデリーヌ「こうも、私の思うように事が進んでいいのかしらね?うふふふふ、、、、、あははははは!!!!!」

 騎士ヨーセフ「それは、こちらとて同じ事だ。覚悟せよ!!!魔女アデリーヌ!!!」

 犬のミンミ「騎士ヨーセフ、あまり無理するなよ。あの魔女アデリーヌは、お前の祖母の、、、、、」

 騎士ヨーセフ「そんなこと、わかっている!!だから、開放しに来たんだよ、、、、。祖母の魂を、、、、、」

 ドラゴン「奴は、ヴァンパイアハンターとアニッサの血を、狙ってくるはず。陣形を組んで、操られたあの3人を開放するぞ!!!ペデルセン族のあの3人に人間の血を飲ませるんだ」

 魔女アデリーヌ「ゆけ!奴らを根絶やしにせよ!!!」

 魔女アデリーヌが手を振りかざすとペズレイ&悪魔ノメルグレウス、操られたナイルス、フレーゲル、ネヴィルの4人は瞬間移動しながらあっという間に陣形を組んだアニッサ達の前に立ちはだかる。

 魔女アデリーヌ「、、、、、あのペズレイという者が持つネックレス、、、、、始祖ネーブロスの血が入っているのだな」

 魔女アデリーヌは、ペズレイ&悪魔ノメルグレウスからネックレスを剥ぎ取り、自らにかける。すると、ペズレイ&悪魔ノメルグレウスは跡形もなく崩れ落ちることとなった。

 ヴァンパイアハンター「何だ、敵が一人消滅したぜ。それと、ナイルス達は操られているのか?!」

 オマリ「ああ!そうさ!手加減はいらねぇよ!!!」

 アニッサ「、、、、そんなこと言ったって、、、
くっ、、、!!!」

 あまりの猛攻に後退りするアニッサ。騎士ヨーセフがその危機をカバーする。

 犬のミンミ「奴らの狙いは人間の血だ!ヴァンパイアハンター、アニッサ、騎士ヨーセフを守るんだ!!!」

 ヴァンパイアハンター「にしても、多勢に無勢だぜ、、、、、」

 フレーゲルとネヴィルは、ヴァンパイアハンター、ドラゴン、オマリ、犬のミンミと激しい戦闘を繰り広げている。

 そしてまた、ナイルスは、アニッサ、騎士ヨーセフとこちらも激しい戦闘が続いている。

 アニッサ「お願い、、、、ナイルス、、、、思い出して、、、、」

 剣を交えながらナイルスの猛攻に耐え続けるアニッサ。そしてついに、アニッサの、剣が折れ、アニッサは騎士ヨーセフもろとも吹き飛ばされる。

 また、ヴァンパイアハンター、オマリ、犬のミンミ、ドラゴン達も同じようにフレーゲルとネヴィルの猛攻に耐えきれず、一人また一人と倒れてゆく。

 

 魔女アデリーヌの誤算

 魔女アデリーヌ「そろそろ、決着が付きそうだわ。なら、人間の血を持って、こちらへいらっしゃい〜。カワイイ坊や達」

 どうやら、魔女アデリーヌが命令しても、ナイルス、フレーゲル、ネヴィルの3人はその場から微動だにしない。何度、魔女アデリーヌが呼びかけても。

 魔女アデリーヌ「おや?私の命令が聞けないとのこと?」

 不審に思い、ナイルス達の元に瞬間移動しようとしたその時。

 ナイルス「今だ!!!少し、血を分けてもらうよ、アニッサ」

 意識が朦朧とする中で、確かに聞こえたあの懐かしい優しいナイルスの声だ。

 フレーゲルとネヴィルも、倒れたヴァンパイアハンター、騎士ヨーセフの血を少しだけ吸うことに。

 それを見た、魔女アデリーヌ。

 魔女アデリーヌ「何故だ!何故だ!!!何故なんだ!!!お前達は、完全に我が支配下になっていたはず!!!」

 ナイルス「お前は大事なことを忘れている」

 フレーゲル「そこの騎士ヨーセフの持ったネックレスさ」

 ネヴィル「貴様の魔力は、あの騎士ヨーセフのネックレスによって弱体化したのだ」

 騎士ヨーセフの首にかかっているネックレスが煌々と光出す。どうやら、ペデルセン族のナイルス達に反応しているかのようである。

 魔女アデリーヌ「、、、、どいつもこいつも使えないやつばかりだ、、、、、。いいだろう、素材は全てここにある、貴様らの血を全て頂くことにしよう」

 魔女アデリーヌは指輪に魔力を込め、精神を集中させる。

 膨大な魔力の一点集中により、空間が歪み始める。

 犬のミンミ「いかん!ここは、避難するぞ!!!奴の魔力の和の中に閉じ込められたら、2度と出られなくなる!!」

 そうして皆が後退りする中、ただ一人魔女アデリーヌに向かう者がいた。騎士ヨーセフである。

 騎士ヨーセフ「ようやく、祖母に会えたのだ。最後くらい私に任せてくれ」

 騎士ヨーセフはネックレスを握りしめ、亡き祖父と目の前にいる若き日の祖母と同じ顔をした魔女アデリーヌと対峙する。

 騎士ヨーセフ「なあ、もう良いだろう。帰ろう、僕たちの家に、、、、、」

 魔女アデリーヌ「どうしたというのだ?このネックレスは、本物ではなかったのか?!」

 騎士ヨーセフ「始祖ネーブロスのネックレスは、私がしている物のみだ」

 すると、魔女アデリーヌのしているネックレスからスッと魂が抜け、また、その光は騎士ヨーセフのネックレスから出た光とゆっくりと一つになりながら、天に登ってゆく。

 騎士ヨーセフ「願いは、叶った、、、、、。さようなら」

 魂を失った魔女アデリーヌは、天に昇華した肉体の代わりとなる新しい肉体を探し出す。そうだ。眼の前にいる騎士ヨーセフなら、人間でありながら始祖ネーブロスの入ったネックレスも手に入る、、、、、、。そう考えた魔女アデリーヌの精神体。ナイルス達が知らぬ間に、騎士ヨーセフの体を乗っ取る。

 騎士ヨーセフの体からおびただしい闇の魔力が放たれ、騎士ヨーセフは魔女アデリーヌとなってしまう。

 騎士ヨーセフ(憑依)「ふふふ、どうだ?この体はすこぶる動きやすいぞ」

 素早い動きで、剣と魔法をナイルス達に、浴びせ続ける騎士ヨーセフ(憑依)。やがて、誰も立てなくなり、その場に突っ伏する。

 ナイルス「ぐっ、、、、くそっ、、、、」

 オマリ「な、、、、ナイルス、、、何か策は無いの、、、、か?このままじゃ、、、、」

 ナイルス「騎士ヨーセフのネックレスさえ、、、、、手に入れば、、、、、」

 犬のミンミ「ま、、、さか、、、、ナイルス、、、お前、、、消える気か、、、、、!?」

 ナイルス「も、元々、そう、、、、する、、、つもり、、、さ」

 フレーゲル「おま、、、、えだけ、、、、消えさせは、、、、しない、、、、!」

 ネヴィル「む、、、すこよ、大きく、、、、なった、、、、、な。お前達は、、、、、そこにいろ!!!」

 ネヴィルがボロボロの体を呈して立ち上がる。

 騎士ヨーセフ(憑依)「全員、死ぬ覚悟ができたようだな!!!ほう、貴様は、ネヴィル、、、、か。まだ立ち上がる気力が残っていたとはな」

 容赦なくネヴィルの体に浴びせられる剣技と、魔法。

 程なくして、その場に倒れ込むネヴィル。さすがのヴァンパイアの回復力も追いつかないほどに肉体そのものが消えかかってゆく。

 フレーゲル「と、、、とう、、、さん、、、、、、」

 そしてついに、ネヴィルの命が、尽きてしまう。その遺体の跡に残った血液を集める騎士ヨーセフ(憑依)。

 騎士ヨーセフ(憑依)「後は、人間の血だけだ」

 騎士ヨーセフ(憑依)は、アニッサめがけて一直線に突進してゆく!

 ヴァンパイアハンターが最後の気力を振り絞り、倒れるアニッサの前で剣を構える。

 ヴァンパイアハンター「最後に、、、狩る、、、、獲物が、魔女、、、さんとは、、、!!!!クソッタレがーーーーーー!!!!」

 騎士ヨーセフ(憑依)「だから、脇が甘いのだよ、君は」

 騎士ヨーセフ(憑依)の剣が、ヴァンパイアハンターを貫く。その場に倒れ込むヴァンパイアハンター。

 ヴァンパイアハンターもまた息絶えてしまう。

 騎士ヨーセフ(憑依)「後は、純血のヴァンパイアの血だけだ」

 瞬間移動でオマリの前まで来た騎士ヨーセフ(憑依)。

 オマリ「最後に、、、、、こんな終わり方、、、、するくらいなら、、、、、、太陽で焼かれたほうが、、、、、マシだ、、、、、」

 

 騎士ヨーセフ(憑依)「これで人間の血、ペデルセン族の血、純血のヴァンパイアの血が揃った、、、、、!!!ついにやったぞ
!!!!それはそうと、隠れていないで出てきたらどうなんだ?そこにいる老人よ」

 少し離れたところに、あの犬のミンミの隣りにいた老人が立っていた。倒れている犬のミンミに駆け寄る老人。

 老人「おおっ、、、、、、なんと酷いことを、、、、」

 犬のミンミはすでに息絶え、安らかなる顔をして横たわっていた。老人はスッと立ち上がり、騎士ヨーセフ(憑依)の方を見る。

 老人はおもむろに上半身の服を脱ぎ捨てる。するとその体には渦が巻かれ、中から何かが顔をのぞかせていた。

 騎士ヨーセフ(憑依)が呪文をとなえると、3種類の血が混ざり合い、老人の上半身の渦の中に吸い込まれてゆく。

 騎士ヨーセフ(憑依)「いよいよだ!!!あの復活不可能とされていた『始祖ネーブロス』の完全復活が来るのだ!!!」

 ナイルスは這いつくばりながらも、アニッサの元に近づいてゆく。そして、意識が朦朧とするアニッサを抱えながら、その場を後にする。フレーゲルもまた瀕死のドラゴンを引きずりながら、何とかその場から、離れようとする。

 少しばかり体力が回復してきたナイルスとフレーゲル。安全な場所にアニッサとドラゴンを隠し、老人の体から出てくると思われる始祖ネーブロスの行く方を見守る。

 やがて、大きなドクロのモンスターが老人の体から出てきた。と、同時に騎士ヨーセフ(憑依)の体から抜け出す精神体の魔女アデリーヌ。正常に戻った騎士ヨーセフはその場に倒れ込む。

 精神体の魔女アデリーヌは、大きなドクロのモンスターに憑依した。

 ドクロモンスター(憑依)「どうだ?!この素晴らしい破壊力、そしてこの魔力!」

 一瞬に辺りはドクロモンスター(憑依)の一撃で吹き飛ぶ。ただ一人を除いては。

 なんと不思議なことに、あの老人は平然とそこに立っているではないか。

 ドクロモンスター(憑依)「??貴様は何者だ??」

 どれほど攻撃しようが、魔法を放とうが、その老人はびくともしない。

 老人「私は、お前のよく知っている、人物だよ。」

 ドクロモンスター(憑依)「お前は、、、まさか、、、、そんなはずはない、、、、、!!!お前があの始祖ネーブロス、、、、、なのか?!」

 老人「、、、、、、」

 

  

  

 

 


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