これじゃない
いつだって私の持っているカップは
飲み物が満杯で、今にも溢れそう。
それなのに私は重さを感じない。
中身が入っているのに。
「これじゃない」
私が飲みたいのはこれじゃないの。
私が頼んだのはこれじゃないの。
何度飲み干して注いでも、まだ満足しない。
何が足りないのだろう。
なんで満腹にならないの。
「あなたの飲みたいものは何なの?」
その質問に答えられないから
いつまでも探しながら飲み続けるのだろう。
きっと、飲みたいものは既に飲んでいて
お腹いっぱいになっているはずなのに。
一体いつになったら気づくんだい?
「お腹いっぱい、美味しかった」と言える日が
来る日を願って今日もまた同じセリフを言う。
「ねぇ、これじゃない」
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