Kazuki Shikata| 一級建築士

ゼネコン意匠設計の一級建築士/インテリアプランナー。 1988年生まれ。一児の父。 2…

Kazuki Shikata| 一級建築士

ゼネコン意匠設計の一級建築士/インテリアプランナー。 1988年生まれ。一児の父。 2020年、第一子の誕生をきっかけに都内中古マンションを購入し、リノベーション。 施主兼設計者としての経験を元に、中古マンションリノベについて記録していきます。

マガジン

最近の記事

  • 固定された記事

間取りビフォーアフター|中古マンションリノベ

中古マンションリノベの記録。 連載初回は「間取り」に焦点を当て、我が家のリノベーションのビフォーアフターをご紹介します。 連載の内容や目的については前回記事をご覧ください。 1. リノベ前の間取り購入したのは東京都内、城東エリアに建つ、築40年RC造マンションの2階角部屋。 面積は約70㎡でリノベ前の間取りはごく一般的な3LDKでした。 こちらはリノベ前にキッチンからリビング側を見た写真です。 リフォーム済みで販売されており、水回りの設備含めてきれいにされておりました。

    • ノイズの少ないディテールで生活を引き立てる

      お久しぶりです。 随分と執筆をサボってしまいました。 中古マンションリノベシリーズの続編です。 今回からしばらくは、設計の思考とディテールについて紹介していきたいと思います。 空間構成の考え方空間構成は至ってシンプルです。 70㎡のRCの空間に、 土間を残してフローリングを敷き、 水回りがまとめられた黒い箱を置き、 中央に設置したキッチンにより空間を緩やかに分けています。 シンプルな空間に家具で居場所を作るフレキシブルな計画です。 ノイズを減らしたディテールこの空間を

      • 安藤忠雄氏設計「こども本の森」批判に思う事

        100%正しいことが正解だとは限らない神戸に安藤忠雄氏により設計・寄付され、オープンを迎えた「こども本の森」に対する批判でTwitterが盛り上がっている。 高さ9mに及ぶ壁一面の本棚や、吹抜け+ガラス張りによる明るい空間が特徴の施設だが、主な批判は下記のようなものだ。 空間を無駄に使った収蔵力のない図書館は図書館としての機能を果たしていない 上の方の棚の本が取れない(実際に上の方の本は読む用のものではなく、サムネイル的な役割を与えているようだ) 手の届かないところに

        • 不便さは豊かさだと思う

          今日、マンション敷地内の桜の木が切られた。 組合の決定だ。 散った花びらが駐車場に停めた車に付いて掃除が大変だと言う意見によるものらしい。 回覧でその予定を見た時は、綺麗に剪定される程度だと思っていた。 しかし、夜仕事から帰るとなんとも寂しい姿に。 おそらく、マンションができてから40年以上かけて育ってきた、立派な桜だったのに。 なんでも便利になったこの時代。 あえて不便さを選ぶことにより豊かさを感じることは多くあると思う。 例えば田舎暮らし。 車なしではスーパーにす

        • 固定された記事

        間取りビフォーアフター|中古マンションリノベ

        マガジン

        • 中古マンションリノベ
          9本

        記事

          マテリアルの選び方②|中古マンションリノベ【設計編】

          前回、我が家のマテリアルをご紹介しました。 どこに、何を、どんな意図があって使っているのかについて、一つ一つ解説しました。 しかし、こんな声が聞こえてきそうです。 「一つの事例としては参考になるけれど、いざ自分がマテリアルを決めるとなると、何をもって良しとすればよいかわからない。」 「どういう過程でこの結論にたどり着いたのか知りたい。」 そこで今回は、実際にマテリアルを決定していく際のヒントが提供できればと思います。 1. Pinterestでイメージボードをつくるアイ

          マテリアルの選び方②|中古マンションリノベ【設計編】

          マテリアルの選び方①|中古マンションリノベ【設計編】

          お久しぶりです。シカタです。 前回から随分と時間が空いてしまいました。 一級建築士夫婦のリノベ記録。 これまで、間取りや物件選びについて書いてきました。 今回からしばらくは「設計編」と題し、設計時の思考やノウハウなどについて具体的に書いていきたいと思います。 まずは「マテリアル」について、複数回に分けて書いていきたいと思います。 ここでいうマテリアルとは、内装の仕上げに使用する素材のことです。 今回は、我が家ではどんなマテリアルをどのような理由で使用しているのかをご紹介し

          マテリアルの選び方①|中古マンションリノベ【設計編】

          内覧直後に間取り図を描く|中古マンションリノベの記録

          前回、内覧時にやるべきことについて書きました。 その中で実測の重要性についても挙げました。 実測を基にラフな間取りを描いてみることで、購入のための重要な判断材料になります。 しかし、設計を生業にしていたり、建築学科出身ではなくても間取りを描くことは可能なのでしょうか? 今回は内覧後の間取り検討について書きたいと思います。 これまでの中古マンションリノベに関する記事はマガジンにまとめております。 合わせてご覧いただけると嬉しいです。 1. 物件購入前に間取り検討をする

          内覧直後に間取り図を描く|中古マンションリノベの記録

          物件内覧ですべきこと|中古マンションリノベ

          前回の記事からしばらく時間が空いてしまいました。 その間に桜が咲き、散り、段々と新緑に満ちてきました。 花見に出かけることはできませんでしたが、今年は自宅で花見を楽しむことができました。 借景を活かすことで季節の移ろいを感じながら穏やかな日々を過ごすことができます。 中古マンションリノベに関する記事はマガジンにまとめております。よろしければ下記リンクよりご覧ください。 さて、今回は内覧時にやっておくべきことや見るべきポイントについてお伝えしたいと思います。 部屋の広さ感

          物件内覧ですべきこと|中古マンションリノベ

          物件探しの前にすべきこと|中古マンションリノベの記録

          一級建築士夫婦の「中古マンションリノベの記録」。 前回までは、リノベビフォーアフターや中古マンションリノベを選んだ理由について書きました。 今回からは「物件探し」について何回かに分けて書きたいと思います。 過去の記事についてはマガジンにまとめております。 よろしければ下記リンクよりご覧ください。 0.すぐに物件探しを始めるのはNG「中古マンションリノベをする」と決めて、まず最初にすべきことは何でしょうか? とりあえず不動産屋さんに行って物件探しを始めますか? しかしそれは

          物件探しの前にすべきこと|中古マンションリノベの記録

          中古マンションリノベを選択した理由

          私たちは現在、自分たちでリノベーションをした中古マンションに夫婦+0歳の長男の3人家族で暮らしています。妻も私も大学院まで関西で過ごし、仕事の関係で現在は東京住まいです。 転勤の可能性もありますし、ずっと東京に住み続けようとも思っているわけでもありません。むしろ将来的には関西に戻りたいという気持ちのほうが強いです。 ではそんな私たちがなぜ東京で自宅を購入しようと思い、また「中古マンションリノベ」という選択をしたのでしょうか。今回はそのあたりについて記したいと思います。 こ

          中古マンションリノベを選択した理由

          中古マンションリノベの記録|序章

          はじめまして。東京都内の建設会社で建築設計をしている一級建築士のシカタです。 昨年妻が妊娠したことを機に、中古マンションを購入し、リノベーションをして暮らし始めました。 私も妻も関西出身の一級建築士なのですが、そんな夫婦が、なぜ都内の中古マンションをリノベして暮らすことにしたのか。 どんなことを考えて空間をつくり上げていったのか。 中古マンションリノベを選んだ理由や、自宅購入を決意してから物件探し、設計、施工、暮らし方に至るまで、具体的なエピソードを交えながら、施主と設計

          中古マンションリノベの記録|序章