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私が不安障害の病識を持つまでの過程

 こんにちは、精神科看護師のけーさんです。初記事の自己紹介で書きましたが私は社会性不安障害を患い数年かけて治療しました。

今回の記事では文献や溢れてる情報を書いていくのではなく実際に私が経験したことを書いていくのでひとつの記録として読んで頂けるとうれしいです。是非最後までよろしくお願いします。

⒈病識とは?

 そもそも『病識(びょうしき)』とは何か?ということですが、Wikipediaの文を抜粋しますと病識は、その人が病的な状態にあることを自分で認めていることを指す。病的な状態にある人が、自分が病気であることを自認している(自分で認めている)ことを「病識がある」と言う。

簡単に言うと自分が病気だと認める理解するということです。

⒉病識を持つことは大切なこと

 なぜ、病識を持つことは大切なことなのでしょうか?これは精神病に限った話ではありません。病気の治療をするにあたり、病識がなければ自分に起きている症状を病気の症状として認識できません。

そのため治療の必要性がわからず最後まで治療をせず途中で辞める。病気だと思ってないのでそもそも病院に行かない。というように治る病気が治らなくなってしまいますし、どんどん悪化していく恐れもありますね。

⒊周りの人の理解も必要

 治療において病識の必要性は上記の通りです。これは本人だけではなく周りの人にも言えることです。

例えば

身体的な病気で肝臓が悪いとした際、本人には病識があっても周りの人なければお酒をしつこく勧めてしまい付き合いで断れず飲酒をし悪化する。

精神的な病気でうつ病とした際、家族や近しい人に理解がなく「気持ちの問題」「気のせいだ」と言われ余計に苦しい思いをしたり、治療のサポートをしてもらえないことに繋がります。

そのため本人だけではなく周りの人たちの理解もとても大切になってきますね。

⒋病識を持つことは難しい

 ここまで話をして病識を持つことはすごく大切なことが分かります。しかし実際には病識を持つことは難しいです。

 身体的な病気であれば傷や検査結果、発熱や咳などの身体症状によって目に見えるので病識を持ちやすいですが精神的な病気は、恐怖心や不安感、イライラ等、目に見えない症状なので過度なものになっても測るものがありません。そのため、私は病気なんだ異常なんだと気付きにくいのです。

また、本人の心の症状は周りの人には見えません。そのため身体的な症状と比べて心の症状は圧倒的に理解しづらいものになります。なかなか難しい問題です。

 では私の場合はどうだったのでしょうか?看護師である私でもすんなりとはわかりませんでした。

⒌私の病識を持つまでの過程

はじめは精神病なんて考えもしなかった

 私の場合は長く続く胃痛や吐き気等の身体的な症状は何かしらの身体的な病気かな?と思っていましたが、寝付きが悪い、人前(少数も多数も)での強い緊張感や不安感、動悸や激しい手汗、手の震え、人見知り等は学生の頃からあったのでずっと性格のせいだと思っていました。

そのため心療内科を受診するまでは消化器内科で治療をしていました。この消化器症状については胃カメラ検査をしても大した異常はなく数ヶ月の内服治療も全く改善しませんでした。

そして症状は悪化していった

 日を追うごとに胃痛や吐き気の症状も強くなり、緊張感や不安感、動悸の症状も目が覚めてから寝るまで常にするようになりました。寝付きの悪さも完全に朝まで寝れなくなる日が増え日常生活が送れないほどに支障がでてきました。

ここまで悪化してやっと、もしかしたら精神的な病気なのかもしれないと心療内科の受診をしました。

初めての心療内科

 初めての診察ではこれまでの過程や思い当たる苦痛な症状を先生に細かく話しました。そこで不安障害の診断を受け、眠剤と抗不安薬を処方されました。

自宅に帰り抗不安薬を飲みしばらくすると緊張感や不安感、動悸の症状が明らかに軽くなると同時に消化器症状も同様に軽くなりました。日によって症状が軽い日はなく悪化するだけだったので、すごく驚いたことを覚えています。

やっと病気を認識する

 人が生きていく中で対象がはっきりしている不安や、軽い不安感は誰もが感じるものです。不安を感じるからといって、必ずしも全てが病気とは言えません。

しかし、他人と比べるものがないので異常だと思わず苦しみながら日常生活を送っている人は多いと思います。

私の場合は心療内科を受診し先生に診断してもらい薬を飲んで症状が軽くなったことで『性格ではなく気のせいでもなく』病気の症状だったんだと認識することができました。

これが私の病識を持つまでの過程です

⒍最後に

 病識を持つことは病気の治療においてとても大切なことです。特に心の症状は目には見えないため自分も他人も気付きにくいものです。

自分が病気だと認めなければ治療に参加出来ませんし周りが理解してなければサポートは難しいです。

性格と病気は別物です

 人は常に心と共に生きています。心の感じ方は人それぞれです。そのため自分の心の反応が正常か異常かなんて考えませんし、目に見えて測れる物差しもありません。

怪我であれば大なり小なりほぼ全ての人が経験しますが、度を超えた心の反応は一部の人しか経験しません。これが現実です。病気だと気付かず苦しんでいる人も多いと思います。

私は数年かかりましたが身体症状も含め性格だと思ってたものがなくなりました。やっぱり病気だったんです。

とても難しい問題ですが本人も周りの人も心の病気に早期で気づくことができる。病気になる前の予防ができる優しい世の中になればいいなと思っています。

まとまりの悪い文章になってしまいましたが少しでも伝わるものがあればうれしく思います。最後までお読み頂きありがとうございます。



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