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【エッセイ・小説】裁判妄想記

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逮捕から起訴、そして公判から判決までの妄想にしたものをエッセイや小説のようにつらつらと書いて行きます。
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記事一覧

逮捕された新卒OLの罪(2,464文字)

第29章 最後の地検ついに勾留期限の最終日となった。 検事との最後の取り調べ。 正直検事調べはあまり好きではなかった。 今日で終わりかと考えると少しは前を向けると思う。 いつも通りの朝を過ごしている、護送される被疑者が牢屋の外に出る。 出房すると何も言われずともわたしは両手を揃えて差し出す。 もうこの動作は慣れてしまったし、どこに両手を位置すれば担当さんが手錠が嵌めやすいかがわかる。 手のひらを上にして軽く手をパーにする。 そして両手の位置は少し胸よりも下の位置だ。

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逮捕された新卒OLの罪(3,937文字)

第28章 最後の取り調べ再逮捕から数日が経ち、もう少しで勾留満期を迎える。 ただ、起訴されることは間違いないので、今後のことをただぼーっと考えてる日が長くなった。 莉子も起訴されて、恐らく数日後には拘置所に移送されるかもしれないと言っていた。 余罪が多く保釈は通らないと弁護士に言われていたのだ。 しかも、再犯でもあるため保釈申請すらしていないと笑いながら言っていた。 でもわたしは少しでもチャンスがあるのであれば、保釈申請をしておきたい。 弁護士と保釈について相談がした

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逮捕された新卒OLの罪(2,666文字)

第27章 再逮捕後、2回目地裁いつも通り6時には担当さんの「起床ーーーー!」の叫び声でわたしも起きる。 20日も過ぎれば、必然とこの生活も慣れるものだ。 ぐっすり寝れる。 今日は、裁判所へ行くためにバスで護送される。 勾留期間が決まるが、また20日間延長だろうと諦めの気持ちもあった。 または、手錠を嵌めらたまま長時間の耐久レースをしなければならないことが憂鬱なのだが、、、 検察からの勾留請求がある以上わたしは裁判所へ行かないといけない。 いつも通り、牢屋から出て護送の

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逮捕された新卒OLの罪(3,556文字)

第26章 再逮捕後の地検再逮捕から一夜明ける。 刑事さんから明日は地検だからと言われていたので、昨夜担当さんから「66番明日護送」と言われても何も驚きはなかった。 留置所生活もだいぶ慣れた。 少し違うのは、莉子以外も同じ部屋に人がいることだけだった。 彼女もアイドル並みの美人さだ。 メイクをしていなくても、充分キレイさがわかる。 少しだけ嫉妬してしまう。 起床後は、朝ごはんを食べて、運動がてら腹筋したり自分の時間を使う。 検察庁では手錠と腰縄で長時間拘束されるので、

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逮捕された新卒OLの罪(3,081文字)

第25章 再逮捕腰縄を握る刑事からは「大丈夫?」と聞かれても消え入るような声で「はい」と答えることしかできなかった。 ようやく、到着取調室まで連行されてパイプ椅子に座らされる。 この瞬間、わたしはさらにガクッと首を垂れる。 この間刑事はわたしに気を使ってくれていたのか、手錠を外す際に「両手を出して」と注意を受けずに刑事がわたしの両手を嵌める手錠を外さしてくれた。

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逮捕された新卒OLの罪(1,833文字)

第24章 驚愕の光景間も無く勾留満期。 取り調べは、地検に行く以外のほぼ毎日、地検はあの後一回行った。 わたしはこの後どうなるのだろうかと満期の前日はどうなるのか不安で仕方なかった。 居ても立っても居られないので、担当さんに管本の予約をしたかったのだが、明日お出かけだから何も買えないと言われた。 なぜなのか。 おでかけ? 勾留満期なのにおでかけなのに、通常は護送だよと伝えられるはずなのに、おでかけとはなんだろう?

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逮捕された新卒OLの罪(2,821文字)

第23章 検察の取り調べ「066調べ 」と刑務官に呼ばれ、檻の外へ出る。 わたしもここへ来て2回目。いつも護送姿になるための準備をする。 黒い太いベルトをつけられ青い縄をベルトの上に巻き付けると、刑務官のベルトに括りつける。 これでいつもの検事室への連行姿だ。 2回目とはいえ、勝手が違う。 手錠や腰ベルトをつけられる動作を自分からやっているという屈辱が蘇る。

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逮捕された新卒OLの罪(2,796文字)

第22章 2回目の東京地検屈辱すぎる引き当たりが終わって数日後… 取り調べや弁護士との接見を淡々と過ごしていた。 そして、今日は2回目の検察の日 いつも通り起床して、朝ごはんを食べて運動して、朝はなんら変わらない。 留置所に来て10日くらいか、すっかりこの生活が慣れてしまった。 少し物思いに耽っていると、護送の時間になった。 9時すぎ、留置担当が迎えにきた。 トイレを済ませて、莉子に「いってきます」とあいさつして牢屋から出た。 莉子とはもう戦友みたいなものだ。 場外に

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逮捕された新卒OLの罪(2,671文字)

第21章 引き当たり(現場検証)今日は久しぶりの外だ。 留置所から出て約1週間ぶり。 でもわたしは、外に出られた嬉しさよりも早く留置所へ戻りたい、という気持ちでいっぱいだった。 当然わたしの両手には手錠、腰には浦縄で縛られ、刑事が腰縄の縄尻をしっかり握っている。

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逮捕された新卒OLの罪(2,451文字)

第20章 度重なる受難わたしの勾留取り消しが決まってから一夜が明けた。 とにかく、泣き疲れていつの間にか寝ていた。 すると担当さんがわたしの番号を怒鳴りつけるように呼んだ 「066番、朝です!いつまで寝ている!」 最悪の目覚めだ。できれば夢であって欲しかったが、そうもいかない。 ただ、久しぶりに熟睡した感覚があり、体が少し軽い。すぐに布団を畳む。 わたしは、便意を催したので担当さんに対して担当さんに申し出て「官チリ」を貰う。 固くて品質が良いとは言えないが、ここではト

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逮捕された新卒OLの罪(3,803文字)

第19章 恥ずかしい姿わたしは今重厚感のある扉の前に立っている。 少し光が差していて、新しい道を示してくれるようであった。 でも、その光景を見たときに少しでもそのように感じた自分を悔いた。 わたしの前に立つ男性警察官が扉を開けて入る。 それに続いてわたしも法廷に入廷する。 手錠を嵌められ、腰縄を後ろの女性警察官に縄尻を握られたまま、法廷に入る。

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逮捕された新卒OLの罪(1,977文字)

第18章 2回目の地裁弁護士に勾留開示請求を依頼してから3日後、ついにわたしにも地裁で勾留開示請求を地裁で聞くことができる機会をもらった。 担当さんから、「066、明日単独」と言われた。

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逮捕された新卒OLの罪(3,016文字)

第17章 勾留開示請求取り調べから帰った後に莉子と話題になった勾留開示請求。 わたしはこの言葉を初めて知ったので、頭の中が「??」でいっぱいだ。 明日、弁護士さんに聞いてみよう。 そう思って次の日になった。 この日は、取り調べが特になかったので、莉子と話す機会が多かった。 わたしは勇気を振り絞って莉子に話をかけた。 今まで自分から話をかけることがなかったので、被疑者同士の交流はあまり取るべきではないと思っていた。 昨日話した「勾留開示請求って何?」とわたしが莉子に問い

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逮捕された新卒OLの罪(2,578文字)

第15章 若手刑事からの取り調べ取り調べが始まり刑事が淡々とパソコンのキーボードを記入する。 しかし、あまりにもタイピングが遅いのだ。 刑事ってやっぱり、頭よりも身体ばかり動かしている職業なんだなと感じた。 わたしが代筆した方が絶対早い。 でも立場上はそんなことも言えないのが、なんとももどかしいのだ。 今日の取り調べは 一緒働いていた組織について、社長と呼ばれる男について 他にも共犯がいないのか、週に何回ほど組織と接触していたのか。 これを詳しく年月日まで聞いてきた

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