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ドローンスクールに通ってみてわかったこと

 今年初の挑戦として、ドローンのライセンスを取ろうと思い、最近某スクールに通って練習しています。そして、DPAの回転翼3級に挑戦したのですが、操縦の試験で見事に落ちました。w

 また来週試験があるので、リベンジしたいと思いますが、もし今度ダメだったら、もったいないけれどJUIDAの資格に切り替えようかなとも思っています。

そもそもドローンてなんなの?

 私も正直、よくわかっておらず、昭和人間の私には、ラジコンヘリとの区別がついていませんでした。まあ実際、ほとんどラジコンヘリと変わらないのですが。

 ラジコンヘリだと、飛行の安定性は完全に操作をする人に依存します。だから、ラジコンヘリにカメラをつけて撮影というのは、かなり高い操縦技術が要求されます。

 しかし、最近のドローンと言われるものは、飛行姿勢や位置など、ジャイロやGPSなど各種センサにより、ある程度自動で安定化してくれます。だから、本来なら基本操作さえできれば十分です。

 また、スマホアプリなどと連動することで、予め設定したルートを自動でトレースして飛行させたり、プログラミング対応のものであれば、プログラムで自律的に飛行させることも可能です。この辺りが、昔のラジコンとは大きな違いだと言えるでしょう。

ドローンで何ができるの?

 ドローンを使って出来ることと言えば、まず何と言っても空撮です。現在TVで流れている、4Kで自然の風景を上から眺めた映像は、ほとんどドローンで撮影されています。スポーツ中継にも使われていますね。

 初めはそういった、趣味やエンタメ用途がメインでしたが、最近は建物を上から見た写真なども、ドローンで撮影されることが多くなりました。そして、それを応用した、屋根や外壁のの点検が行われています。

 また、レーザー測量器を搭載して、3Dでの土地測量や、赤外線カメラを搭載して、太陽光パネルの点検なども行われるようになりました。

 私も、太陽光発電所の点検業務を目的として、ライセンス取得を考えました。

 現時点では様々な規制があり、日本では人が多く居住する場所での飛行が認められていませんが、今後規制緩和が進めば、物流への応用も期待されています。その可能性は、「空の産業革命」と言われるほど広く、世界中で開発競争も進んでいます。

ドローンの操縦に必要な資格は?

 現在のところ、操縦に必要な公的資格はありません。しかし、ドローンの利用増加に伴い、事故も目立ってきていることから、来年には自動車のような、運転免許制とする事が検討されています。

 現在はどうなっているかというと、国土交通省が、ドローンパイロットになるための講習を行っているスクールなどを管理する、講習団体を管理する団体がいくつかあるのですが、DJI JAPAN、DPA、JUIDA、セキドが有名です。そして、それぞれの管理団体がライセンスを発行しているのですが、一応国交省の認める管理団体の資格であり、これを持っていれば飛行許可の申請が一部省略できるというメリットがあります。

 飛行許可というのは、空港の近くや高度150m以上での飛行、人が密集している場所の上空を飛行させる場合に必要となるものです。また、カメラ画像を見ながらの操作(目視外飛行)や夜間飛行なども、国交省がの認可ぎ必要な飛行になります。

 ただ、実際には国土交通省から許可や認可が出ても、条例やその他の法律でそもそも飛行ができないケースが多いです。そのため、現在のところその資格の有効性は、疑問符がつくところもあります。

 また、自動車に関しても

「レベル5の自動運転が可能になったら免許が不要になる」

と言われる中で、これから自動化が進むであろうドローンの免許というものが、現在人に求められている技能や知識で妥当なのかという問題もあるわけです。

 まあ、大方こういう管理団体というのは、大学教授や役人等の天下りの受け皿として作っているものなので、そういう文化が日本から無くならない限り、無意味な規制でも無くなりはしないと思います。

ドローンスクールはどんな感じか?

 閑話休題、私が通ったスクールは、DPAという団体が管理するところで、そこでは回転翼3級という資格が取れるという触れ込みでした。

 基本カリキュラムは、座学は半日、2.5日で操縦訓練でした。

 座学は、航空法や小型無人機等飛行禁止法、電波法、道路交通法、民法等の関連法規に関する講義があります。これらを半日で行うため、内容的にはほとんどさわりだけで、申請手続きや安全確保等の実務的な知識は、ほとんどありません。

 飛行訓練は、DPAの指定する機体で行います。機体を安定させるための各種センサやGPS機能などが無いため、とても不安定です。

 その機体で、離着陸やホバリング、水平移動や旋回まで練習します。ドローンの操作というより、ほとんどラジコンヘリの操縦練習です。

 そのスクールはショッピングモール内にあり、屋内で行いました。天井が低く壁の影響も受けやすいため、非常に操作がし辛く、空調の吹き出し口や、壁の影響をもろに受けて、機体のバランスが取れなくなるという感じでした。

 また、電波環境もかなり影響を受けるようです。国内で使用できるほとんどのドローンは、Wi-Fiと同じ2.4GHz帯の電波で操作指令を送っているのですが、それがWi-Fiの電波と干渉して操作が利かなくなったり、意図しない動きをすることもあるようです。

 私が通ったスクールは、まずショッピングモールのFree Wi-Fiの電波があるのに加え、各店舗で飛ばしている電波や買い物客のポケットWi-Fiなどが干渉する事がありました。

 ここで一つ感じたのは、スクールに通う場合、操縦の練習場所がかなり重要だということです。まず、プロポの操作に対する機体の動きを正確に把握するためには、なるべく外乱要素を受けない形で練習できる環境が必要だと思いました。

 なので、実際ドローンの操縦をどういう場所で練習できるのか、これは事前によく見た方がいいと思います。

 操縦は、プロポと呼ばれるコントローラを使うのですが、その説明についてはレバー操作と、キャリブレーションの仕方だけです。電源の入れ方や、機体とのリンクのさせ方など、実務に必要なことは、質問したら教えてくれるくらいでした。

 操縦テクニックの教え方に関しては、ほとんどインストラクター任せという感じです。インストラクターのための試験は、操縦テクニックはかなり厳しいそうですが、インストラクションの方法やレベルは統一されていないように感じました。

 実際のプロポのレバーは遊びがほとんど無く、横から見ても指が動いているかわからない程しか操作しません。そのため、インストラクターの動きを見て、同じように操作するということができません。

 機体操作のスピードや操作量など、具体的に説明がある人もいれば、見てもわからない指の動きを、フィーリングで伝えることしかできない人もいるため、インストラクターがどんな説明をするのかも、レッスンを見学して教え方を見せてもらうのも大事だと思いました。

資格は何を取るべきか?

 DPAの資格は、国土交通省で許認可が必要となる項目が、ほとんどがカバーできるというメリットがあったので、そちらを選びました。

 ただ、夜間飛行や物件投下(農薬散布も該当)など、業務によっては使わないものもあります。目視外飛行に関しても、実際のところ1人で行うことはなく、必ず監視人をつける必要があるため、どうしても自分でカメラ画像を見ながら飛ばす必要が無い限り、必須では無いと思います。

 また、求められる操縦技術はDPAの方が高く、その分技術の習得も難しいです。私の通った某スクールは、3日で取得可能という触れ込みでしたが、ラジコンヘリやトイドローンを操作したことがない、未経験者では難しいでしょう。

 であれば、とりあえずは知識的なところをしっかりと学べる、JUIDAの資格を取得してから操縦経験を積んで、より業務の幅を広げたければ、ドローンのメーカとしてNo.1のシェアを持つ、DJIのベンダー資格等を取得するのが良かったのではないかと、今では考えています。

 余計な話ですが、DPAのスクールは、操縦テクニックに特化しすぎていて、スクールの謳い文句は

「実務に必要な操縦テクニックが身に付けられる」

というものですが、ラジコン操作が上手くなるだけという印象が実際のところです。また、DPAのスクールなどが、JUIDAのスクールについて

「操縦練習の質が統一されていない」

という批判をしているのを見かけますが、JUIDAのスクールの方が、カリキュラムや習得項目とその要件について、問い合わせなくでも明確に公開しているところが多く、要求されるボトムラインをしっかり決めているという感じもします。

 まあ、この辺はあくまでいくつかのスクールで話を聞いて、私が受けた印象もありますので、これからスクールに通って資格を取ろうとしている方は、

「どの資格を取るべきか」

よりも、先程も申し上げた通り、

・資格取得までの必要な日程が無理の無い形で提示されているか

・ドローンを安心して飛ばせる練習環境を持っているか

・インストラクターの「教え方」が統一されているか

という「スクールとしての質」を重視した方がいいと思います。

ついでにドローン操縦免許の問題について

 ドローンに操縦免許を求めるならば、自動車のように、大きさや操作性、自動機能に統一基準を設けて、それに応じた免許とすべきでしょう。自動運転の基準についても、同時に議論を進める必要があると思います。

 また、免許制に伴い規制緩和についてもすすめていかなければ、ドローン産業をただ縮小させるだけになります。そうでなれば、自動車と同じように、また世界から遅れを取る事にもなります。

 様々な管理団体が、団体の存続と既得権益獲得のために、権威付けをしようとして国交省の求めるままに色々な要件を追加しようとしているようです。しかし、ドローン産業革命が、今後の日本の経済発展に寄与するものになるかどうか、その運命を背負っているのだという事を自覚し、オープンな議論を進めていって欲しいものです。

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