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私とK#20

日時:2012年10月〜12月
赤本、ラジオドラマ、ドラマCD、サントラを見て

2012年夏、旧アニメイト本店のカーナビサイズの小さな液晶に映像が流れていた。クール毎にチェックして少しでも気になったアニメは大体録画して観ていた時期で、これって以前きゃらびぃに載ってたオリジナルアニメだ、好きな声優が出るから観ようと思ったことだけ覚えてる、次クールなのに随分前以て宣伝してるな、と立ち止まったんだったと思う。映像は思いの外長く、綺麗なビル、お店、海、……K(ロゴ)。そう、Kだ。それは知ってる。映像は最後まで人物が誰一人出てこなかった。何だったんだ?でもまあ好きな声優が出るし他のキャストも好きだし観るんだろうな、そう思って他ジャンルの何かを手に会計を済ませた。
同年秋、Kは始まった。angela枠なんだ、OP文字読ませる気ないな、オシャレならいいってもんじゃないんだよ、総員抜刀に笑う、これはちょっとウケが良さそう、食べ物が美味しそうなアニメって良いな、ああ学園恋愛要素あるのか…と思ったらそういうわけでもないのかも、これは二話も観るか。他アニメとほぼ同列、頭一つには届かない頭皮一枚出てるくらいの認識だった。Kは毎週放送されていく。次の放送の前に必ず録画を消化していた。そのうち次週が放送される前にニコ動で繰り返し観るようになった。仕事が終わって家に帰るとK1話を再生するようになった。Kは4話、5話と続いていく。ストーリーはわけがわからない。それでもK1話を再生し続ける日々は終わらない。録画は1話も消していなかった。
小説が2冊あることを知った。前日譚らしい。他ジャンルのついでに買おうと書店に行くと陳列されておらず店員を呼んで奥から出してもらった。赤いし青い。漫画もあるのか。纏めて買うことにした。
6話、ギターを弾き出す男とそれを目を瞑り聴き入る男達。私はギターを弾く男が嫌いだ。EDで涙が出た。泣かせにきているのだ、泣くに決まっている。
K1話をやはりなんとなしに再生する。漫画で野球をしていた人達がその世界に生きていた。繰り返す1話に、6話が加わるようになった。7話、8話、9話、わけがわからない。10話。読み進めていた赤本が効き始めていた。11話。赤本は読み終わっていた。気付きたくなかったけどもう認めないでいるほうが苦しくなっていた。この人が好きだ。私はどうやらKが好きで、それも恐らくこれは一過性の好きでは済まないことを認めなければならないと諦めるように理解した。2週間後、好きな人は死んだ。
死ぬんだな、と思っていた。勘でも予想でも考察なんかでもない、他キャラのキャラソンの歌詞で知ってしまった。キャラソンは全て気に入っていた。何せ作詞が原作者だ。これまでゲームの特典のオマケという目でしか見てこなかったドラマCDを毎日繰り返し繰り返し聴くようになって、主題歌のKINGSをイヤホンで聴くのはいつからか既に寝る前の日課になっていた。
青本を読み終わったのがいつだったか覚えていない。宗像礼司のことがわかるだろうと思って読み進めたはずが、読み終えてみたらわかった分よりわからない分のほうが増えた。そんなことある?と思った。何なのだ、この男は。
1期13話放送後の休日のとある日原作者のツイートを電車の中で読んだ。
『ほんと言うと、丸々一話分くらい宗像相手に好き勝手暴れさせてやりたかったです。周防が浮かべる太々しい笑みって、戦いの中でこそ一番輝く気がします。』(ほぼ原文まま)
私が好きなのはどちらかと言うのならこの人の持つ優しさが表れた笑みだ。でもこの人が輝くのは言われた通り戦いのさ中で、この人はそれが叶わないまま死んでしまった。この人自身が望んでいた輝くその姿を私が見ることはもうない。
Kを好きなことに何も変化はなかった。それどころか、1期13話特別エンディングTo be with U!の文字通り、続編へ向けて続くなぜかKの話をしないKのラジオ、イベント、月刊Kのようなアニメ雑誌、そして何より頻繁に呟かれる原作者7人による中身が詰まりに詰まったツイート。いつの間にか諦めは願いになっていた。Kとずっと一緒にいる。
Kと過ごしてきた5年間は楽しいことだけではなくて、素直に泣いて落ち込んでは捻くれて泣いて落ち込んだり、そういえば未経験の高熱にうなされて寝込んだ一週間もあったし、苦しくて辛くてツイッターから離れられないくせに自分では何もツイート出来ない期間も1年間くらいあった。それでもKで負った傷はKでしか救えないともうわかっている。それもこれもあれもどれもKのことが大好きだから。

2018年夏、劇場版K SEVEN STORIESが始まろうとしている。初めてKの映像を目にしたあの日から丁度6年くらいだ。公開初日幕を開けるのは小説K R:Bをベースに作られた『R:B ~BLAZE~』。燃えさかる、切り開く、燃え立つ、輝く、あの時二度と見られないと思っていた、見られなかったはずの姿が映画館のスクリーンで上映される。輝いて、そして2012年の冬へ繋がるように破滅へと向かっていくあの人の姿だ。Kが続いてきた分増えていた見たくても見られなかったはずの思いどころか体ごと、半年という時間をかけてKは私を奪いにくると言う。これまでKが積み上げてきたものをなるべく出来るだけ極力能う限り最大限いっぱいに体に詰め込んで私はこれから半年間劇場に足を運ぼう。

当時そんなつもりはなかったけどわけがわからないまま丸ビルの上に二本のダモ剣からウォ-リ-スロ-リ-そしてわけがわからないまま騒めく人々に突き刺さるようなサントラ『アドルフ・K・ヴァイスマン』それに重なるネコの鳴き声、もうそこからKだったのかも。

これを受け取ったのは6/23の真夜中、12時間後にスカイツリーでのKの会を控えていた時。読んでいただくとわかる通り、VRさながら1人の人間のK生に没入してしまうような「私とK」だったので、かなり引きずりながら会を迎え…あざの先生の「RBでは宗像と周防が映画1本でテレビシリーズトータル分ぐらい戦っている。2人が本当にケンカを楽しんでいて、それはテレビシリーズの時は叶わなかったので良かった。(大意)」と仰っていたのを聞いて、息が止まりました。筆者の方も会場におられると聞いていたので、運命…

今はどうしているか:
Kのことが知りたいので健康でいられるよう心掛けています。

1人選んだら:周防 尊さん
一番好きなK:小説はすべて外せないけどこれがなかったらここにいないか別のルートを辿っているので赤本です。
一番好きな雑誌版権(ポスター)・グッズ:
今パッと浮かんだのはの赤い糸版権(2015年10月31日発行spoon.2Di vol.07)

命あってのK! SURVIVE!

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ここまでが、6/23のお昼ぐらいに自分のtwitterでnoteを告知してからその日のうちに投稿して頂いた分になります。
熱のこもった「私とK」を短時間でこんなにたくさん頂いて、みなさんの中にKと、そのKになったドラマチックな瞬間がやっぱりあったんじゃないか!と毎日編集しながら心躍らせています。読んでてたのし〜!という感想もたくさん寄せていただき、「私とK」を聞かせていただいた皆さんに感謝でいっぱいです。
まだまだ記事化できていない(はやく公開したい!)投稿もありますし、とりあえず毎日1記事更新目標に地道にやっていきたいと思います。ぜひ、あなたの「私とK」を聞かせて下さい。こちらのアンケートフォームからおねがいします。