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マスコットから美少女に乗り換えて華開いた、コロコロコミックの最新鋭兵器を紹介します。

ぷにるはかわいいスライム』、コロコロコミックオンラインで連載が始まった、まさかのかわいい女の子を主軸に置いたラブコメスライム漫画な訳ですよ。

かわいいスライム、ぷにる

主役の「ぷにる」はもともとケシカスくんやベッカムみたいなマスコット調の外見だったんだけど、居候先の男の子コタローが中学生の思春期になるにつれて彼の好みに合わせた外見に進化していき、色んな系統の女の子、幼女からお姉さんまで千変万化(あるいは男の子にまでなってしまう)という、夢のスライム生命体が爆誕したわけですわ。

少し背伸びした児童向け漫画ということで、今作は美少女の可憐さにフォーカスしたような内容になっている。オタクはデフォルメ調の絵柄で自分たちの性癖を抉り取られるのが大好きなのだ。

絵柄もまるっとしたコロコロDNAを受け継いだ感じの線でありながら、コタローの憧れの上級生、きらら先輩みたいな美少女の描き分けのバリエーションが富んでいて、心臓に刺さる絵を書くのがうまいねェ〜!と言う感じになる。

ぷにるのデフォルトの服装も良い。
上半身を首元まで隠れた生地厚めの分厚いパーカーで覆っていながら、下に目線を移していくとスパッツから覗く太ももから、膝、ふくらはぎにかけての生足という上下のギャップよ。
ペンギンポシェットも個性的なアイテムかつ幼さを感じさせるアクセサリーとして存在感を放っているぜ。
そしてデフォルメキャラクターらしい強烈な誇張が効いたデカい靴!全体的なシルエットも誰だか一発で分かりやすい!キャラクターデザインの妙ですね、これは。

ホウ砂水と洗濯のりでいろんな姿に変身!」って言う、子供が大好き理科の実験に使うようなスライムならではのギミック要素も搭載されているのが設定面でも秀逸さを感じるね。

こんなん見たらコロコロ読んだ子供の性癖が歪んじゃうよ〜w」って言う第一話の話題性からTwitterを始めとした大きい子供のインターネットで話題になったけど、連載が続いて言っても現状全く失速する様子を見せていないのが匠の成せる技。

毎話毎話新しい展開ときっちりした起承転結を盛り込んでいて、読者を飽きさせない。次の話が待ち遠しい、楽しみな気持ちにさせてくれる。プロの漫画家ってすごいなぁ……

スライムガールならではのギャグ(食べたものが透ける、体が溶けたり気を落とされたりする等)描写がてんこ盛りで、漫画力が高いんだよな。

ライバルのチャラ男かと思ったらただただメンタリティーが小学生なだけのクラスメイトや、ぷにるを拉致監禁して研究しようとしたりする敵役的存在の中学教師なんかも出てきて、サブキャラのバリエーションやシナリオを彩る要素としての散りばめ方なんかも技巧が伺える。
きらら先輩の「母性」というスキルが作中屈指のリーサル・ウェポンとして機能してるのは一見の価値ありです。

少年とスライムが友達じゃなくなるまでのおはなし」とキャッチコピーにもある通り、コタローがぷにるに抱いている気持ちは友情でもあるけれど気恥ずかしさでもあり恋慕を抱いていながらもそれを本人はなかなか認められないのだろうという…一言で表し切れないものになっているんだよ。
この辺の絶妙な距離感の描写もうまい。バズるべくしてバズった作品だなと思う。

ぷにるの肉体の可変性、確かにマスコットだった時はペンギン以外のいろんな生き物になれたのかもしれないけど、美少女ボディーを手に入れてしまった今は読者の心を捉えるより強力かつ凶悪な武器に変貌しているという、なかなか世間の需要が窺える話というか、読み切り作品をリメイク…さながらリサイクルして生み出されたタイトルであるが故の面白さもあるよね。

結局どこまで2人の関係性が突入してしまうのか。彼らが向かう先のゴールから目が離せないし、ありきたりなフレーズになってしまうがもう今後の展開に期待していくほかないんだよな。


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