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ラジオ五輪

ラジオで聴き逃し番組を検索していたら北京オリンピックの実況番組があったので初めて聴いてみたらこれが結構面白かった・・ことの記録。

・スキージャンプ:「スタート」「踏み切った」「いま着地」「距離は・・」淡々と必要最小限のことしか話さないアナウンスが渋い。シュバ!!っとスキーが滑る音がすぐそばのようによく聞こえて臨場感は大。

・アイスホッケー:野球やサッカーのラジオ中継とあまり変わらずそんなに新鮮味なし。

・スピードスケート:終盤競り合う場面になると、噛んだら最後!のアナウンサーの緊張感もひしひし。これはアナウンサーにとっても一種のスピード競技。「ガンバレ!行け!」のような私情を挟む時間の余裕もない。(ので解説者が横で叫ぶ)。考えてみれば夏五輪の短距離走やフェンシングの中継なんかもっとスピード要求されそう。あるのかな?

・フィギュアスケート:テレビの実況がわりと控えめなのに対してこちらは当たり前だがめちゃ詳しい。衣装の色やデザインから始まりジャンプの種類や着地のようす、スピンの姿勢、速さなどとにかく細やか・・・「キラキラッ」「クルクルッ」などの擬態音のほか「悩ましげ」「険しい視線」などの表現がいちいちぐっとくる。しかしここまで言葉をつくしてもらっても演技をイメージするにはかなりの想像力が必要で、むしろ演技ではなく語りを楽しむプログラムか。

・パラレル大回転:シンプルにタイム勝負のため難しい名前の技もなく、光景がイメージしやすい。スピード感と流れのある語り、そこにターン時のリアルな音がかぶさって迫力がある。

・クロスカントリー:途中までは普通のマラソン中継っぽかったが最後の方のデッドヒートは競馬中継のようで面白かった。この種目は見るととにかくきつそうなのでテレビよりラジオのほうが疲れなくていい。


今のところこれだけしか聴いていないが、これらは一種の「アナウンス話芸」と言えるだろう。聴くうちに話芸の方にすっかり気を取られて結局誰が勝ったとかどうでもよくなるくらいだ。あまりの早口に対してこちらの聞き取りや画像化の能力が追いつかないということもある。でもそれも含めてテレビの実況よりずっと奥深いぞラジオ世界。こういうスポーツの実況もいつかAIがする日が来るのだろうか。「速くて正確」は彼らの得意分野だから、もしかしたら次の五輪にはそうなってるかもしれない。そうすると今回はヒトによる貴重なラスト実況になる。おお、テレビなんか見てる場合じゃない。

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