【直違の紋に誓って】第二章 焦土~盗賊(2)
今までの食事で、これ程美味な食事があっただろうか。剛介は腹を擦った。かぼちゃのこっくりとした甘み。きのこの旨い出汁。葱の甘みを伴ったぬめり。
腹もくちくなり、剛介はこの数日において、初めて寛いだ気分になっていた。
「ようやく、まともな顔になったない」
孫次が笑った。気が張っていたこともあり、孫次や喜兵衛から見れば、剛介らは子供ながら油断のならない殺気を帯びていたのだろう。
「二本松が落ちたというのは、本当だったんだな」
一人がぽつりと呟いた。その言葉に、剛介たちはそ