中学生の息子を「おうちカット」した話し
新型コロナの影響で学校が休校となったため、中学生の息子の髪を「おうちカット」したことを記録しておこうと思う。
おうちカットはとても久しぶりだった。幼稚園ぐらいまではわたしが切っていたが、それ以降はもっぱら1000円カットを利用していた。散髪料は現在1200円に値上がりしているので厳密に言うと「1200円カット」だが、なんとも言いづらい。
中学生のおうちカットとなるとちょっとハードルが高い。ごまかしが効かなくなる。
仕上がりにがんがん文句を言ってきそうだ。
だが仕方がない。こんなご時世だ。
3月はじめに休校となり、その時点で既に子供の髪は伸び気味だった。休校から1か月間ぐらいは見てみないふりをしていた。が、暦も4月に変わりさすがに限界を感じはじめていた。
そしてネットで散髪用のはさみを物色する。
手頃そうなはさみをAmazonの「あとで買う」ボックスに入れておいた。すぐに購入しなかった理由は、自分が子どもの髪をカットすることに若干躊躇気味だったからである。
そして「あとで買う」ボックスに入れてから一日後。やっぱり買わないとな、と思いもういちどチェックしてみる。
ない…
売り切れていた。
やっぱりみんな絶対全国的におうちカットしているのだ。
あせって類似品を探す。
他のはさみも結構売り切れている。
ようやく探し出したはさみを即ポチる。
ほっ。
いや、ほっとするのはまだ早い。
はさみを買っただけに過ぎない。
本番はこれからだ。
3日後にはさみが届く。
でもすぐにはカットする気にはなれない。
とりあえず検索バーに「子ども カット 中学生 男子」などのキーワードを入れてみる。誰かが上げている動画で2日間ぐらいイメージトレーニングを重ねる。何度も動画を見ていると不思議なことに切れる気がしてきた。
単純すぎる。
そしておうちカットを決行したのは
はさみが届いた3日後だった。
我ながらいろいろと遅い。
おうちカット決行当日。
私に髪を切られることにちょっと不安気味な息子が椅子に座る。気を紛らわすために鬼滅の刃なんか読んでいる。
それっぽく首の周りにケープらしきものを巻き
霧吹きで髪を湿らせる。
櫛で髪をとき、
そして、おそるおそる一刀目を入刀。
「ザクっ」
予想外に切れ味の良い心地よい音がした。
3〜4センチの長さで切り落とされた髪の毛の束をまじまじと見ると、もう後戻りはできないと思った。
ここを境に何故かヘンな自信が湧いてきた。
動画で予習した通り切り進んでいく。
そばで美容師さんがこの様子をみていたらきっと目をつぶりたくなる光景だろうが、マンガを読んでいる息子に途中途中確認しながら切り進む。
何故だかこのあたりから楽しくなってくる。
調子に乗ってどんどん切っていく。
息子は鬼滅の刃に夢中だ。
前髪にもはさみを入れる。
そしてとうとうその時はやってくる。
マンガから顔を上げた息子が言う。
「ここヘンじゃね!」
幼稚園生だった時は聞かれなかった言葉だ。
しかし反抗期なので想定内の返しだ。
そして改めて見ると息子の言葉は否定できない。
だがそれは認めてはいけないセンシティブな内容だ。
「え、全然大丈夫だよ~」と私。
そして何事もなかったように出来る限りの最善を尽くそうとごまかし作業に入る。
そして、その作業の途中
「もうこれでいいよっ」と不満気味の息子。
「ええ、もうちょっと調整させてよ~。」と私。
と言った会話が何回か繰り返され、結局久々のおうちカットはぐだぐだのまま終了した。
だが、結果的にはおうちカットでも全然大丈夫だとわかった。
カットしてから2~3日は髪を気にしていた息子だったが基本ステイホームなので家族以外誰にも会う予定もなかった。更に、カット後4~5日経つと髪もなじんできて気にしていたことすら忘れていた様子だった。
そろそろ緊急事態宣言が解除されることになるがまた発令される可能性も否定できない。
また長い期間外出自粛することになった場合はまたこのはさみの出番が来るかもしれないな。
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