クイズマジックアカデミー最新作『輝望の刻』プレイしてみた
はじめましての方ははじめまして。
以前もこちらnoteさんでクイズマジックアカデミーについての記事をアップしたことのある者です。
かつての記事は雑記の方にありますのでよかったらそちらも。
実はこちらの記事がわたしの全記事のなかで2番めに読まれています(トップはTwitterとの付き合い方を書いた昔のコラム)。
需要がある、とみて、新作リリースにあわせてゲームの紹介と感想を書いてみたいと思います。
そもそもクイズマジックアカデミーってなんやねん、って方向けにちょっと説明させていただきます。ご存じの方はこの部分を飛ばしていただいても構いません。
クイズマジックアカデミーとは
クイズマジックアカデミー(略称QMA、マジアカ)とは、アーケード(いわゆるゲームセンター)でプレイできるKONAMIさんのクイズゲーム。専用のゲーム台(筐体・読みは「きょうたい」)を使用し、全国のプレイヤーとリアルタイムでオンライン対戦できる、いわゆる大型筐体のひとつです。
KONAMIさんといえば、『実況パワフルプロ野球』や『ときめきメモリアル』『ラブプラス』など、数多くの有名ゲームを世に出したゲーム会社さんです。スポーツクラブの運営でも有名ですね。
さて今回紹介いたします『QMA』は、2003年に最初のシリーズがリリースされて以来、16作目となった今作に至るまで、多くのバージョンアップを挟みながら2020年6月現在も途切れることなく稼働が続いている長寿作品となっています。
今でこそスマートフォンやタブレットの普及で当たり前になっておりますが、タッチパネルで画面を押して遊ぶことができる、ということ自体が当時としては非常に珍しく、選択できるプレイヤーキャラクターの人気もあいまって、大ヒットとなりました。
全盛期にはどれくらいいましたっけ? 詳しい方おられましたらコメントしていただけますとさいわいです。60万人くらいはいたと記憶していますが、なにぶん過去のことなのであいまいで……(公式が記念イラストをアップしたことがあるので、40万人以上いたことは確定しています)
過去のクイズゲームでは、実装されている問題をすべて覚えてしまえばクリアできる「覚えゲー」という根本的な問題を抱えていました。これはゲームとしての寿命を短くしてしまう致命的な問題でした。
しかし『QMA』はネットワークを使い随時問題を追加・更新していくことで、上級者でも飽きのこないゲーム性を実現しました。これがいまだに熱狂的なプレイヤーを抱えるゲームとなっている最大の理由だと思います。
なお「世界で一番問題数が多いトリビアビデオゲーム」としてギネス認定されたこともあります。
最新作『輝望の刻』が先行稼働
クイズマジックアカデミー(以下略称のQMAと表記)最新作『輝望の刻(きぼうのとき)』が一部のゲームセンターで先行稼働しました。
今作の目玉はなんといっても「筐体の更新」です。
実はこの『QMA』、中の基盤は何度か更新されているものの、稼働開始から17年筐体が更新されたことがなかったのです。タイトルが続くにつれて筐体がどんどん古いものとなっていく。長寿タイトルならではの悩みであったわけです。
もっとも新筐体といってもQMAのために新規で作ったものではなく、別タイトルからの流用らしいですけど。それでも、それまでのゲーム台を一新するというのはQMA史上最大クラスの「事件」とも言え、かつてその情報が発表された時にはTwitterで大いに「バズり」ました。
そして6月17日、満を持して新筐体で生まれ変わった『QMA』の稼働がスタートしたのです。
プレイ画面・HGプレミアムプレー
この日はたまたま午後からの勤務だったこともあり、朝一で電車に乗り、ゲームセンターに向かいました。プレイ頻度が下がって久しかった私が稼働日当日にプレイしに行くなんてずいぶん久々だった気がします。
向かったのは大阪・なんばにある『タイトーステーション難波店』。
地下鉄なんば駅から日本橋のオタク街に入るまでの角にある大きなゲームセンターなので、関西のオタク諸氏にはなじみのある場所なのではと思います。そこで新台が2台設置されていました。
その裏側には旧筐体も2台あり、前作『軌跡の交叉』が稼働していました。今回新台が設置されたわけですが、あくまでも先行稼働なので、旧台は新作に対応していません(のちに旧台でもプレイ可能になる予定)。
今回設置された新筐体だけの要素に触れていきます。
撮影技術の下手さ加減は大目に見てください!(
モニターも大画面となり、そのおかげで画面に表示できる項目も増加。
これまでのプレイ画面に加えて、上部にゲームスケジュール、プレイヤーが任意に設定できる壁紙、時刻表示などが加わりました。
画面左部分ではプレイヤー情報の閲覧とプレイ中に流せる音楽を変更できます。音楽は気分に応じて押すだけですぐに切り替えることができ、この手軽さは素晴らしいと思いました。
『ときめきメモリアル』や『幻想水滸伝Ⅱ』、『ボンバーガール』などのKONAMIさんの他ゲームから一部の楽曲が選択できました。今後さらに楽曲が増えるとよりファンには嬉しいのではないでしょうか。
画面右側は協力プレー時に使える『チャット』機能用みたいです。
そして新筐体最大のウリは『HGプレミアムプレー』です。
これまでの『QMA』では、KONAMIさん独自の電子マネー『PASELI』を使用することで選択できる『プレミアムプレー』(通常より20円増し)がありましたが、今回さらに上位のプレーが実装されました。
これはプレミアムプレーにさらに100円ぶんプラスされた220円。
ノーマルプレー(100円)と比べれば2倍以上となっています。
HGプレミアムプレーの最大のウリは画面の上真ん中に正解が表示されるという点です。
こんな感じで。がんばれ♡がんばれ♡
これまでのQMAでは予習と復習(有料)のときには正解が表示されませんでした。なので、クイズに正解した人がいた場合には当然表示されますが、全員が間違えた時にはその場で正解がわからない、という仕様なのです。
四字熟語とか難しい字が並んでた等の場合、ちゃんと読むのが難しかったりしました。このシステムはそこに手を入れたものであるといえます。
個人的感覚では、『三国志検定』や『アクションゲーム検定』といった、一人で特定ジャンルの問題を解く『検定試験』や、出題クイズそのものが非常に難しく設定されている最上位クラス(ドラゴン組)で恩恵が大きいシステムなのかな、と思いました。
こちらが検定試験モードでの画像。
しかしこのHGプレミアムプレーでもっとも重要な点は、対戦前の予習モードで新規の問題が出やすくなる、という仕様であろうと思います。
強いクイズプレイヤーはほぼ例外なく、これに関してはまず間違えない、というジャンルの出題形式(俗に「武器」と呼ばれます)を持っています。予習で得意ジャンルまたは出題形式の新規問題を掘り当て、少しでも実戦で解けない「弱点」を減らすことを目指します。そのため予習を何回もプレーするのです(俗に「回す」と表現します)。プレミアムプレーで新しい問題が効率よく見られるのなら、通常のプレーよりもむしろ効率的、と判断する方もいらっしゃるかもしれません。
別に上級者でなくとも、もっと単純に、今流行のものが出やすいので解くのが面白いというのもあります。
『連ちゃんパパ』という、先月くらいに話題になったばかりのマンガが問題として出た、という報告がなされたりと、さっそく『QMA』プレイヤーのあいだで盛り上がっています。その他、比較的最近活躍の幅を広げた声優さんの問題などが新規に追加されているみたいです。
そういった『旬』な問題を確認しにいくという楽しみもあると思います。
とはいえ万年金欠貧乏マンなわたしみたいなヤツにしてみたら、プレイ金額が通常の2倍超というのはさすがにそう何度もできるものではない、というのが正直な感想です。
たとえば、検定試験でも簡単な最初のプレーでは普通にプレーして、難しくて配点も高い2回め以降にHGプレミアムで基礎固め、自信がついてきたらふたたび通常プレーに戻る……といったように、使いどころにメリハリをつけた上で利用したいですね。
筐体自体の使用感
さて、新規のものとなった台そのものについても。
まずは見た目がスタイリッシュになりましたね。新型!感はすごく醸し出してきやがります。実のところ完全新規とは言えませんが、十年以上据え置きだったおクイズの民的には充分最新鋭機器のオーラをビンビンに感じるのですよ……!
足周りが広く取れるようになったので、以前よりも座りやすくなりました。デスク部分は透明で、今までよりも耐久度が下がったのかな、という印象があります。あくまで印象ですが……
イライラして台を叩きつける『台バン』行為に対して脆くはないかな、と心配になったりはしましたが、他ゲーで大丈夫だったのなら杞憂なのでしょうかね……?
プレー結果を撮影する時なんかに画面に映り込みやすかったのが軽減されていたり、USB接続でスマホ充電が可能になっていたり、ヘッドホン・イヤホンがつけられるようになったりと、設計自体はわりと親切なのかなと思いました。
ただヘッドホン・イヤホンをつけてると後ろに人が並んでいるのが気づきにくくなったりはするだろうと思われるので、無用なトラブルを防ぐためにも、これまで以上に周りを気にしなければいけませんね。
ただひとつ気になったのは、タイピング形式で顕著だったのですが、タッチパネルの反応が少し鈍くなったのかな、という点です。単に私が久々に触れたからなのかもしれませんが、少し気をつけて押さないと反応しなかったりしました。私自身は素早く解答できるタイプのプレイヤーではないのでお前が言ってもなあ的な部分はありますが、スピードで得点が変わる以上、どうしてもそこには触れずにはいられないです。
加えて、新作の稼働ということで仕方ない面もあると思いますが、プレー時に動作が重くもっさりしたことが何度かありました。これも改善していっていただけるとありがたいですね。
その他の留意点など
今作は先行稼働、ということでプレイ時に気をつけないといけないことがあります。それはプレイヤーの強さ別に所属クラスが変わるクラス組が本来のものとは違う点です。
先行稼働中は最上位から一段下のクラス(フェニックス組)がないので、さらに一段下のミノタウロス組からスタートですぐに最上位クラスであるドラゴン組に連れて行かれて、ガチビビリしてしまいました。ドラゴン組のひとこわい。
逆に言えば本来よりもランクが上昇しやすくなっているとも言えます。
そのぶん、ミノタウロス組とは思えぬ人たちで固まってしまっているかもしれませんが……
あと設置店舗が少ないという身も蓋もない問題もあります。
大阪でも数店舗。1店舗あるかないかという地方自治体も少なくありません。昨今はゲームセンターにとっては厳しい時代で、店舗数はどんどん少なくなっています。そんな中『QMA』を全国のプレイヤーが遊べる環境が維持されていたのはラウンドワンさんの存在が大きかったのですが、現時点では未導入。タイトーさん系列のゲームセンターは導入に積極的ですが、全体の希少感を埋めるまでには至っていない、というのが率直な印象です。
昨今の状況を考えますと、いささか不運な時期に稼働となってしまったなあ、と思わざるを得ませんね。
これらの状況も、もしかしたら本稼働となれば今後もっと導入が増えて、全国的に環境が整っていくかもしれません。いまは規模の大きなロケテスト中、くらいの気持ちでいるのが理想なのかなあ、と思ったりしました。
もっとも、明るい材料もあります。
これまでSEGAさん系列のゲームセンターでは『QMA』が導入されなかったのですが、タイトーステーション難波店さんのすぐ近くにあるセガ難波アビオン店さんが新筐体を導入なさってます。
これはSEGA系列店舗さんでも『QMA』ができるようになっていくのですかね……? もっとも、わたし自身かなりゲーセンから遠ざかっていたので昔とは事情が変わってきたのかもしれません。
なお公式サイトに稼働中の店舗名が載っておりますので、ご興味がありましたらご確認ください。
最後に
いろいろと書いてきましたが、新筐体となったとはいえ、基本的なゲームの流れは変わらず、キャラクターボイスや立ち絵などの新録はないので、よくも悪くもゲーム部分では代わり映えせず、新作感がやや薄い、といった印象は拭えないかなと思います。
立ち絵やボイスが変わらない、という中でゲーム的な中身として期待したいのが以下で触れていく新モードです。
これまでは一人用のモードだった『検定試験』の範囲だけで対戦できる『検定ウォーズ』という新モードが実装されるとのことなのですが、それがどうなるか次第なところもあります。
オレは『三国志』の知識だけなら誰にも負けない! といったように、特定の検定試験モードだけをひたすらプレイするというプレイヤーもかなりいらっしゃいます。『検定ウォーズ』はそういった特定分野のスペシャリストが輝きやすいモードと言えるでしょう。通常の対戦では可視化できなかったプレイヤー層を掘り起こせるか? 私自身はそこまで検定をガンガンプレイしていくタイプではありませんが、推移を見守っていきたいと思います。
あとこれは勝手な願望なのですが、エボルグリムキャラ(メインキャラクターにそれぞれ似ているが対照的な性格をしている別の存在)をプレイヤーが使えるようにしてくれたら嬉しいですね……
Twitter上で大ブレイクし、別ゲームである『ボンバーガール』にも登場しているグリム・アロエが使えるようになるだけでかなりのご新規さんを惹きつけられるはずなのですが……もしかしたら難しいのかもなあ、と残念な思いでいたりはします。
このへんで『QMA』新作レポは終わりにします。
リンク張りや強調など色々と取り入れてみましたけど、どうでしょう……? なんか記事っぽくなってますでしょうか?(
最後までご覧頂きましてありがとうございました。
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