美しい人を見た。その人は活けられた一本の名も知らぬ花の上に居た。春の陽射しで沐浴をしているかのようなその仕草に、瑞々しい白雪の肌に、無垢な艶かしさが匂い立つようであった。不意に背徳感が背を駆け上がる。脳天まで至ったそれは罪悪感となり、以降、あの花を見たことは無い。 #掌編

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